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都市5

俺の行動できる範囲は終わった。アラタとソウジに関してだけだが。

「そういえばあの人のこと忘れてた…」

元はと言えば龍神が王都の誰かに誘拐されたことだ。


ソウジにその事を話すと、全力で協力させてもらうと頷いた。

「そもそも王都内で、もしくはその周囲で人攫いをした、またそれに関与した者は永久に王都内に戻ることを許されなくなる。しかも恐れ多い神とあれば尚更だ。龍神は四方神の中で気性の荒い方と伝えられているからな」

それを聞き、寧ろ犯人の方が心配になる。

「しかし、貴方に神自身が付いて行くと言うのはどうしてだ?」

「やっぱり聞かれますか」

「それはそうだろう」


事情を大雑把に話す。

「まさか、南の使徒だとは…」

「そんなことよりも、とりあえず龍神を探さなきゃいけないんだが」

結構簡単かもしれない。そう思った。しかし。



何故、拉致した奴らのアジトらしき場所に隠密に進入する羽目になるのか。

結果的に言えば、隠密とはいえ、結構派手に暴れまくった。


「奴らの占拠する場所を制圧し、壊滅させたら、その分破壊した場所などの修繕費は王に頼んでみるから、存分にかましてくれ」


ソウジはそんな権限を持っているのかと聞いたら、

「似た様なものはある。それに王が費用を出さないのなら、我らが職務放棄すると脅してみるさ」

流石にそれは最終手段だと言っていたので、出来るだけ穏便に事が運んでくれることを祈る。


建物内部は特にアジトらしく見えないが、調度品の一部にワイヤーらしき物や油の入った容器などがあり、あからさまに罠があった。

それらを全て解除するとなると夜が明けてしまうため、通るために最低限のみ解除していく。

地上部分は特に何もなかったが、こんな夜更けまで起きている奴は気絶させる程度で倒した。最初の方は力加減を間違えてしまい骨を折る重傷にしてしまった事は仕方ないだろう。寝床らしき場所には数十人ほど雑魚寝していたため、起きないうちに全員まとめて縄にかけさせてもらった。


そして、ここにはいなかったかと諦めて外に出ようと一階部分に降りたところで、入り口の真横に変な風に扉があったことに気が付いた。

その扉を開けると、地下に通ずる階段があり、降ること少し。古い牢屋らしいものが見え、ここに捕まっているのかと、一つひとつ見てみることにする。

しかし、奥は結構長いらしく、通路自体薄暗いことも相まって最奥が見えない。

奥に行く程空気が冷え、重くなっていく。

耐えきれなくなってきた為、「纏」をしようか迷うと、カツンと足音が響いてきた。

誰かいるのか?

槍を変に構えたままの状態に近づく足音。俺は息を潜め近くに柵が壊れた牢の中に潜りこむ。

音が目の前を過ぎる。

「!!」

咄嗟に自分で口を塞いだからよかったものの、音の元の人物の姿に声を上げそうになった。

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