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島出3

龍神が艦隊を壊滅したおかげで俺とテツヤは本土へ再び櫂を漕ぐ事ができる。

ただし、乗員一人追加になっていたが。

「レンさん、本当に何者なんですか、貴方。龍神を味方に付け、船団を沈めてしまうなど、今まで聞いたことが無いです」

饒舌だなと、思う。うん。

「我は此奴に味方したと一度も言ってはおらぬ。他の奴等に頼まれてだな…」

語尾が怪しくなっていく。

「もしかして、ホーリーさんに何か言われた?」

ギクッと効果音の付きそうなくらいの反応が返された。

もしかして弱みを握られているとか、秘密か何かを盾に取られているか…。

「ぶっころすぞ、貴様。そんなことよりも朱の方が我よりも師に多く弱みを握られておるのだぞ」

そこのところ無い頭で考えるのだな。

なんか言い方ってもんがあるでしょうよ、龍神さんよ。しかも美人と言っても恥ずかしくない顔が般若の様になっている。

そんな風に呑気とは言い難いものの会話をしつつ、本土へと無事に接岸することができた。




「ここまで、本当に有難うございました」

「いや、俺が勝手に連れ出そうとしただけだから…そんな、お礼を言われる事じゃないですよ」

そもそも、神殿から出たら船で戻ってくる予定だったので、テツヤの事をほっといて戻ることもできた。しかし予定外にエネミーの橋を渡り、島から流されテツヤが助けて関わった。そして俺だったら耐えられない状況に置かれていたから、「東を出て本土へ移住する」という選択肢を示してみただけ。選択肢を選んだのはテツヤ自身なのだから。

「しかし、選択肢があることを教え示したのは紛れもなくお(ぬし)だ」

そう言い、スタスタと歩きだしてしまう龍。

追いかけなければホーリーが何か言ってきそうなため追いかける。しようとして、

「オレも、広い国を旅してまわって、記憶を思い出せるように頑張ってみようと思います!」

と叫んで手を振ってくれたテツヤに俺も手を振り返す。

互いに反対向きに進む歩。再び会えるときには互いにどうなっているかはわからない。

…とりあえず、さっさか行ってしまった龍神を捕まえなくてはならないが。

次は、西に向かうかな、と心の中で呟いた。


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