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布都綿太の違和感

かみほとけなし高校二年の綿めんはある違和感を感じていた。


何かがおかしい。漠然とした不安が頭から離れない。彼は特にとりたてて特徴のないどこにでもいそうな高校生だった。異常な事件、天変地異など、そういったものとは真逆のところにいるような男で、生来そういう違和感とは無縁なはずである。


しかし、今日は確かに何かが違うのである。彼の日常のどこかに異様な何かが潜んでいる。そんな予感がするのだ。しかし、周りを見渡しても本当にいつもと何も変わらない。気のせいだろうか。それとも僅かな違いが普通世界代表の彼のモブキャラ的思考を刺激して、大きな違和感を生じさせているのだろうか。あるいは大きすぎる変化ゆえに逆に気付かないのか。


…などと俺は考えながらアクビした。ふぁ~。つまらない授業のときに実は結構こんなこと考えている自分はキモいと思いつつも、みんなどうせ実は頭のなかではやってるんだろうなあとこっそり確信してノ一卜を開いた。社会の時間だ。あーだるいなぁ。ノートに適当に落書きして暇を潰そう。


「おい、布都!教科書53Pの問二に答えなさい!」


うわー、しまった。ボ一ッとしてたら先生に目をつけられていたみたいだ。教科書、教科書。えーっと53Pか…


「授業に集中しとけ!バカもんが!先生が読んでやろう。1805年、イケメオン・ボナパルト率いるイケメン帝国がアウステルリッツの戦いで打ち破ったのはどこの国か?」


「はい、すいません!1805年、イケメオン・ボナパルト率いるイケメン帝国がアウステルリッツの戦いで打ち破ったのは…」


うーん分からん。イケメオンかあ。イケメオンねえ。ん、イケメオン・ボナパルト?イケメン帝国?何それ。え、何だこれ。


ええええええええ!???


◇◇


―風だ


―風が吹いている


―この風は動乱を呼ぶ風だ



男は蒼穹を仰ぎ見て一人ごちた。男の長い旅はあまりにも過酷で苛烈だった。修羅と成り果ててもなお苦悩の旅を続けるこの男の名は池面ノ介。



校舎まであと200メートル(アトリエからの進度400メートル)

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