第1話
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俺の名前は永倉祐輔、この春から公立高校に通うごく普通の男子高校生だ、入学式から数日が過ぎたある日のことだった。
放課後になり俺は家に帰ることにした、俺が通う高校は部活に入らなくてもいいので、授業が終わったあとは部活動せずに帰ってもよいことになっている。
俺は急いで教室を出ることにした、先生から廊下は走らないようにと注意をされるが、今の俺にはその言葉は全く聴こえてはいなかった。
「うわっ!」
職員室に差し掛かる辺りで、俺は誰かに激しくにぶつかってしまった。
「アイタタッ、ちゃんと前を見てよね‼」
俺が、ぶつかってしまったのは一際小柄な女子生徒だった、青いリボンが見えたので相手は二年生つまりは先輩だ。
「先輩、すみません。」
俺は、目の前にいる小柄な先輩に目を奪われる、綺麗な金髪とサファイアを彷彿させる青い瞳で、エキゾチックな容姿だった。
「危ないから、廊下は走っちゃダメだよ?」
「はい、先輩すみませんでした。」
この時、俺は重大な落とし物をしていた、それが原因で後に大変な事態になるとは全く以て思いもよらなかった。
(あの二年の先輩凄く可愛かったな……)
俺は、先ほどぶつかってしまった、二年の先輩の事を思い出していた。何て言うのか守護りたくなる、そんな感じの先輩だった。
しかしながら、この時俺は天使の姿をした悪魔との遭遇だとは気付くはずもなかった。
ちょっとした、トラブルがあったものの、俺は改めて家路を急ぐことにした。
十数分後、俺はようやく自宅に到着した。
「愛莉、ただいまー」
「あ、お帰りなさい兄さん」
「俺に荷物が届いてないか?」
「荷物なら、リビングにあるよ」
俺は、早速リビングへと向かい荷物を回収することにした、どれ程、この日を待ちわびたただろうか?勿論、荷物の中身はエロい物ではなく新作のゲームソフトだ。
「愛莉、俺は部屋にいくから夕飯になったら呼んでくれ」
俺はさっそく届いたゲームソフトをプレイしようと部屋にいこうとした。
「兄さんちょっと待って、あ~あ行っちゃった……」
愛莉のヤツ俺に何か言いたかったのだろうか?
ルンルン気分で、俺は自分の部屋のドアを開けたが……何故か、そこには全裸な姿の女の子がいた、俺は部屋を間違えたのだろうか?一度出てから再度部屋に入るが……やはり女の子が俺の部屋にいた。
「――け」
「は?」
「――てけ」
「何を言ってるんだここは俺の部屋だろ?」
「いいから、出てけこの変態っ‼」
ここは俺の部屋だよな……?何で女の子が俺の部屋で着替えていたんだ。
「あ~あ、だから待ってって、言ったのに……」
どうやら、愛莉は俺の部屋に女の子がいる理由を知っているようだ。
「なあ、愛莉このチビっ娘は誰だ?」
「誰って、兄さん希望ちゃんのこと忘れちゃったの?」
「希望?このチビっ娘がか?」
俺の目の前にいる小学生みたいな奴が希望だと……?愛莉は冗談を言っているのだろうか?
従姉妹である矢坂希望と最後に会ったのは、五年前の夏休みに俺の家に泊まりに来て以来会うことはなかった。
流石に五年経てば成長していると思うが……本当にコイツは希望なのだろうか?疑いの眼差しを目の前にいる女の子に向けた。
「お前……本当に希望なのか?」
「そうだよ、五年振りだから忘れたの?」
俺は狐につままれているのだろうか?久し振りに会った従姉妹は五年前とほぼ変わらない容姿をしていた。
俺は愛莉と希望を交互に見比べてみた。愛莉は控え目とは言え微かな膨らみが有るのに対して希望は……うん、まあ、一部の人種に受ける体つきだな……
「兄さん、希望ちゃんに言うことはないの?」
「わかった、一言言えばいいんだろ?」
俺は意を決して、久し振りに再会する希望に一言を発することにした。
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