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インドア聖女は早くおうちに帰りたい  作者: 和原茉白


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135/169

第135話 エルダーフラワーティー


 そういえば、私もちゃんと自分のステータス見るの久しぶりだなあ。

 そんなことを思いながら、りのは白くなったボードをくるりとカノンの方へ向けて、自分も横からのぞきこんだ。



【名前:リノア・ミハイル(深春りの)】

【年齢:22(40)】

【職業:聖女/異世界からの渡り人】

【魔術適性:全】

【体力:582/670】

【魔力:6720/6950】


【ギフト】

【言語理解 Lv.Max】

【鑑定 Lv.62】

【創造魔術 Lv.61】

【>『インベントリ』 Lv.52 時間停止、異世界品の現状回復、容量∞】

【>『ステータス』 Lv.46 表示切替、詳細表示、表示選択】

【>『ハイド』 Lv.49】

【>『テレポート』 Lv.65】

【>『バリア』 Lv.45】

【>『キュア』 Lv.17】

【>『キャンドル』 Lv.40】

【>『クリーン』 Lv.68】

【>『リカバリー』 Lv.67】

【>『サーチ』 Lv.59】

【>『フロート』 Lv.48】

【>『ヒート』 Lv.35】

【>『クール』 Lv.22】

【>『ヒール』 Lv.45】

【>『リムーブ』 Lv.9】

【>『ペインキラー』 Lv.6】

【>『エリアハイド』Lv.12】


【スキル】

【料理 Lv.62】

【魔力操作 Lv.69】

【魔力感知 Lv.64】

【火魔術 Lv.28】

【水魔術 Lv.59】

【風魔術 Lv.45】

【土魔術 Lv.36】

【光魔術 Lv.52】

【闇魔術 Lv.39】



 前回のレベルアップから二か月弱しかたっていないが、魔力はなかなか伸びてるなあとりのはひとり頷いた。

 他の魔法や魔術もぼちぼちのびているが、やはり「テレポート」の伸びは大きかった。先ほど気づいたことが大きかったのだろう。

 だがまだまだだ。遠く離れたところからでも、アトラロにポンと帰ってこられるくらいの魔力とレベルは欲しい。

 

「うん、精進あるのみだな」


 ぽつりとつぶやく。

 そこでカノンが何もしゃべらないことに気づいて目を向けると、


「…………。」

「え、なんかドン引きされてない!?」

「だってリンさん、これ、なんかすごすぎないですか……?」


 私しょぼかったのに、としょんぼりされてしまって、いやいや待って、とりのは片手をぺらぺら振った。


「さっきも言ったように、魔術とか魔法とか楽しくて、趣味のように使ってるからね。魔力は増やしたくて毎晩魔力を枯渇させる寸前まで使ってるし。それに、生活の中や料理で使ってる魔法も多いから」

「……バレないようにしてるって言ってませんでしたっけ?」

「うん、バレないように使ってる。お料理で湯煎とかしたいときは、魔術と併用したりしてるの。魔力操作がレベルあがってるのは、たぶん併用頑張ってるおかげだと思う」


 試しにやってみよっか。

 そう言ってりのは、ソファのところに置いてあったティーポットとカップを「フロート」で浮かせて引き寄せる。目を丸くするカノンの前で、魔術の「水球」でポットに水を入れ、それを「ヒート」で熱湯にする。全部無詠唱だ。


「わぁ、すごい! 呪文唱えなくてもできるんだ……!」


 そこにテーブルに備えてある茶葉の中から、エルダーフラワーのドライフラワーを引き寄せて適当につっこみ、蓋をして蒸らす。


「んー、そろそろいいかな」


 ポットからお茶をカップに移すと、みずみずしい、少し青いマスカットのような香りがいっぱいにただよった。


「はい、どうぞー」

「ありがとうございます……」


 カノンは熱いそれを一口含み、深ーいため息をついた。


「なるほど、こうやってレベルをあげてるわけですね……」

「そーそー、ひたすら自分が楽をするために使ってる感じだね」


 エルダーフラワーは、最初にレオやウェスに会ったお買いものの時に手に入れたものだ。コーディアルというシロップ漬けを作ろうと思って買っておいたのだが、最近ちょっと忙しかったので、すっかり忘れていた。でもエルダーフラワーはハーブティーで飲んでもおいしい。


