4 前世を思い出すタイミングは人それぞれ。(2)
私は両親から甘やかされて育った。自覚はある。
幼い頃の私はわがままお嬢様。正直、こんな子が周りにいたら関わりたくないレベルであった。お願いすればなんでも言う通りにしてくれる、メイドの方々。
あれが欲しい、これが欲しい。それじゃなきゃ嫌、どれも気に入らない。
とにかくわがまましまくったわけであります。
いや、今思えば本当に申し訳ありませんでした!!
何してくれちゃってんの!?ローズリー!!
自分なんですけど、本当に恥ずかしい。黒歴史である。
私、ローズリー・タルコットは心を入れ替え、誠実に生きます!!
心の中でそっと宣言。
ちなみに私が前世を思いだしたのは6歳の時。お気に入りのヒールをコツコツと響かせながらポージング決めつつかっこつけて歩いていた時だった。
コケた。
しかも階段のとこで。
ゴロゴロと転がり落ちていく私。
驚き悲鳴を上げるメイド達。
下まで落ち切った時に、不思議と痛みはなかった。
しかし毎日眺める自分の姿を思い出して、絶望した。
私、悪役やん……。敵やん……。断罪されるやん……。
「お嬢様!?お嬢様!!しっかりなさってください!!お医者様を!お医者様を早く、手配なさい!!」
前世でプレイする前に死んでしまった乙女ゲームの悪役令嬢……それが私だったのだ。
もちろんプレイしていないからどんな目にあうのかは分からない。
好きな絵師の作品だったので、公開されていたスチルを眺めていただけなのだが。
それでもローズリーが色々と悪どいことをやっている絵や、断罪されるという話は知っている。
あぁ……詰んだな、これ。
ゲームであれば断罪されて当たり前、ざまーみろ展開最高だ。
でも今はローズリー、私にとっては人生だ。
たった一度の人生。
幸せに過ごさせてください!!
とりあえず心入れ替えるんで、助けてください神様。
私はそこで気を失ったのであった。
……もちろん階段から落ちた衝撃ではない。
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