唐突な生産~ブーメラン~ 実践
5000pv&1000ユニーク突破!
皆様ありがとうございます!
何やら今日もアルフは居残りでお勉強らしい。
今日の訓練の途中で特訓していた闇魔法のコツを掴んだらしく恐らく今日で昨日の遅れを取り戻すだろう。まぁ誰かと競っている訳じゃないから遅れも何もないんだが。
さて、それじゃこちらは昨日適当に作ったブーメランを使って狩りにでも出てみようか。
それではやってきました迷いの森。
この場所は魔人領七不思議のひとつに数えられている場所だ。なんでも他の場所のものが森の中で見つかることが多々あるらしい。
確か、俺もこの場所で魔王に拾われたんだったな。
ちなみにこの迷いの森、危険区域の指定がされている。
理由はこの場所で見つかる物は無機物だけではなく魔物や生き物までこの森に迷い込んで来てしまうらしい。
もちろんその生き物や魔物の中には危険な生物も紛れているので危険区域の指定がされているのだ。
まぁそんな危険なのと出会うのなんて森の奥だけだ。
入口付近なら問題はない。…あれ?これフラグじゃね?
なんてことを考えつつ森の中へ入っていくとさっそく獲物を発見。
あれは…鹿? 鹿なのか?
見た目は鹿だ。しかし何故か毛の色が緑色なのだ。あ、今鹿だけにしかしとか考えたやつ腹筋な。
とりあえず狩ってみよう。そして危なくなったら逃げよう。
一応護身用の両手斧は背負っているがこんなもの森の中ではまともに扱えないだろう。明らかに武器のチョイスミスである。だから脳筋なんて呼ばれるんだろうなぁ…
鹿に気付かれないように10mくらい離れた茂みに移動していく。
種族の特性なのだろうか、こういう森の中を音を立てずに移動するのはかなり簡単だ。もちろんそんな特性があるのかは知らないが。
茂みについたところで腰に差していたカイリーを大きく振りかぶり、思いっきりぶん投げた。前世ではここまで全力で投げてしまったら目標物に直撃することは稀であっただろう。
しかし今の俺は戦闘系、特に筋力と俊敏(あと少しの器用さ)に優れている。
この程度の距離なら思いっきり投げても当てることはできるはずだ。
ズガガァァァン!!! ガランッ ドサッ…
最初の音はカイリーが鹿? の額に直撃した音、次がカイリーが落ちた音、最後に鹿? が地面に倒れた音だ。
計画通りに行った。嬉しいは嬉しいのだがいま一つ喜べないのだ。
理由は2点ばかりある。一つ目は「外してしまったら拾いに行くが大変ではないのか」という点に気づいてしまった事。
そしてもう一つ。「威力が高すぎる」事だ。
威力が高すぎて鹿? の額に直撃したはずなのに衝撃で首が曲がってはいけない方向に折れてしまっている。
威力はまぁ手加減すればいいのかもしれないが、さすがにいちいち拾いに行くのは面倒だ。
「どうすっかなぁ… あ、鹿? を剥ぎ取んなきゃ。」
そう呟きつつ鹿?に近づく。
鹿をはぎ取る、というのには語弊があるかもしれない。
まず鹿? の血抜きをする。ここまでは一般的だろう。だがここからは俺たちが生きていた世界とは違うのだ。
俺はポケットから親父からパクってk(ry… 借りてきた無限収納袋もとい四次元ポケットを取りだした。言うまでもなく俺の命名である。
このアイテムは指定した生物ではないものを袋の中に収納することができる。この袋の容量はどれくらいあるのか知らないが重さが何も入っていない状態と変わらない、というところが気に入り使い始めたのだ。どういう原理かは知らないがね。
何故俺が鹿を袋に収納をしているかというと、持ち運びが便利という理由だけではない。
俺は解体ができないからだ。
この世界は動物の解体にも鑑定スキルを使って順序良く解体をしていく。良い部位、悪い部位の見分けがつきやすいからだ。
勿論慣れれば鑑定スキルなしでも大丈夫だが、大抵の人は解体には不慣れだろう。というわけで今のところ俺は血抜きだけして四次元ポケットに放り込むだけだ。
城に帰れば鑑定スキルは使えなくとも解体をできる人はいるだろうから持って帰ってあとはその人任せだ。
鹿? を収納し終わり、カイリーも腰に差しなおした。
「やっぱり、せっかくのブーメランなんだから手元に帰ってくるようにしたいな。拾うの面倒だし。」
と独り言を漏らしつつ、どうすれば拾いに行かなくてすむのかを考える。
使わないや形を変えるという選択肢は今の俺には無い。このカイリーをどう工夫するかを考えるのだ。
糸とか紐をつけるという案も考えたが千切れてしまったり、絡まったりして使い勝手は悪くなるだろう。
前世のTCGであった鎖付きブーメランとかどうだろうとも思ったが、圧倒的なほど邪魔である。
いくら考えてもいい案は出てこないな…
そうだ、久々に<<テレパスチャット>>でも使ってみるかと思い立った。
いろんな情報が飛び交うアレならばきっと良いアイデアも出てくるだろう。
そう考え、<<テレパスチャット>>を起動したのだった。
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