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3.状況開始 ニイタカヤマノボレ ヒトマルサンマル 3.1秦野市 朝6時半


元々、10月30日はどういうわけか偶然にも高橋、それと古川さん兄妹と移動運用することになっていた。

高橋よ、、旧帝受けるというのに移動運用なんかしていてまじでいいのか?

こちらはどう転んでも今年度の受験は無理だし。牧田精機就職についてはお断りを入れたけど、牧田専務に妙に気に入られてなぁ、、直接世田谷の本社に行って辞退することを伝えたとき、「とにかく落ち着いたらかならず連絡して欲しい」と。


昨日だが、古川さんの家から高橋宅じゃなくて長尾理香宅に電話連絡。

かけおち決行の事を伝えた。

 「おお、、とうとうあんたらやるのかぁ、、せめてアレだわ。北工祭で去年みたいにブチあげてから逃亡すればいいのに」

「おいおい!騒ぎ大きくしてどおすんだよ!そこまでやらかすと最悪除籍だぞいくら自由な校風とはいってもなあ、去年のあれは不問に付されたけど。なるべく穏便に事を済ませたいんだ」

そう、、高橋の従姉妹にそそのかされ恵がステージでぶち上げて、それにのってしまったんだよな。。いやあ、、あのあと年内は小田原の街あるくのがな。。てへっ!


あらかじめ恵さんには10月30日の行動についてはB5レポート用紙2枚で仁美ちゃん経由で渡っている。それを狙ったんだな。そのときに限って

昨日の朝仁美ちゃんからもらったメモの裏に

 ”*伝言ダイヤルに録音しますのでお返事ください 恵”

とあった。

それを聞くと、

 ”こうするしか私たち結ばれないの、、私は覚悟が出来ました。ひろしくんわたしをまもってくださいね”

だった。

もちろん、

”覚悟をきめました 恵さんのことを守ります”

とメッセージをいれた。

直接家に電話してもいいけど、会いたい気持ちが先行してしまい心が折れそうになると思う。たぶん、、恵さんもこの約2ヶ月間そんな思いだったのだろう。

20秒間の音声メッセージのやりとり。。

それと、、用件だけのメモ。

お互い、あの日由比ヶ浜で”そのときが来るまでおたがい感情を抑えましょう”という約束をした。

それがまあ、、こういう形、、古川さんとの偽装交際とかふくめて。


待ち合わせ場所だけど、そのメモに

”30日 AM11:00藤沢駅改札”とあった。

これだけでは行き先はわからない。方角的には東か、、となると・・

まあウラかいて西かもしれないし。


「ええ~!去年あれだけのことやらかしておいて、、ですかぁ?」

「まあそういうことですわ。今日卒業要件証明書と成績証明書はとった。この2通があれば、今年度は無理だけど大学受験は可能だし。まあ、、国立2部だな・・文系?

卒業証書はあとで郵送されることになっている。あと、、一時的に加藤姓を名乗るので」

「わかった、、、じゃあ明日6時半に渋沢の社宅行くわ。じゃあ加藤!」

「おう」

高橋との通話がおわり、受話器をおいた。

「そうするしかないのね、、」

「そういうこと。。」



会社の前で待っていると、古川さん兄の車が来た。


「おはよう片山君!」

テンション高いですね古川さん、、でもなんかごまかしているね。。

昨日の帰り

 恵さん以外の女の人とはじめてキスした。。

キスしたあと、、彼女泣いていた。

 どういうわけか、*頭の中でローリングストーンズのPaint It Blackがリフレインした。

「おはようふる、、古田さん??」

「ばかっ!ふるかわ古川直子だよっ!もう!片山く、、いや加藤なんだよね、、」

 そう、、今日からしばらくの間は山本恵の偽名である加藤恵の旦那さんである加藤博として行動しなくてはならない、、この名前、、ちと違和感あるのはキノセイデスカネ?

 「はいはい古川さん!高橋は?」

「おう!片、、いや加藤!よろしく!荷物はそれだけか加藤?」

 「ああ、駆け落ちと夜逃げって同じ意味なんだろうかね?」

「しらないよ、、まあ行こう!」

 本来、、理香さんが車をだして湘南平までいくことになっていたけど、帰り際に帰ってきた古川さん兄に事情を話したら「それなら僕と直子で、、そもそも直子も行くことになっていたんだろ?へんな趣味教えたのはまずかったな、、あの高橋もだろ?いいよな、、長尾理香さん!そんな危険なことさせられないぜ!」

北工電子科卒だそうです、、長尾理香さんの1期うえだそうで。。

ということで、古川さん兄が車を出すことになった。



*フルメタルジャケットのエンディングに用いられていますが、永野のりこ”電波オデッセイ”でもネタで使われています。電波オデッセイ以降って1作品ぐらいしか読んでいませんね。かれこれ20年以上ですか。。


*メモ書き 落ちあう場所をどこにするか?その連絡方法。

 昭和63年当時の通信手段にてだが、現在のように電子メールも携帯電話も存在していない、、携帯電話は存在したとは言え、ある意味メタ技術レベルだし。

ショルダーフォンとかソニーのICB-87Rといい勝負の大きさ、、

駅の掲示板、、というわけにもいかない。

市民無線 論外

となると、

   山本仁美をメッセンジャーとして紙媒体でのやりとり

    メモ程度の内容からB5レポート用紙数枚単位

   NTTの伝言ダイヤル 定期的にメッセージ

 そおなるのだろう。




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