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集落4

友好関係を持つ相手の村の名前と位置を聞き、助けに行くと約束したら、皆安心したようで、光量が増し始めた。

これで心置きなく「星」に還ることができるといい、その前にと俺の名前を聞かれた。

「俺はレン、レン・ヒエンという。焔の鳥に頼まれ、旅をしている者だ」

そうか、というと住民のほとんどは消えていった。長は最後になったが、

「なんと!朱の鳥に仕えるものに最後に浄化をしてもらえるとは思ってもみませんでした。輪廻転生してもこのご恩は忘れません」

そう残して消えていった。

全ての霊、もとい住民が消えると辺りにあった光が消え、闇が帳を下す。

今まで仮面状態だったため解除すると、アキラが近づいてきた。

「やはり、レン殿は「センシ」だ。しかし、軽々とあのような約束を結ぶとは…少し自分の立ち位置を考えたほうがよろしくないか?」

ほめた次は諭すような、呆れたような。

「魔神ってやつを見てみたいのもあるが、何よりあの人達の仇を取りたい」

それに、聞いた隣の村の位置が「東」に向かう予定ルート上にあるのだ。遠からず出会う事になるだろう。

アキラはそれを聞くと約束をしたことに納得し、そして戦闘になるということに不安の色を隠せないでいた。


そうこうするうちに東の空が染まり始めた。

結局俺達は一睡もできていないため、3人が起きて説明をした後、陽が真上から西に若干傾きかけた頃まで睡眠をとらせていただいた。

護衛の俺たちが動けないということで、また一日この集落にお世話になる事になった。



アキラは眠りが浅いらしく、何度も起きては寝てを繰り返していた。

俺はというと、ずっと約9時間ほど意識が無かった。


起きた直後、3人に文句を言われた。

寝ると言い横になった途端、微動だにしなくなり呼吸もしているかしていないかわかりずらかったらしかった。よかった生きてた、死んでたらどうしようかなんて考えてしまった、など。

さらに、ミオ曰く

「たった一晩で何の交友も無い人達、しかも一人じゃなく出集落全員。それを聖属性の付与した媒体と陣だけで「星」に還すなんてさらに無謀、いえ、それ以上の自殺行為よ」

と怒られた。

「一歩間違えたら死んでたのよ!」

自覚持ちなさい、なんてお説教された。

説教なんて何時ぶりだろうかなどと呆けたことを考えてしまった。

…横になって3秒以内に寝ると言うのはどこぞの眼鏡少年の昼寝か。



起きて食事を済まし、落ち着いてからどうするかの話し合いになった。

「して、レン殿。魔人を倒すというなれば策を立てねばいけませんな」

流石戦闘狂民族。アキラもその種の愛称(蔑称か?)に恥じぬ思考をする。

タイガもそれを気にしていたみたいだ。確かに、これから行く道に魔神級のエネミーがいるなんてことは一生に一度あるかないかの確率でない方だろう。

「そんな、国を滅ぼす力を持つ魔神に挑むの?!」

「さすがに、それはやめておいた方がいいんじゃないか?たとえ強力な力を持っているのだとしても、得策には到底思えない」

そうミオとケイの2人は否定していたが、進路上にいると言うことを話すと、青ざめたものの進まないという選択肢はないと理解してくれた。

「で、でも、遠回りでもよくないか?」

しかしケイは無理して戦うと言うのはまだ否定的だ。

「問題を先送りにして結果がよくなったことなんて一度もないよ。善処しても変わらない場合の方が多いいんだ」

今、隙をついて叩くか、後で弱点などを知られてしまったりして不利な状況で戦うか。どちらがましか。


俺自身の能力に関しては未だに解っているほうが少ない。

そんな戦力で大丈夫かと言われれば大丈夫とは断言できない。

しかし男にはやるべき時とやらなければならない時が必ずあるというもの。

小型のエネミー相手では出せない性能や全力の力などを測りみたいというもの。そうそうそんな機会来ないからな。たとえばシャチサメ相手にしたときの力なんてのがあるからな。


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