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泣き虫うさぎと双葉少女  作者: つな汰。
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01#泣き虫うさぎとぬいぐるみ

空一面に水色の絵の具をこぼしたような、天気のいい朝。

小鳥の声とともに、賑やかな声が空に響きました。

花と水の都、『ラミナート』。

争いもなく平和なこの国はいつも笑い声や明るい声が溢れています。

その国の外れにある草原。草原の奥にある森。

普段あまり人が入ることのない、ラミナートとは真逆の静かな森、あちらこちらでは動物達の声が聞こえるそこに、一件の屋敷が建っていました。

国民の間ではその屋敷に恐ろしい怪物が住んでいると噂されていて近づく人はあまりいませんでした。ある一部をのぞいては。


「えへへ。今日はどうしたの?」

森に響く声。

館の主であるティノ=フレアンス。

生まれてからずっとこの屋敷で生活していて森の外に広がる世界を見たことがありません。

お母さんから「外の世界は危ないから出ちゃダメだよ」と教えられているので出たことがないのです。

肩にとまっていた鳥が飛びだって行きました。

「あっ、まって!行かないで...!」

屋敷に一人で住んでいるので一日は大体一人です。

大きな屋敷に一人ぼっちでいるというのもなかなか辛いもので...。

何度も外の世界に出てみようとは思いましたが勇気がなく、なかなか踏み出せなくて。

「外の世界はどんななんだろうね。人間は本当に怖いものなのかな。」



「ごめんね!遅くなっちゃって...待ったでしょう?」

「そんなことないよ!探すのに時間がかかったんだよね。ごめんね...」

「なんで君が謝るのさ!あああ泣かないでよ〜!」

泣き虫な僕に対してなんでもしてくれる大切な友達のヴィヴァーチェは僕が作った縫いぐるみ。

小さい時に使えるようになった魔法で作った。

なんで使えるようになったのかはわからないけど、触ったものを動かせるようになった。

それ以来、沢山縫いぐるみに魔法をかけて動けるようにした。

皆とっても優しくてよくしてくれる。大切な友達。

それに比べて僕は何にも...

「あっ、ほら!みて!綺麗な蝶!」

「本当だ...」

「今日はどうしよっか?まずこれ置いてこないとねー」

「僕が置いてくるから皆は待ってていいよ。」

いつもこうして食材をとってくるけど、最近はあまりなくて困ってる。

外の世界は有り余るほどたくさんあるって本でよんだ。

最悪の場合、外の世界に出るしかないのかな...


食べ物を置いて皆の所に帰って来た時、森から足音が聞こえた。

ザックザックと落ち葉を踏み歩く音。

すぐに分かった。誰かが近づいて来てる...!

「本当にいんのか?化け物」

「いたらすげーことになるぜ?」

「へっへw早く合いてーなぁ」

低い声も聞こえてくる。だんだん近づいて来る。

ぬいぐるみ達はそれに気がついて僕に屋敷に入るようにいったが遅かったようだ。

「ティノ君!!早く!!」

「わかっ...」

言いかけた時にはすでに低い声の人達が僕を囲っていた。

「あ…あ…」

「よぉ、化け物さんよぉ」

その時初めて人間は恐ろしい物だと分かったのでした。



To be continued…


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