唐突な生産~ブーメラン~ 生産
前回教会へ行ってから約1年くらいが経った。
俺は5歳になったのだが、特にこれと言った出来事もなかった。
アルフはもう少しで5歳というところだ。最近は魔法の勉強により熱が入っている。…主に魔法の教育係であるお袋がね
まぁ一応彼が正当な魔王の後継者だし血の繋がってる息子だからね。仕方ないね。別に寂しい訳じゃないぞ!?
さて、それはともかく俺は暇を持て余している。
今日の訓練は終了したし、自主訓練もした。まぁ自主訓練なんて言っても結局その辺の弱い魔物を倒したり、兎や鹿っぽい生物を狩っているだけだが。
う~さぎ追~いしかの山~ って違うか。
本来なら訓練と自主訓練が終わるころにはアルフの方の訓練も終わっているのでいつもは二人で遊ぶが、今日はそうもいかないらしい。
なにやら天才肌のアルフ君にも不得手はあるらしく、闇魔法が苦手で光魔法が得意なようです。それでいいのか時期魔王よ。
ちなみに親父は火と闇魔法、お袋は風魔法が得意だそうだ。
俺?呪術以外は不得意どころか使えそうにもないよ!ふぁ○くゆー。
アルフいない時にもう少し斧の訓練を、と思ってランデルさんに話を聞きに行きたかったんだけど、今日は親父の幹部会だかで会議に出てるらしい。
ここには書いてないけどあの人も案外脳筋なんだよなぁ。俺も人の事言えない気もするが…
何するか、考える事約20分。
ようやく何をするか思いついた。
そうだ、京都行こう
じゃなくてブーメラン作ろう。
何故これを今思い出したのか。
狩りの時に遠距離から攻撃する手段がなくていつも近寄ってから不意打ち、もしくはごり押しで闘ってたから少し遠距離攻撃手段がほしくなったんだよね。
弓?何の事分かりませんね。周りにドン引きされるくらい才能がなかったんだから仕方ない。
だってありえないだろ。狙った方向と反対方向に矢が飛んでくとか。
前世でも弓矢作って遊んだけど、ここまでひどくなかったぞ。
という訳でのブーメランです。
本当は銃作りたかったけど一般人の俺にそんな技術があるはずもない。
今回作る予定のブーメランはカイリーと呼ばれる狩猟用のブーメランだ。
普通ブーメランと言うと三つ又で手元に戻ってくるタイプを連想するだろう?
この三つ又ブーメランはバランスは良いんだが圧倒的に威力が足りない。せいぜい兎の気絶させるのが関の山で、急所に直撃させない限りは鹿も倒せないだろう。
しかも獲物に当たったら手元に返ってこない。唯一の利点なのにな。
そこでカイリーの登場だ。
カイリーはL字型のブーメランで狩猟に特化している。通称キラースティックとも呼ばれ、前世のカンガルーをも一撃で気絶させる威力があるらしい。
唯一の欠点は敵をスカしても手元に戻ってこないところだな。
いや、戻ってきても衝撃で肩ぶっ飛びそうだけどさ。
さてそれでは作ってみましょー。
まずその辺に材木をL字に切り抜きます。大きさはL字の大きい方が40cm、小さい方が25cmってとこで良いだろう。手元に戻ってくるようにする訳じゃないから空気抵抗なんてあんまり考える必要もなし。
次に角の尖っている部分を削って丸くします。
L字の外側が軽く山なりになるように削ります。
鑢で軽く削って、というか擦って完成!
さて、それじゃあさっそく試してみましょうか。
訓練場(俺がそう呼んでるだけ)に行って弓矢用の練習の的に投げてみる。
結論から言おう。しっかりまっすぐ飛ぶ。まっすぐ飛ぶんだけど、威力高すぎやしないですかね?
弓矢の的に当たった瞬間、的が砕け散ったんですが…
それに対しブーメランは短い部分がちょっとかけた程度。これは今度鑑定してもらってこの武器のステータスを確認する必要があるな。
ちなみに鑑定っていうのは特定の職業の人が持ってるスキルで商人系の職業が持ってる事が多い。たまに城に商人が来るからその時にでも鑑定してもらおう。
確かにこの時点でも威力が高いんだが、せっかくだからこれに加えて何か改良したいが、気がつけばもう日が傾き始めている。
さすがにこれ以上は今日はやめておこう。
また明日にでも時間を見つけてから改良していけばいいさ。
そろそろ夕飯の時間だろう。明日も訓練だ。そうなりゃとっとと飯食って寝なくちゃな。
そして後日弓矢の的を壊した事に対して親父に怒られたのは別の話である
評価、感想お待ちしております。
ちなみに筆者のブーメランに対する知識はほぼ皆無です。