1 親友からの、衝撃的な告白。
親友から
「実は私は転生者なの!ここは私が昔やっていた乙女ゲームで、貴方は将来悪役令嬢として断罪されてしまうのよ!!」
と言われたら、貴方はどう思うだろうか?
殆どの方が『はぁ?こいつ何言ってんの?もしかして痛い子?関わらないよーにしよう!』などと思うだろう。
まあそんなこと言う方も、言われる方もまず居ないだろうが……。
だが、聞いて驚かないで頂きたい。私、今その状況なんです。
目の前にお淑やかに座りこちらをじっと見つめてくる私の親友、ルドレーラ·ヒースコート。
先程の転生者どーのこーのは彼女から発せられた言葉である。
「信じられないわよね……。でも、本当なの。私もその事に気がついた時は驚いたわ。でも……でもね!貴方は私の大切な友人。貴方が性格最悪な、主人公に嫌がらせしまくって、断罪されてざまーみろなローズリー·タルコットだとはとてもじゃないけど思えないの。」
彼女の瞳が悲しそうに伏せられる。それは私の将来を案じてか、自分の話が信じてもらえないことに対してなのか…。どちらなのかは分からないが、彼女が真剣なことだけは伝わる。
最初に言った通り、いきなり転生者なのだの貴方は悪役令嬢で断罪されてしまうだのと言われ、『はいそうですか』となる方は殆ど居ないだろう。
というか、まず居ないだろう。と、前までの私なら思っていたであろう。
大切な親友だろうが頭をどこかにぶつけてしまったのでは?と心配になっていたはずだ。
だが、今は違う。彼女の言葉にとにかく驚いた。
私だけじゃなかったの!?………と。