契約したサキュバスの餌がアレでした
痛い表現、グロイ表現が出てきます。精神の弱い方、特に男性の方は閲覧にご注意ください。
「うわぁぁああ!」
大学生の夏休み、俺は布団の中で飛び起きた。
すっごくエロい夢を見てしまったからだ。
きっと明け方までやっていたエロゲの影響だろう。
超大作AVRPGという名目で、多彩なキャラのエロCGが魅力的な作品だ。
昨夜はエルフとサキュバスと主人公の3Pエロエロシーンを堪能したのだ。
清楚な金髪エルフが、両刀サキュバスにほぐされて蕩ける顔のエロイことエロイこと!
エルフは主人公になかなかなびかないキャラだったので、やっとエロシーンを回収できてウハウハしていたのだ。
おっと、思い出していたらまた込み上げてくるものが。
パンツの感触からして、夢精はしてない…はず。
俺はおそるおそる起き上がり、股間のあたりを確認した。
「ど…どちらさまですか…」
そこには、俺の足の間に座ってよだれを垂らしながら股間をひたすらに見つめている女の子がいた。
ちなみに俺には、朝に起こしてくれるような幼馴染も妹もいない。
あれ? 夢の続きかな?
ゲームの中から出てきちゃったとか?
それとも、俺のほうが今流行のエロゲの世界にトリップしちゃったのか!?
その女の子は現実にはありえないピンク色の腰まである超ロングの髪に赤い瞳をしていた。
頭に山羊の角みたいなのがついており、服は露出の多い黒い革のボンテージみたいな、とにかくエロイ格好だった。
俺からは見えないが、きっと背中には小ぶりなコウモリの羽、お尻からはキュートな小悪魔のシッポが生えているのだろう。
「け…契約を…」
「契約?」
女の子はあいかわらずよだれを垂らしながら、上ずった声で言った。
すっごい可愛い顔をしているのに、すっごいもったいない…。
「我はサキュバス、汝に力を貸す代わりに、汝の精をいただく」
なるほど、俺の願いをかなえる代わりに、このサキュバスにエロイご飯をやるってことね。
エロゲに出てきたサキュバスも、「ご主人様、お腹すいたの…おいしいミルクをちょうだい…」
とか言っちゃって、主人公にいろんなご奉仕をしちゃうんだよな…。
おぉ、いかんいかん、話がそれた。
願いも叶えてもらってエッチなこともできるなんて、俺にとっちゃいいことだらけじゃないか!
「OK! で、どうすりゃいいんだ?」
そういった瞬間、女の子は俺にキスをした。
俺の股間の上に座った状態で身を乗り出して。
「お、おぉぉおお!」
光が俺と女の子をつつみ、やがて俺の腕に古代文字のような模様があらわれた。
これが契約の証ってことか、かっこいいじゃないか!
「では、我が食事をさせていただこう」
女の子は口元のよだれをそのままに、濡れて妖しく光る唇を引き上げ笑った。
「おいおい、せっかちだな! もうやっちゃうの?」
俺は興奮に鼻の穴を広げ、女の子が俺のパンツをゆっくりとずらすのを眺める。
俺の息子はもう臨戦態勢だ。
そのまま女の子はその可憐な口を俺の息子に近づけていき、口をガパァと大きく開けた。
「おいおい、俺のはそんなに大きくないって」
ニヤニヤして女の子の口を見ていると、なんだか不釣合いなサメのような歯が目に飛び込んできた。
口を開けたままゆっくりと近づき…え、ちょっと?
もしかして食べる気!?
「ちょぉぉっと待ったぁあああ!!」
俺はあと少しで息子を口に入れようとしていた女の子の顔を抑えた。
「なんじゃ、あともう少しであったのに」
女の子は口を尖らせて俺をにらみつける。
そんな顔もなかなか可愛いが、今はそれどころではない。
俺は唐突に思い出す。
エロゲのサキュバスは大抵、主人公の精液だったり精気とかいうエロイ気を吸うためにいろいろとエロイことをしてくるおいしいモンスターだ。
しかし小説や漫画によっては、男の精気をしぼりとって殺してしまう恐ろしいモンスターでもある。
やっべ、ついエロゲの延長線上で軽く契約しちゃったけど、このサキュバスの餌ってなんなんだ?
