後日談。大川駿河。
ガラッ
「失礼します」
「あっ、野田ジャン。来てくれたんだ」
「そりゃな。大丈夫か?」
野田が大川が寝ているベッド
の隣の椅子に座る。
「あー、もう退院してもいいくらいだよ」
「それは嘘だろ」
「ばれたか……」
野田は大川にプリントなどを渡し、宇木が言っていた話などをした。
「じゃあ、邪魔したな」
「もう帰んのかよ」
「……うん」
「わかったよ…じゃあな」
野田が立ち上がりドアに手をかけた。
「…お大事に」
そう言って野田は病室をあとにした。
(やっぱりまだケンカが続いてんのかな)大川がそう思っていると
Prrrrrrrr Prrrrrrrr
大川の携帯が鳴り出す。
「もしもし」
『……俺だけど……』
「野田!?なんだよ?今帰ったばっかじゃん」
『その…言い忘れてたことが…』
「…何」
『なんていうか…ごめん。あの件は俺が悪かったような…51%くらい。』
「51%かよ!?…まぁ俺も自分が51%ぐらいは悪かったと思ってるよ…」
『そうか…よかった…』
「それだけ?」
『まって、きらないで』
「おう、どーした」
『そのなんつーか…その…ありがとう。』
「あぁいいって、あん時は咄嗟だったし。」
『じゃなくて…ホラ、俺が転入したとき、…鬼ごっこのさ…』
「え?今更!?ていうか怒ってると思ってた」
『いや、…うん』
「あのさ、これから京一って呼んでいいか?」
『ああ!?何?いきなり?』
「いやならいいんだけどさ。」
『まぁ…いいけどさ…つーか覚えてたんだ…』
「じゃあ、そろそろ切るぞ、院内は通話禁止だから。」
『ああ、そうか!』
ピッ
野田がいたのは病室を出たドアのすぐ横だった。
この2日後、大川は病室から失踪した。