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インドア聖女は早くおうちに帰りたい  作者: 和原茉白


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第81話 レベルアップ……?

※1月15日 少し内容を修正しています → 魔法の抜けを追加


 ぱちりと目を開けると、見知らぬ天井。


(あわー……テンプレー……)


 起きると知らないベッドで知らない人が隣に……などというシチュエーションに、今まで全く縁はなかったが、テンプレの片りんを感じられたのはちょっと嬉しい。

 自分のいる場所をすぐに把握できないってけっこう怖いんだなあ、とのびを一つした。肩がぱきっとなる。

 辺りを見回すと、少し硬いが、清潔なベッド。薄い掛布団。


(そうだ、ここたぶん第三騎士団の病棟だ。体は………大丈夫そう)


 昨日の異様な眠気や疲れはきれいに抜けていて、りのは若いときの回復力ってこうだったなあ、と久しぶりに遠い目になった。

 ぬくぬくと布団にくるまって、どのくらい回復したかしらとステータス画面を開いた。

 そして、控えめに言って腰が抜けた。寝ているので大して被害はなかったが。



【名前:リノア・ミハイル(深春りの)】

【年齢:22(40)】

【職業:聖女/異世界からの渡り人】

【魔術適性:全】


【体力:477/650】

【魔力:3925/5150】


【ギフト】

【言語理解 Lv.Max】

【鑑定 Lv.58】

【創造魔術 Lv.52】

【>『インベントリ』 Lv.50 時間非経過、異世界品の現状回復、容量∞】

【>『ステータス』 Lv.45 表示切替、詳細表示、表示選択】

【>『ハイド』 Lv.47】

【>『テレポート』 Lv.57】

【>『バリア』 Lv.35】

【>『キュア』 Lv.15】

【>『キャンドル』 Lv.38】

【>『クリーン』 Lv.61】

【>『リカバリー』 Lv.60】

【>『サーチ』 Lv.55】

【>『フロート』 Lv.36】

【>『ヒート』 Lv.28】

【>『クール』 Lv.14】

【>『ヒール』 Lv.22】

【>『リムーブ』 Lv.7】

【>『ペインキラー』 Lv.5】


【スキル】

【料理 Lv.55】

【魔力操作 Lv.67】

【魔力感知 Lv.58】

【火魔術 Lv.26】

【水魔術 Lv.58】

【風魔術 Lv.43】

【土魔術 Lv.34】

【光魔術 Lv.48】

【闇魔術 Lv.32】




(な、なんかいろいろ変わってるし増えてるー!?)


 体力や魔力の数値が跳ね上がっていたり、見たことのない項目が増えていたり、スキルが明確になっていたり。

 何もかもが驚きだった。

 今までちょこちょことステータスはのぞいていたが、大して変化はなかったのだ。

 それなのに、ここに来てのこの変化。

 レベルアップ? いやそもそもアップというかチェンジでは? クラスチェンジしちゃった?

 ステータスボードを眺めながら、うっかり昨日に思いをはせた。現実逃避である。


(昨日めっちゃきつかったからかな……夢中だったからあんまりつらいとか考えなくて済んだけど)


 だからといってなぜこんなに増えたり変わったりしたんだろう。

 体力と魔力が跳ね上がっているのはまだいい。体力づくりは地味にしてきたし、寝る前にある程度魔力を枯渇させているから、ユーゴの言う魔力の器が大きくなったと考えれば不思議はない。タイミングは気になるし、五千オーバーってユーゴ師団長も越えてない!? って思うけれど。

 スキルに関しては、今まで明らかになっていなかったところが出てきたのね、という感じで流せる。まだなんとか。


(でもこのギフトはむりー! なんか増えてるし詳しくなってるし!)


