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残念賞。
帰宅した祖母とは目も合わさずに俺は赤い秒針を見つめていた。
優美はもう寝てしまった。
俺は地球消滅が今か今かと待ち構えていた。
だけど、0時を時計の針が刺した時…
何も起こらなかった。
気がついたら眠りについていた。
何か夢を見た。
優美と俺がご馳走を食べていて何かを祝っていた。
何か知らないけどすごく気分は良かった。
だけど目を開くといつもと同じ朝が訪れた。
「おはよ、お兄ちゃん。
地球、あるね。」
「うん。」
「消滅してねーじゃん!!」
「うん。」
地球は無事だった。
予言者の予言は外れた。
俺と優美は笑った。
「地球無事じゃん!なんで消滅してないんだよ!」
そう言いながら優美は別に嫌そうではなかった。
そりゃそうだ。
そんな摩訶不思議な事が起こるはずがないのだから。
「優美、バイト代前借り出来るか聞いてみるわ。家賃と学費と…。他なんだ?とりあえず今日聞いてくる。」
「ごめん、ありがと。お兄ちゃん」
地球が消滅してくれたら良かったけど
残念ながら無事だったから
俺はいつもより早めに翔太と待ち合わせしてる自動販売機に向かった。
また、同じ毎日が回るんだ。
うんざりする。