餌によっては、お願いと引き換えに俺、殺されちゃうかもしれないのか…。
「あの…アナタの餌って、ナンデスカ…?」
女の子はきょとんとして、こともなげに答えた。
「我の餌は、隆起し血がすみずみまで行き渡った…肉棒だ」
「ぎぃやぁあああああ!!」
死んだ、俺、死んだ!
「そんなことされたら、俺死んじゃうじゃないか!」
「まぁ、死ぬわな」
「死んだら願い事をかなえてもらっても意味ないじゃん!!」
「あぁ…」
女の子は頬をぽりぽりとかいてみせた。
ちくしょう、こんなときだってのに可愛いじゃねえか!
「もう腹が減って力がなくてのぅ、コレ喰ってからじゃないと願い事は叶えられん」
「なにおぉぉお!? 願い事がかなう前に死ぬのか!! だいたい、そんなの喰うサキュバスなんて聞いたことがないぞ!! それってどこの阿部定(注1)だよ!!」
「ほう、よく妾の仮の名を知っておるな! 昔、そのような名を名乗ったこともある!」
「ひぃいいいい、まさかのご本人!?」
女の子は舌をだし、自分の唇をゆっくりと舐めた。
もの凄くいやらしいのだが、僕の息子は重なるショックに可哀想なくらい縮こまっていた。
「我は母にサキュバス、父にグールをもつハーフなのでじゃ!」
彼女は胸をはって自慢げに言った。
なんてはた迷惑な組み合わせのハーフなんだよ…。
俺はめまいがした。
「くっくっくっく、その前ぐらいのラスプーチン(注2)だったかな。あやつのはありえないくらいの大きさでな、喰らう日を楽しみにしていたが、力を利用されるだけされた後封印されてしもうた。あやつの肉棒はいまだ博物館に秘蔵されておるが、今見ても惚れ惚れするわ…」
なに、死んだあとにブツだけ保管されるなんて、どんな辱めよ。
いや、それぐらいでかかったら後世に堂々と残したいものか…。
いかん、また話がそれた。
「で、そのラスプーチンに、エロゲの中に封印されていたと?」
「阿呆、そんなわけなかろう! あやつが死んで10年後くらいにやっと魔力が切れて脱出し、それからいろいろとしておったが、最近は契約してくれる奴がなかなかおらんでな。こういうゲームに入って、サキュバス攻略をした者なら契約をしてくれるかと思って、潜んで待っておったのじゃ!」
最近のサキュバスって、ハイテクなのね…。
女の子はいきなり俺の可哀想な息子をわしづかみにした。
「さぁ、ひさしぶりの食事なのじゃ、はよう喰わせろ。肉棒に血をめぐらせよ…」
いやぁあああ! 女の子のよだれが息子にポタポタかかるけど、ちっとも嬉しくなぁああい!!
「あ、あ、ちょっと待ってぇぇええ!!」
それから30分後、俺とサキュバスは台所にいた。
サキュバスは俺のじゃなく、一般的に売られているウインナーをもぎゅもぎゅとかみ締めて食べている。
ちなみに俺の息子はフランクフルトだ、決してポークビッツではない!
「…これでいかがでしょうか?」
「肉を食べている感じはするが、しょせん子供だましであるな。」
「さようですか…」
1週間持たせるつもりで買ったウインナーが、あっという間に一袋空になってしまった。
俺はウインナーをひたすら食べているサキュバスを眺めながら、玉がキュッとなると同時に、もう一生ウインナーが食べらなれいと思った。
その日はなんだかんだしながら、俺はなんとか生き延びたのだった。
「うわあぁあああ!」
俺は次の日の朝、悲鳴とともに飛び起きた。
朝勃ちしかけの頑張っている息子を、よだれを垂らしながら女の子がじっと見つめていた。
「ナニしてるんですか…?」
「肉棒に血がいきわたるのを待っておった」
俺の息子はかわいそうに、朝からショッキングな目にあい縮こまっていた。
「血がいきわたったらどうするおつもりで…?」
「食べるに決まっておるだろう」
「さようですか…」
うかうか元気になれないな…。
「今日は何を食べますか…?」
「うむ、今日はポークビッツもよいな!」
「かしこまりました」
『ポークビッツ』の言葉に俺の息子が自分のことと勘違いしてしまいキュッとなってしまった。
違うよ息子、お前はフランクフルトだよ。
それから一週間たった。
「うっ!!」
