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黒き石
まばゆい光が樹々の隙間から地面を照らす
周りは木に囲まれ、風の音
獣の鳴き声が
どこからか聴こえる
そんな森を少年は疾風のように駆け抜ける
通れなさそうな道があれば
木の枝に捕まり
勢いをつけ別の木に移る
一つ一つ、勢いよく
しばらく進むと、黒い石で身を固めた生き物を見つけ、少年は勢いを止める
少年は右手をその生き物…
魔物に向ける
水色の光が少年の手を覆い始めた頃
魔物は少年の方を振り向く
黒い石の鎧に身を固めているそれの中身
中身が見えないほどの漆黒だった
その魔物は
鎧の隙間から漆黒を出し、手の形を生成する
それと同時に、少年の手からは蒼く輝く剣がなんの音もなく、猛スピードで手を離れ、魔物に向かう
気づけば魔物の中心部にそれは刺さっていた