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集落1

そして、タイガ、ミオ、ケイ達3人に、俺がグロン達の言う「センシ」であり、「すこしばかり」特殊な存在なのだということを打ち明けた。但し、全部は言えない、言っても信じられないだろうから黙っておいた。


「そんな、「センシ」みたいな伝承的超貴重人物と共に行動していたなんて!」

「故郷に着いたらみんなに言いふらしちゃおうよ!」

嬉しそうだが聞き捨てならない。

「いや、言いふらさないで」

「そうだぞ、ミオ殿。共にいるのは確かに「センシ」であるが、それ以前にレン殿なのだぞ」

それに、レン殿は崇高な目的を持って動いているのだ。邪魔はしてはならないのだぞ。

偉そうに言ってるけど、町を出るとき、アキラもレンを無理に引き留めていたじゃない。

「子供の喧嘩か」

言い合いになりかけた二人にケイが割り込む。そういえばこのパーティにお邪魔させてもらう前にも言い合いしてたな。

その姿に和んでしまい、笑った。


学生だった頃はそういう仲のいい喧嘩は真横でされてたけど、自分自身がその中心になったことは無かった。

それをすぐ近くで見れるのは「今」だからこそだろうな。



そして、エネミーが道中何回か遭遇したが、アキラと俺だけで撃退し続けた。

3人は基本戦闘には向かないため、物陰に隠れていてもらった。

戦闘が終わると、負傷部位の手当てをミオ、骸となったエネミーの解体をタイガ、交戦した場所やエネミーなどを事細かく手描きの地図に記録するのがケイと、役割分担をしていた。

基本死骸は放っておくと、霞のような物質系の躰の無いエネミーを発生させてしまうため、解体し町などの人の集まりやすい拠点にある素材屋などで扱ってもらうのが筋だ。

それでも利用できないような余った部分はすべて焼却してしまう。

この世界でも人は火葬するそうだ。土葬の文化は危険性の問題で定着しなかった。

それはそうだろう。土葬して、その後身内がエネミーと化して襲われるとか嫌でしかないだろう。祓う側も人外なら傷心の心配もないが、同じ人だというのは少しなりとも抵抗があるはずだしな。



何度か戦闘し、歩を進めていると小さな集落が見えてき始めた。

町とも村とも言い難いほど小規模で、こじんまりとしていた。

「それにしても、様子がおかしい」

遠くからでも見えるらしいアキラが呟いた。

「おかしいって?」

「人の影が一つも見当たらぬのだ。小規模の集落とはいえ、今はまだ日没前だ。外にいる者がいてもおかしくないはずだが…」

「みんな、どこかへ出かけているのでしょうか?」

「少し離れたところに畑があったとしても、それはないだろう。集落を守る者がいなくては盗賊やエネミーに帰る場所を奪われてしまうからな」

「じゃあ、みんな家の中に引きこもっちゃったとか?」

「ここでうだうだ言っててもしかたないんじゃないか?」

俺がそういい、集落に立ち寄ることにした。


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