俺は尋常でない殺気に目が覚めた。
股間には、目を欲望に血走らせた女の子が息も荒く座っていた。
欲望とはもちろん性欲でなく、食欲だ。
「…もう、まやかしでは効かぬ…。早く肉棒を喰わせろぅ…」
「ひぃぃぃいいいいい!!」
俺は…、俺は携帯を取り出し、あるところに電話した。
そこはバスに乗って2時間のところだった。
「どこに行っても我からは逃れられぬぞ…」
バスの座席に座る俺のまわりで、女の子はふわふわと浮かびながら俺を脅し続ける。
エロゲ設定のように彼女は俺以外に見えないらしい。
本来ならそれはどこでもエロイことができるための設定であるはずなのに、彼女には当てはまらなかった。
やがて目的地に到着し、俺と女の子はバスを降りた。
「よぉ、久しぶりだな! 勉強はちゃんとしてるか?」
「じいちゃん、例のモノ、準備できてる!? 」
俺はタオルで汗を拭いているじいちゃんに駆けよる。
「できとるが何に使う気かね?」
「いいから、あと、絶対にのぞかないでね!!」
俺は浮かぶ女の子をひっつけて、農具などをしまう小屋に入る。
そのすみのビニール袋に、目的のブツはあった。
「さぁ、どうぞ! これをお召し上がりください!!」
俺が女の子に差し出したのは、
まだホカホカとした血のしたたる豚の睾丸だった。
「我は肉棒を――」
俺は女の子の口に睾丸を詰め込んだ。
~~~しばらくお待ちください~~~
俺は小屋の外で吐いた。
壮絶な食事風景に。
結果、俺の命は助かった。
魔力の補充にはならなかったものの、女の子は満足そうに口に垂れた血を舌で舐めとっていた。
その仕草はとっってもエロイのだが、俺の息子はピクリとも反応しなかった。
かわいそうに…。
俺のじいちゃんちは養豚場で、オスの豚の睾丸が定期的にでる。
まだ小学校に入る前くらいに、じいちゃんが精力剤だと言って笑いながら睾丸を丸呑みしたのは今でもちょっとしたトラウマだ。
俺は豚の睾丸をわけてもらったお礼に、4時間ほど養豚場の手伝いをさせられた。
そして一ヶ月がたった。
「………」
俺は静かに目を覚ました。
俺の息子は度重なるショックのせいで、最近はおっきすることがなくなった。
なんてかわいそうな…。
女の子は俺の股間をジト目で見つめていたが、やがて首を振り大きなため息をついた。
誰のせいだよ。
「今日から海外旅行にいくよ」
俺は昨夜準備した荷物を持って、女の子を振り返った。
この一ヶ月、俺はじいちゃんとこの養豚場でバイトをしながらお金を貯めたのだ。
「たとえ海外に行こうとも、われからは逃れられぬぞ」
「わかってるよ、さ、ちゃんとついて来るんだぞ?」
俺が差し出した手に、女の子は嬉しそうに手をつないだ。
「どこに行くのじゃ?」
「北京」
「何をしに行くのじゃ?」
俺は北京のガイドブックを女の子に見せ、自分で一番男前だと思う笑顔を浮かべて見せた。
「お前にいいモノを喰わせてやるためだよ」
開いたガイドブックには、ペニス料理専門店が載っていた。
終わり
注1:阿部定事件
阿部定という女性(かなり美人)が駆け落ちしていた愛人の男性との性行中に、男性を扼殺して局部を切り取り持ち歩いていた事件。*話を書いているときは、局部を食いちぎったと勘違いしていました。
ちなみに、男性の局部(ブツと玉)は阿部定が逮捕されたあと、回収されて東京医科大学の病理学博物館で公開されていたとのこと。やめたげてよぉ。
阿部定が逃走中、男性の局部は魅力的なくらいデカイのではと噂になったそうだが、回収されてみたら普通サイズだったらしい。被害者なんだからやめたげてよぉ。
注2:グリゴリー・エフィモヴィッチ・ラスプーチン
帝政ロシア末期の祈祷僧。貴族や王族の女性たちに、その巨大なブツで人気だったらしい。
あんまりにも妖しかったので何度も暗殺者を差し向けられたが、なかなか死ななかった。
暗殺後、切り取られた「ラスプーチンの男根」とされる約13センチ(!)の巨大なブツのアルコール漬標本が博物館に保存されている。
一応何度も確認しましたが、アウトな表現があれば教えてください。すぐに書き直します。
読んでいただいてありがとうございました!