 まったりとお茶を飲むカノンは、大分落ち着いたようだった。水分補給もしたし、大丈夫かな。


「……リンさん、」

「ん、なぁに?」

「リンさんも『鑑定』持ってるんですね」

「うん、持ってる。っていうか、たぶんカノンちゃんも持ってると思う」

「私たちのギフトって、やっぱり聖女特典みたいなものなんでしょうか」

「私はそう予想してるんだけどね」

「……私を『鑑定』って、できますか?」

「できるとは思うけど……」


 いいの? と聞くと、自分のことだから把握しときたい、と真剣な顔で言う。

 

「わかったー。じゃ行くねー、『鑑定』」


 透明なボードが出てきて、そこにずらずらと文字が浮かんだ。



【名前:秋野佳音】

【年齢:15】

【職業:聖女/異世界からの渡り人】

【魔術適性:全】

【体力:525/830】

【魔力:4000/4300】


【ギフト】

【言語理解 Lv.Max】

【創造魔術 Lv.24】

【>『インベントリ』 Lv.18 時間停止、異世界品の現状回復、容量∞】

【>『ステータス』 Lv.6 表示切替】

【>『テレポート』 Lv.22】

【>『ハイド』 Lv.8】


【スキル】

【火魔術 Lv.12】

【水魔術 Lv.26】

【風魔術 Lv.37】

【土魔術 Lv.11】

【光魔術 Lv.25】

【闇魔術 Lv.33】



「ごめん、『鑑定』結果をオープンにするのができないんだ。読むから聞いててね。えっと、」


 書いてある内容をつらつらと読んでいく。


(カノンちゃん体力あるなあ、うらやましい)


「……私に『鑑定』が出ないのは、したことがないからかなあ」

「多分ね。やっぱり聖女特典なんだろうね、これ。今までの聖女様がどうだったのかは知らないけど、私とカノンちゃんは少なくともそうだってことかな」

「これ、他の人にバレたら、リンさんも私もやばいですかね?」


 うーん。

 りのは考え込んだ。

 りの自身の鑑定結果は表示選択を使って虫食いにしているけど、カノンの結果がオープンになれば、そこから芋づる式にわかられてしまう可能性はある。

 だがそれに不都合があるかと言われると、そんなにはないんだよなー、と腕を組んだ。


「私の方は特に困らないかなあ……『鑑定』がバレるだけで、レベルとか数値とかは全部隠しちゃってるから。だから、カノンちゃんしだいかなあ」

「私しだい?」

「うん。今持ってるギフトやスキルに関して私たちよくわからないから、強化したいなら相談先は必要かなって思う。たとえば、創造魔術だね。ユーゴ様と共同で研究すれば、カノンちゃんならではの魔法が作れる可能性があると思うし。それをやりたいなら、早めにカミングアウトしとく方がお得かな。新しいスキルやギフトが出てくる可能性もあるし」


 カノンはりのが言ったことを理解しようと目を閉じて頭の中で整理しているようだった。


「わたしならでは。ってことは、リンさんとも違う魔法ってことですか?」

「そうだね。私は向こうの知識をベースにおいて作ってる感じなんだよ、科学技術とか、医療知識とか使って。でもさっきの『テレポート』で思ったけど、私とカノンちゃんだとアプローチの方向が違うじゃない?」

「ああ、私は理屈はあんまり考えてなくて、魔法らしい魔法でイメージしてるかも。知識は、そんなにないから……」

「そりゃこれから勉強するところだったんだもの、知識が少ないのはカノンちゃんのせいじゃないよ。でも、だからこそ、私ほど向こうの常識に縛られてないって言い方ができる」


 きらりとカノンの目が光る。


「違うアプローチから魔法ができれば、よりよいほうを選んで使える可能性はあるよね。さっきの『テレポート』みたいに教え合えるだろうし」

「たしかに! 私、『ヒール』とかちゃんと使ってみたいです!」

「もちろん教えるよ。そうやって互いに腕を磨いていけば、もしかしたら、送還魔術の発展につながるかもしれない」


りのが「創造魔術」をオープンにしたのは、それが一番大きい理由だ。

少しでも研究の足しになって、送還魔術の完成に近づけばいい。



(たとえそれが何十年後だったとしても、近づけばいい)



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