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強襲 (玄野 蓮 vs 東木 武尊)  作者: くろも
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はじまりの夢

わざわざ足を運んでくれてありがとうございます!!

初めてなので分かりにくい読みにくい部分もあるかもですが、そこはご愛嬌でよろしくお願いします……( ̄▽ ̄)

ではでは、スタートです!!✨

「ハァ、ハァ………くそ、戦っちゃダメって言うなら、あれぐらい許してくれたっていいじゃんか…」


危険な特訓がバレて説教されていたのを逃げてきたのか、廃墟の陰に隠れて息を切らしている少年。名前は、玄野くろの れん

両親を殺され反政府の中でも特に憎しみの強い彼は、そのためか幼いながら戦闘面で急激な成長を見せていた。組織全体で比べてもトップレベルの実力だろう。

だが同時に幼い故の無鉄砲さや経験値の低さから、蓮は戦闘に参加することを禁止されていた。それが彼には我慢できなかった。復讐のための力を復讐のために使えない。仕方ないと納得できるほど、彼はできてはいなかった。

やるせなくて壁を殴ると大きなヒビが入った。 ………あー、また怒られちゃう。 壁から飛び出た鉄骨の端っこをちょっとちぎって、ヒビの部分を固めて軽く補強しておく。

おれはいつになったら戦えるのかな。深いため息をついて、自分の部屋に戻っていくのであった。



そんな彼が渋々ながらもここまでやってこれたのは、命を救ってもらった反政府への忠義があるからである。

だがそれは危ういバランスで保っていただけだった。


ある晩、蓮は久しぶりに夢を見た。それも両親の夢を。

息子のために命がけで必死に動いていた2人。誇りと自信に満ちた蓮の顔。そんな両親は、よく頭を撫でてくれた。それが大好きだった蓮は2人に駆け寄って行く。母さんがおれに気がつき、笑顔で頭に手を伸ばして………………

その手は、目の前で切り落とされた。母さんは断末魔とともに奥の暗闇に引きずり込まれていく。呆然としているおれを傷だらけの父さんが抱え上げる。大丈夫だ、心配しなくていいっておれに笑いかける。その首はキリキリと不自然に回り出し、ブチンとねじ切れた。

立ち尽くす目の前には無惨な2人分の残骸と、不気味な笑みを浮かべる黒い影。歪んだ口元からは牙が光り、おれを挑発するようにゆらゆらと揺れている。それをギッと睨みつけた。そうさ忘れたことなんてない。あの反吐が出そうなほど気色悪い笑顔を、おれは、何度も、何度も………

しかし気がつけば目の前には天井が広がっていた。


……夢か。 起き上がるも涙は止まらない。夢の中ですらおれは戦えなかった。

何度目が覚めたって、ずいぶんと悪い夢を見ていたんだねと言って撫でてくれる人はどこにもいない。2人はもう存在しないという事実を突きつけられるだけ。

いてもたってもいられなくて、純粋な少年は真夜中に廃墟を抜け出した。部屋の窓から飛び降り、一目散に巨大な壁を目指す。この気持ちの向ける矛先を、彼は他に知らなかった。






鳴り響くサイレン。慌ただしく動く兵士の足音。

新政府の本部のど真ん中、無数の銃口が向けられたその先に蓮はいた。

壁をよじ登り空から襲撃してきた真夜中の侵入者に、兵士はみな驚きを隠せない。

しかも目の前にいるのは一人の幼い、しかし殺意の塊である。


地面を蹴って駆け出した蓮は降り注ぐ銃弾をもろともせず、右手から長く生えた太刀を振るって兵士を斬り飛ばしていく。能力を全身に発動させている今の彼には銃弾など効かない。

蓮は兵士をぎ倒して薙ぎ倒して薙ぎ倒して──────

「どけ、俺が片付ける。」

ドォォォンと、いきなり辺りをつんざく爆音が響きわたった。蓮を含め全員の動きが止まる。


舞った砂埃が薄くなり、何かに気づいた兵士達はその強張った表情を安堵のものに変えていく。勝利を確信させるその正体。

「反政府の少年よ、単騎でここに攻め入るその勇気は褒めてやる。だが終わりだ。身の程知らずがどうなるか、お前の死をもって知らしめてやろう。」

兵士達が避けて作った道の先には大型の戦車。その上に人影が。蓮は目を凝らした。 マスクをつけた少年のように見えるその姿に、思わず言葉が漏れる。

「新政府の英雄、東木とうのき 武尊たける………。」

話には聞いたことがあった。だが直に見るのは初めてである。 蓮は武者震いに震えた。


「…………"玄野くろの れん" だ。 アンタを倒してこのおれの名を、新政府くそやろうどもの記憶に刻み付けてやる…!!」

自惚うぬぼれるのは結構なことだが、相手の力量をかえりみないのは勇敢なのではない。ただ無謀なだけだ。」

両者不敵な笑みを浮かべ構えを取る。


戦いの火蓋は、ここに切って落とされた。

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