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10ゴールドの聖剣  作者: 喜助伊洋
14/20

切っ掛けは突然(『駆け出し冒険者応援フェア』 編 スタート)

前話が若干シリアスになってしまいました

個人的にこの作品は

『ドタバタファンタジーコメディ』を目標としているので

シリアスな話はお休みして

ギャグパート、始まります

「駆け出し冒険者が入りやすい店にしようと思う」

「・・・・・・急にどうしたの、親父?」


 昼間時、俺は聖剣サマに自分のアイデアを伝えた。

 顔というものはないが、聖剣サマはポカーンとしているだろう。


「お前を売る方法を考えてたんだけどな、そもそもこの店をもっと繁盛させるべきなんじゃないかと思ってな」

「えーと、繁盛させるって言っても生活できるくらいには売れてるし、常連客もいるし別に問題ないんじゃないかな?」

「常連客しか来ないんだよ。ウチの店の武具全般は魔物の素材で造っていて、高値で売れるから生活に問題なくて気にしなかったけどな」

「あー、言われてみれば確かにそうだよな、たまに新しい人が来ても、常連の冒険者が同期のベテラン冒険者を連れてくるって感じだった気がする」

「そうだ。俺は今まで「魔物の素材を使った強力な武器を造れば売れる」という正直浅はかな考えで造って売っていたが、今のままだと新規のお客、それも駆け出しの冒険者は買いに来てくれないんだ」

「魔物の武器を使ってる=高い=ベテラン向けってとこあるからな。つまり親父は駆け出し冒険者も買いに来るような店にしたいってわけだな」

「そういうことだ」


 いままで『ウエポンズ』はどちらかというと、魔物の素材を使ったベテラン冒険者向けの店だったことに今更ながら気づいてしまった。

 これでは聖剣サマを買ってくれそうな駆け出し冒険者が集まらない。

 なのでここで1つ店の経営方針を変えようと思ったのが始まりだ。


「けどさ、親父。せっかく「魔物の素材を使った武具を多数取り扱う武器屋」として広まってるのに、急に方向転換するのは常連客に迷惑じゃないかな?」

「ああ、そこは俺も気にしてる。だから常連客にも問題ないように、まずは『駆け出し冒険者応援フェア』として期間限定という形で始めようと思う」

「『駆け出し冒険者応援フェア』? 期間限定?」

「要するにな、期間を決めて・・・・・・、大体1週間くらいかな。その期間の間だけ駆け出し冒険者にとって喜ばれそうなものを安く売ろうという企画だ」

「1週間だけならたくさん駆け出し冒険者が来ても、常連客は我慢してくれると思うけど。客が大勢集まったら延長するんだろ?」

「延長はしない。大勢の客が来ても、逆に人が全然来なくてもその期間はやり続ける」

「え? 客が来なくなったら終了じゃないのか?」

「ああ、失敗することを前提としたデモンストレーションだ。上手く行ったならこれからも定期的に行っていくし、もし雲行きが怪しかったら、改善できるところはしてダメならキッパリ諦める」

「なるほど、期間限定にするなら普通の魔物の素材を使った武具が欲しい人は期間外に買いに来てもらえばいいし、そもそも失敗してしなくなったら常連客は今まで通りに買いに来れるわけか」

「まあ、不安はあるがやってみる価値はあると思う、協力してくれるか?」

「もちろんだぜ、親父!!」


 こうして『ウエポンズ』の『駆け出し冒険者応援フェア』への第1歩が始まったのであった。




「ところで、親父? どうして急にこんなこと考えたんだ? それに期間限定にして失敗した時の被害を少なくするとかどこから思いついたの?」

「昨日の夜、イメージトレーニングで赤猪(あかいのしし)に激突されて頭が真っ暗になったことあっただろ。その後目覚めたら思いついてた」

「なるほど、イメトレで気絶したらいいアイデアが思いついたと」

「まあ、そんな感じだ」

「・・・・・・親父、もう一回くらいイメージトレーニングする気ない?」

「絶対嫌だ。他にもいいアイデアが思いつくかもしれないからって気絶させる気だろ」


 その後の言い争いと説得の結果、ワザとイメージトレーニングでダメージを負うようなことは止めてくれることになった。

 あれは結構頭が痛いし、気分も悪くなるからな。

 ただ、聖剣サマがイメージトレーニングの相手を考えてるときに白金虎(しろがねどら)とか緑翼竜(りょくよくりゅう)とかAランクや時々Sランクの魔物の名前が混ざるようになって、若干怖い。

読んでくださった方々、ありがとうございます

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