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聖1

「東」に向かうため「南」の町を出て数日になる。

相変わらずエネミーに襲撃されると俺とアキラで撃退している。


そんな中、謎の洞穴を見かけた。

地面へと続く穴を見つけたと告げると、エネミーの巣ではないが、数年前の地図にはないものだから調べてみたいと言うタイガに付き合うことになった。ミオは暗いところと狭いところに若干トラウマが有る様なことを涙目で訴えたので、アキラと共に出入り口で待機してもらう。



入口付近はさほど暗くはなかったものの、50メートルほど進むと手元くらいしか見えなくなった。

「タイガ、大丈夫か?」

「なんとか、ついて行けてるから大丈夫」

俺でもやっとこさ見える位の暗さの中平気とよく言える。その上、手に持った紙に何かしらのメモを取っている。流石と感心するよ。

少しずつ進み、大体500メートル程だろうか、少し開けたところに出た。

そこには明かりがあり、壁一面に何かしらの文字が書かれていた。

一番奥には、石碑のようなオブジェが佇んでいた。

「超古代の神々の文字か?!」

興奮して今にもオブジェに飛びかかろうとするタイガを入り口に押し留める。

非難の声がかかるも、部屋の中はあからさまな罠が至る所に見え隠れしていた。

それ以外にも多分見えないところから出る罠もある可能性を捨てきれないと言うと、理解してくれた。

地面を見ると丁度手頃な石があり、それを手に取り、中に投げる。

瞬く間に、ジュッという効果音も無く消えた。灰にも塵にもならなかった。

見ていたタイガが冷や汗をたらしていた。

「とりあえず戻るか」

そう促し、地上に戻る。

外に出るとまだ日が高く、ずっと暗い穴の中にいたものだから明るさに怯んだ。

「おかえり。中、なにかあった?」


地上で待っていたミオたちに、中は危険だと言うことを告げる。

「それって、もしかして「神族の落し物」って言われてるやつかな?」

「なんだそりゃ」

ケイの話によると、神話時代の遺物か何からしくいまだに解明されていないことの方が多いものなのだとか。しかも触れることのできる者はごく一部で何を基準に触れることができるのかすらも不明。しかし、触れた者は人ならざる力を得ることができるそうだ。

「人ならざる力?」

そこが何か引っかかった。

「それについてはいろいろな見解があって、雨を自在にできたり、何もないところに島を造ったりなんてのがあるみたい。まあ、伝聞だから信憑性に欠けるけどね」

しかし、森羅万象とまではいかないにしろこの世界の人としての規格から外れてしまうのだろう。力を得た者は、戦争の道具として戦場の最前線に立たされたり、政界に放り込まれ国の暗部の悪行の片棒を担がされたりと、酷い目に合いその命を落としたり世捨て人となったりしたという。

確かどこかで聞いたが、強大過ぎる力程その身を滅ぼすと言っていた気がする。


話や考察をしている間に日は落ちた。



夜中。

移動しようにも、穴の中に誰かが何も知らずに入り、死んでしまったら寝覚めが悪いと言うことで少し離れた場所に、拠点を設けた。

みんなは寝ており、見張りをしていると、変な感覚に襲われた。

それは、夢と思っていたヒカリとウサギの声が聞こえてきた。


―早く、力を手に入れなよ。そうでなきゃ、今度は睡眠だけで回復できるとは限らないからな。


―ウサギの言うとおりかもネ。昨日、あのひよこにいっておいたやつだから、貴方なら死なずに入れるからネ。


―そうだ。ちゃっちゃと行け。そして、さっさとこっちに来い。


―ウサギったら、そんなに急かしちゃいけないでショー?


そんな声に押されて再びあの穴の中に行くことになってしまった。

アキラには交代するときに話しておいたので、次に交代するまでに帰ってこいと言われた。


…なんで戦闘好きな人ってこう急かすんでしょうな。

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