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0 17冊目のノート
○月×日 13時14分
やっと彼に会えた。淋しかった。本当に淋しかった。
○月×日 13時18分
初めて私を呼んでくれた。私を認知してくれた。
○月×日 13時20分
初めて本当の意味で目が合った。私はこの為に生きているのだと思った。
○月×日 13時22分
初めて彼に褒めてもらえた。嬉しい。嬉しい。嬉しい。
○月×日 13時25分
夢の時間の終わり。淋しくはない。だってーー
愛してる、そう記されて日記は閉じられた。
彼女は暫く空っぽになってしまったように呆けた。
ノートの表紙に雫が跳ねた些細な音で我に返り、慌ててそれを拭う。