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日常エッセイ

たびーの日常 2015夏

作者: たびー

山もおちもない、たびーの日常(゜Д゜;)


 たびーは軽自動車を運転しています。中古車なので、CDプレーヤーの調子は今イチです。ちょっとした揺れでスピッツの歌声も途切れとぎれ。パワーウィンドウも止まりがちです。でも、それ以外は快適です。


 たんぼの中に伸びている道を、あまりスピードをあげずに走っていきます。

 住まいは市の中心部から離れているので、仕事には車が必須です。免許を取ってかれこれ〇十年、あまり大きな事故は起こしたことはありませんが、何度か事故には遭っています。

 車の運転中には、たいがい物語のことなんかをぼーっと考えています。危ない、危ない。

 ドアを閉めるときに、自分の足を挟んだことも一度や二度ではないので、もう少ししゃんとしたほうがいいでしょう。


 まあ、それはおいといて。

 普段は実家の手伝いで過ごしてます。

 たびーの実家はご両親とお兄さんが自営業をしているので、それの手伝い。事務員というわけではなく、しょうじき「雑用」という呼び名がふさわしいようです。

 お父さん・お母さんが高齢となっているので、仕事のサポートのほかに暮らしのサポートもしています。クリーニングに洗濯物を持って行ったり、お母さんの病院の送迎……いまところ、介護というほどのことではありません。

 それと子ども時代からパワーバランスに変化がないので、お兄さんのパシリです。貸し出し期限ギリギリのDVDの返却などを言いつけられます。兄妹仲は良いようです。お互い、伴侶はB型でそれぞれの子どもたちは、どちらもO型という共通点もあります。


 一個目の信号につかまりました。ちょっとぼんやりしてます。大丈夫でしょうかね。いちおう、ご近所のたびーの評価は「しっかり者」らしいのですが、たびー自身は「うっかり者」との自認があるようです。


 うちに帰れば、たびーは一児のお母さん業と自分の仕事と、ちょっと奥さん業です(さいきん放棄気味)。

 毎日が矢のように飛び去っていきます。

 それでも、時間をみつけて少しずつ物語を書くのがすきなヒトです。

 十年以上のブランクから一昨年、書くことに復帰してからあまり休むことなくずっと書いているようです。

 一時期、かなり荒れて落ち込み、「誰も読んでくれなくてもいい(後ろ向きな気分で、です)」とか「もう誰も信じない」という気持ちになりましたが、今はなんとか持ち直したようです。


 たびーは青色申告もする自営業ですが、ほんとは図書館司書にもどりたいとも思うのです。一日中、本に囲まれて過ごしたいと思っているのです。

 でも、あまりに引きこもる力が強すぎるので、また司書になったら、もうそこから出てこないような気がします。

 なので、ドタバタしながらも忙しく過ごしている、今くらいがちょうどいいのかも知れないと思っているようです。


 そう、たびーはその昔、司書をしていたのです。小さな図書館で何でもやっていました。

 館長と課長とたびー、お掃除担当の方という、ごくごく小さな図書館でしたからなんでもしました。カウンターも新しい本の受け入れも、企画展も、読み聞かせもディスプレイも広報の原稿も……。

 慌ただしくて大変でしたが、毎日が楽しかったのです。ひとり暮らしのアパートは安普請でしたが、日当たりも良く、広くて快適でした。もっとも冬は結露の水滴が凍って、二ヶ月ほど全く窓を開けられませんでしたが。

 一日に本を二冊くらいずつ読んでいました。なんせ勤め先は図書館です。いくらでも本はありまた。児童書担当だったので、絵本や子どもの本もたくさん読みました。

 朝から読んでいても怒られない、帰ってすぐに読んでいても怒られない。なんて天国でしょう。

 サビシイと感じることもありませんでした。お年頃で恋人もいなかったんだから、もう少しションボリしてても良かったかも知れませんが、なんせ本さえあれば幸せなたびーでしたから。

 線路のすぐそばの、アパートでした。夜に最終列車が行ってしまうと線路沿いには、ラベンダー色の灯りがともりました。


 寝る前にたびーはその灯りを見ては、『あの灯りのような物語を書きたい』と思っていました。具体的にはどんな内容かわからないけれど、まあ雰囲気☆雰囲気。

 そのころは、まだ書き始めたばかりで、たびーは自分の思いがうまく文字に表せませんでした。書きたいものはあるのに、なんともモドカシイ状態を味わっていました。

 それでも、何とか一つ物語を書き終えました。

 森の中に隠居している科学者の父に会いに行く青年の話です。登場するのは、天才的科学者と一度も会わずに成長した息子、科学者の面倒をみているメイドロボット……。

 ……今と書いているものと大差がないですね。


 おっと、信号待ちは終わりました。


 まずは市役所と銀行に行くようです。回る場所を頭の中で線で結んで声に出して確認です。できれば、公園に保存されている路面電車くんの横が通れるようにルートを決めるのがつねです。

 帰りに本屋さんによれるかな、なんて考えたりしているようです。


 今日の予定と、明日の予定。それと、お話の流れ。いろんなことを考えつつ、車を走らせるたびーなのでした。


 おわり


まあ、だいたいこんな日々を過ごしております。

ラベンダー色の灯りのお話はまだ書けてません。

いつかあの灯りに届けばいいのですが。


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