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探査

『おーす、駿河』「おーう」


『おはよー、大川』「おはよう」


『あ、スルガー、野田の奴どうしたの?』


「なんか体調悪いってさ。」


『へえ』


「席につけー、テスト返すぞー」先生が教室に入ってきた。


『朝からテスト返しかよ』


『やだなぁ』



大川も席に着いた。



「なぁ駿河」松原が後ろの席から話しかけてきた。



「ん?」


「野田っち本当はどうしたんだよ」


「ほ、本当に体調悪いんだよ」


「ふーん、ならいいんだけどさ」


松原を巻き込むわけにはいかない。


「大川」先生が呼んだのでテスト取りに行く。


53点。「53点かぁ、もうちょい良いと思ったんだけどなぁ」


「今回は自信あるぞぉ」松原が言う。


「お、言うねぇ」


「前回より20点は上回ってるな」


「ちなみに前回は何点だったんだ?」


「39点!だから今回は70点ぐらいかなっ☆」


「松原」先生が松原の名前を呼ぶ。


「お、きたきた!はーい!」


松原は意気揚々とテストを取りに行った。






松原のテストが38点だったことは置いておいて、放課後、大川はあらゆる人物に相談をしてまわった。


化学の教師、保健の教師、などなど。


当然なんの収穫も得られなかった。


オカルト研究部では勧誘されそうになって危なかった。


「ここだけは来たくなかった…」


"用具倉庫"


ここには異様なうわさが流れている、事故で亡くなった先輩が住み憑いている~とか、廃部になった茶道部の部長の~とか。


だが頼るものが他になかった。


大川は心を決め、


コンコン


ノックしたが応答がない。



ガチャ


「失礼しまーす…」静かにドアを開ける。


(暗い。誰もいないか……本当にただの用具倉庫なのか…?)


あるものといえば椅子、机、段ボール箱…などが並んでいる。


普通の用具倉庫といった雰囲気だ。




「がぅぅ…………んン…」


誰かの声が聞こえた。


部屋の奥のほうを見ると、薄暗くてよく見えないがこの学校の制服を着ている人間が机にうつ伏せになって寝ているのがわかる。


ゆっくり近づいてみる。


「あのー…」


反応がない。


肩を少し揺らしてみる。


反応がない。


(ま、まさか……!)


「すいませーん!」


反応がない。


(やっぱり…死亡してらっしゃる…さっきの声は断末魔か…!)


「しっかりしてください!しっか…」


ガバッ




と、制服の男が起き上がった。


大川は驚いて転びそうになった。


「ふわぁーあ、ん~」あくびと伸びをした。


「…………」


「見ない顔だなぁ」


「あ、2年の大川って者です」


「どーぞどーぞ座ってよ」


軽い口調で男が言った。


「失礼します」促されて椅子に座る大川。


男は奥で何かを探している。


コップに飲み物を入れて持ってきた。


「はいどうぞ」大川に渡した。


「ど、どーも」


飲み物から異様な雰囲気が放たれる。


「騙されたと思って飲んでみなよ」


騙されたと思って飲んでみた。




騙された。


「あ、ごめん。それコーラとコーヒーと爽健美茶混ぜた奴だった」


「なんでまぜたんスか!?(裏声)」


     ☆


「ところで今日はどうしたのかな?」


「あ、あの…実は、俺の友達が…(以下略」


「なるほどねぇ~そうかぁ。何から話せばいいやら…」


なにやら頼もしい雰囲気だ。




「『アールの教会』ってのに心当たりないかな?」


 ?  「...無いっすけど...」


「そっか、ならいいんだけどさ」


「あの、あの猿ってなんなんですか?」大川が片手を上げて聞く。


「う~ん。何って言われてもなぁ…」


「…幽霊とかですか」


「幽霊ではないよ」



「先輩(?)はこういうの詳しいんですか?」


「ん~あんまりなぁ。いつもなら僕より詳しい人がいるんだけど、今その人ドイツ行っちゃってて…」


「そうなんすか…」


「それに、その野田くんって子連れて来てもらわないとなぁ」


「でも、またあの猿(?)が来たりしたら…」


「その時のために…!」


「…………」



「…ちょっと待っててね」先輩(?)がまた奥の方で何かを探し始めた。


「これを貸してあげよう。」


ゴトッ。



と音を立てて机の上に置かれたのは紛れもなく銃器物だった。



「護身用の武器です」先輩(?)が言う。


大川はそれを恐る恐る手にとってみる。


「あれ?これ銃口ないっスけど」


「察してください」


「…そっち系ですか…?」


「そっち系です」


「なんでこんなものが…!?」


「おっと、続きは野田くんを連れてきてからにしてね。もともと秘密事項だからさ」


そこを何とか!


という気持ちを抑えて、大川は対猿用銃(仮)を鞄に詰め込んで、お礼を言った。


「因みに僕は宇木うぎって名前で3年生だよ、ヨロシクね」



「あ、ヨロシクです」


「じゃあまたなんかあったらね~」




すいません。








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