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都市

「王都」とは。

トコ・ミノル・ケタル氏なるはこの国「カムナギ」を造り上げた。つまりは建国者。

そして、四つの諸島群を武力や交渉などにより吸収し、今のこの国になった。

王都と呼ばれる場所はそれらの四つの国からの来訪者、商人、旅人などが集まり、商いをし、成り立っている。

王都でも中心部は一般の者は立ち入りを禁じられており、許可がない限りは入れない。あれば例外という訳でもないが。

農業はあまり得意ではなく、周囲からの税収により賄われている部分が多い。


「県庁所在地みたいなものか」

それにしても、中心部のくせに、食糧事情悪そうだ。



しかし。

そう。あれから、王都に強制連行されてしまっていた。

龍神が、連れ去られたのだ。

高っかい入市税を更に値を上げられると、あちら側のぼったくりが可愛く見えるほどだ。

門の近くにいた衛兵にしょっ引かれる形に攫われた龍。追いかけようとして、なけなしの懐を更に冷えさせられる税金。ふざけんじゃねーって叫びたくなったが、我慢するしかない。

行方が依然分からない為、変な行動は抑えたい。

それよりも、宿屋も、飯の材料などもどれもぼったくりの価格。しかも品質は、最悪。劣化品。

血管が切れそうになった。



龍神を探す前に、とりあえず俺はこのカムナギ国の事を知らなさすぎということを思い知った。

鳥にもらった貨幣は王都では通用せず、王都以外の四つの国でしか流通していない。つまり、あるのに無一文。入市税は、為替のレートに合わせて取っていたらしい。門は境目ということで一応は貨幣を扱ってもらえていたことが唯一の救いか。南の貨幣価値どれだけ低いのかと思ったが、南は元々物々交換を主にしていた為金銭や貨幣をあまり必要としてない、されていないようだったことを思い出した。

「どうしたものか……」

仕方ないため、道中に狩ったエネミーを素材屋に売り払うことに。

あまり足しにはならなかったが、いくらかはマシだろう。

腹減った。


ひらと、目の前に一枚の紙切れが飛んできた。

それをよく見ると、なにかのチケットのようなもので、小さな文字が書かれていた。

「まってー」

足元から声が聞こえ見てみると、帽子を目深にかぶった少年がいた。

「そのチケット、僕のなの」

「返して」ではなく、飛んで行ってしまってしまい、届かないまま追いかけてぶつかってしまったと話す。

「その劇を観るために、来たの。大事なチケットなの」

必死に懇願するため、両手にしっかり持たせるように渡した。

「今度は無くさない様に、しっかり持つんだよ」

屈んで目線を合わせる。

うんと言って笑顔で走って行く少年。

しかし、こちらを見て走ったため前を見ておらず、通りすがりにぶつかってしまう。

ひらりと浮かんで行くチケット。あーと口が開いて閉まらない。

何処かへ飛んで行ってしまいそうなチケットを、追いかける。

こんなことしている場合ではない筈なのだが、放っては置けない。

近づき、手を伸ばして掴む。多少拉ひしゃげてしまったが、どうしようもない。

少年は半ベソをかいて動けないでいたようだ。

どうしようもないかと口から漏れる。ここまで係わったのだ。

それに、劇一回くらい時間はかかっても仕方ない広さがある王都だ。大目に見てくれるのではないか?神様は寛大だろうからな。勝手か?二時間前後でも短い方だろう。

「ついて行ってやるよ。次も無くしたら困るだろうからな」


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