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夢の中

就寝してから、とある空間にいる様な気がして目を開けた。

そこは5人で雑魚寝している場所ではないと分かっていた。

最初にこちら側に来たところと似たような場所だったが、一つだけ違うことがあった。


「うわっ」

目の前にいきなり振り下ろされた影をすんでのところで回避する。

ちっと舌打ちが、振り下ろした得物の持ち主から放たれた。

誰なんですか、と言おうとするも、声が出ない。

「少し、制限させてもらったぞ」

新たに別の声が頭上からかけられる。

「なにしてんのさ、ウー君。新しい客人に牙なんて向けちゃって、ウー君らしくないヨ」

何もない空間からストンと降りてきた人と、得物を向けた人と見比べてしまった。

「なんだ、今回の客人は何の説明も受けていないのか」

「仕方なかったんじゃないー?てんやわんやでごたごたしてて、強制的に選ばれちゃった子なんだからサ」

どうみても同じ顔。しかし、配色だけは真逆になっていた。

「いや、たしかに、クローン技術や一卵性双生児だってあったんだ。それにここは何があっても不思議じゃない。地球の筈なのに。なんでこうも違うんだ」

「あ、ウー君解除してあげたの?」

「違う。考え事で五月蠅かったから、吐き出せるようにしただけだ」

へーという黒髪の子が飽きたらしく、

「お茶の時間にしようか?」

「…時間がないんじゃなかったのか」

「そうだった!」



自己紹介してもらい、黒髪がヒカリ、白というより銀に近い色の髪がウサギという。

白のくせに血気盛んだな。


「そんなことよりも、なんだ。先程の無様な戦い方は」

「へ?もしかして、見てたのか」

「まぁーね。というよりも、貴方の見聞きしたものすべて私らに届くようになっているからネ」

ウサギが代わって戦わなかったら死んじゃってたんだヨ、とも言っていた。

「そうか。だからだったんだ」

別の人に身体だけ持ってかれたような気がしてたんだ。

手のひらを見つめ、確かめる。

「そ。ちょっとだけ借りたんダ。殺さないようにするのって結構大変なんだヨ。ウサギって加減が大の苦手だからネ」

にこりとするヒカリ。

「人の仔は脆すぎるのが悪い。創るときに泥からだったのが悪いのだろう。素材が悪いんだ」

結構な口の悪さだな。しかも泥からって、神話じゃあるまいし。

それか、と。

「器であるコイツが原因ではないか?」

「他人のせいにするの、直さなきゃいけないって何度も言われてるのに、直さないのネー」

アラ様にまた怒られたって知らないんダー。

むくれたウサギを背にそっぽ向くヒカリ。


あれ、と思い出す。

「俺、何でここにいるんだっけ」

「「あ」」



「てなわけで、毎晩というか就寝時にここに呼ぶことにしたから」

「どうゆうことだよ」

レンには、いざというときにウサギとヒカリの力が強制的に発動することになっているため、危機的にならないように道を進むことと、ウサギの力で体が自壊するのを防ぐための訓練をすることの忠告をするために呼んだそうだ。

「だが、それだけでは圧倒的に足りない」

と言うウサギによって訓練することになった。

じゃあ、今晩にまた会おうネなんていっているヒカリと腕を組んでいるウサギに見送られる風になり、起床した。



「なんだったんだ、夢?」

しかし、会話の内容まではっきりと記憶しているため、夢ではないのは解りきっていた。


そして、タイガ、ミオ、ケイ、アキラと共に、東に向かう。

鳥からはなにも言ってこない。自主性を尊重しているのか知らないが。


「…そういえば、あの場所はどこだったんだ」


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