表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

公園へ散歩に行った記録

本を読もうと思った。できない自分を変えるため、

先日ブックオフで購入した200円の本を片手に外へ出た。

読書をするのに適した静かな場所を求めて近場の公園へ向かった。

近場の公園は、我が家から歩いて徒歩7分ほどである。

東京都立の都市公園で面積約80haの広大な敷地は都立公園の中でも最大規模で、

日比谷公園の4.8倍、上野公園の1.4倍に相当する。(wikipediaより)

こんな公園が近場にあることがとても幸福であると日々感じている。

今日はとてもいい天気で、

5月初旬ではあるが最高気温28℃と天気予報は言っていた。

家で読むのが一番効率的なのだが、

家で読む気がしなかった。

こんな晴れた、すがすがしい日に、

一日中家にこもって本を読んでいるなんて、

私の中の自分が許してくれなかった。

時刻は10時44分。

短パンと七分の、

毎年夏に身に着ける服を着て、

家を出た。

とてもすがすがしい気分だ。

自分はやればできる、

障害者ではない、

明日から仕事を頑張ろうといった心の声が、

自分の内側から聴こえてきた。


今日は5/6(日)GW最終日。

明日から、私のことをゴミを観るような目で見る人間たちと、

目を合わせることが若干気に病まれたが、

そんなことを気にしては今を楽しめない。

将来のことを考えると、

こんな生活がいつまで続けられるのかといった不安感が自分を襲ってくる。

私は、親を悲しませることだけはしたくない。

私が生きているのは、

障害者の飼育を強いられている親への、

わずかながらの親孝行の一環である。

親は私をかけがえのない成功例として、

誇りの一つとして想っている。

日々の理不尽な飼育生活を支えている自負が自分にはある。

そんな私が、突然消えてしまったらどうなる。

突然死んでしまったら、

心の支えの一つが無くなってしまう。

そんな親不孝だけはしたくない。

東京で、元気に生きている私を、何より親は望んでいるのだから。

だから、ウォッカをコーラで割った自作の酒を飲んで脳みその機能をマヒさせて、

ボーっとしている人間を見せるわけにはいかない。


ここまでは歩き始めて数分の妄想。

近場の公園につく前に、

小さな草野球をする程度の広さのある、球場のある公園についた。


覗いてみると、少年草野球のチームが試合をしていた。

15分ほど、外野の小高い観客席のベンチから試合を見ていた。

驚いたことに、200mは離れているだろうその位置から、

ちびっこ一人の気合を入れる声が聞こえてきた。

私は2m先の人間へ語り掛けるのにも聞き返される程度の声量と自信しかないのに、

ちびっこのそれは私が2m先の人間へ語り掛けるそれを圧倒的に上回っていた。

すがすがしい太陽の下。

心の中にぽつりと、曇りがかかった。

15分が経過したころには、

試合もちびっこもどうでもよくなり元の目的通り、

球場のある公園を後にし、

静かな場所を求め近場の公園へ向かった。


近場の公園の東側についた。

入口にはこれまた先ほどの球場のある公園ほどではないが、

フェンスで覆われた球場があった。

ここからも元気のいいちびっ子たちの声が聞こえてきた。

この声が聞こえなくなる程度には離れたいな、

時刻は11時午前の陽気が染み渡り、

青々とした木々の隙間から零れ落ちる木漏れ日と、

芝生と、雑草と、元気に駆け回るちびっ子たちが、

実家の畑周りで毎日下を向きながら涙しながら登下校をしていた小学生時代を思い出させてくれた。

これがすがすがしいという状態である。


とてもすがすがしい気持ちで、

球場を過ぎると、

BBQエリアが近づいてきた。

今度はちびっ子たちではなく少し成長した、

女性4人組と何度もすれ違った。

これから何をするのかは知ったことではない。

こんなに広い公園なのに、

なかなか静かに本を読める場所が見つからない。


しばらく歩くと、

公園の中ではあるが個人の畑が広がってきた。

我が家は農家ではないが、

畑を保有しており、

小さい頃はたまに畑に行っていた。

なので、これまたとても懐かしい気持ちになった。

ここらでいい場所が見つかると思ったが、

座れる場所がなく、

断念した。


さらに歩くと、

またちびっ子たちがたくさんいる、

公民館前の広場についてしまった。

その先歩いても、

もう何も見つからず、

近場の駅まで歩いて、

カリカリシュークリームを買い、

1駅隣の最寄り駅まで電車で移動し、

帰宅した。


疲れた体にシュークリームが染み渡り、

大変おいしいと感じた。

時刻は2時前である。


読書するために外出したにもかかわらず、

散歩を2時間して帰ってきただけの休日だった。


その後、

外で読む予定だった本を読んだ。

本にはこう書いてあった。

「前頭葉を鍛えよ」と。

ダニエル・ゴールマンのEQにも似たようなことが書いてあった。

人間には使えるが私には使えないのだろうと無意識が自分に語り掛けてきた。


なぜか大変、

心が疲弊しており、

どうしようもなくなった。


近場のコンビニへ出向き、

コカ・コーラ プラスとから揚げとチータラを購入し、

ペットボトルにウォッカを90mlほど混ぜて飲んだ。

今日一番に感じた幸福感であった。


コーラが終わってしまったので、

ウォッカを水道水で割っている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