 「言語理解」と「鑑定」はそれでもまだいい。言葉が完璧に通じてるのはわかっていたし、「鑑定」のレベルが上がっていることも結果の出方からわかっていたことだから、驚きはしたけど納得もできる。

 謎は、「創造魔術」だ。

 今まで、聖女ならではのギフトだろうと思っていた「インベントリ」や「ステータス」が、「創造魔術」というよくわからないものの下に入っている。


(これ、見方がよくわからないけど、その下の魔法を見る限り、「インベントリ」も「ステータス」も、私が作った魔法ってことになるの?)


 こちらの世界に来たばかりのころ、「インベントリ」や「ステータス」を使ったときのことを思い出す。

 たしか、スマホがほしい、スマホを手にしたいと考えて、「スマホ」と呟いたのだ。それが「インベントリ」につながったのか?

 「ステータス」の方は、初めから小説で見たそういう魔法をイメージしてたからわかるが、「インベントリ」の方は謎だ。

 うーんわからん!

 りのは深みにハマろうとしている自分に気づいて、慌てて思考をストップした。

 よくわからないことを考えるタイミングじゃない。それに、


(一番問題なのは、名前と職業が変わってることでしょ)


 今までは、「深春りの」が先で、偽名の「リノア・ミハイル」が後だった。

 職業もそうだ。「異世界からの渡り人」が先で、「聖女」が後。

 それが、逆転している。

 思わず声に出して呟いた。


「……根を下ろしたって思われたのか、それとも、ここから、リノアとして、聖女としての役割が大きくなるからなのか」


 どちらもありそうだとりのは思った。

 誰かを助けたことがトリガーとなって、この世界での役割が固定された。だから名前や職業の順番が変わった。

 そう見るのが自然だ。でも誰? 誰がこの変化をもたらした?


(いいことなのか悪いことなのかはわかんないね。帰るときに邪魔にならなかったらいいけど)


 よいしょ、と体を起こす。

 いつまでも考えていたって仕方がない。

 やらなければならないことがあるなら、さっさと片付けて、自分の部屋に戻りたかった。

 家とはまだ全然思えないけれど、慣れ親しんだ居場所であるのは確かなので。


 洋服は昨日のままだったが、治療にあたっていることになっているから、このままで大丈夫。

「クリーン」をかけると体と顔と髪がさっぱりとし、身につけているものの汚れやしわがきれいになる。口の中までさっぱりするあたり、「クリーン」の適用範囲が広すぎてヤバい。

 それから、余ったので保管していたコカトリスの鶏ハムサンドの小さいのを一つと、昨日作ってこっそり持ってきたチーズケーキと紅茶をインベントリからだして、軽めの朝食をとった。

 なめらかなバターとうま味の濃い鶏ハムを楽しみながら、もぐもぐと口を動かして少しずつ頭が回りだすのを待つ。

 デザートのチーズケーキを口に入れたところで、一気に頭が覚めた。



(ここでいろんなことをごまかすのは無理だし悪手だろうな。信用がなくなりそう。逆に、聖女だって公表するタイミングとしては悪くないかも)



 いつかは公表しなければならないと思って機をうかがっていたので、背中を押されたような気になった。

 欲を言えば、聖女としての仕事を取捨選択できるようにするための土台作りをする時間がもっとほしかったけど。


(もうちょい足場を固めたかったな、後ろ盾が十分じゃない今のままだと最前線に行かされてしまいそう。今回でわかったけど、魔獣ってやっぱり怖いんだな……って、あれ? 最前線に行くなら、もしかしないでもこの第三騎士団か、各領の騎士団と一緒にってことになるのか? うん?)



 昨日見ていた、騎士団の様子を思い返した。時々みかける近衛騎士団の姿やロゼリアの話と比べてみる。



 なぜかいない治癒魔術師。

 なぜか毒に犯されていた騎士団長。

 平民と貴族が混じった構成。

 隠されていた「治癒」が使える騎士。

 魔獣専門の遠征部隊………。



 ぴこーん、とひらめいた。



「……報酬の交渉が必要だなぁ。でもその前に、調査と根回しか。とっても大事よね、根回し」



 りのはにんまりと笑った。



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