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歯車。  作者: 繭
6/18

憎しみ。

時計はPM10時を回っていた。


玄関のドアが開く音がした。

祖母が帰宅してきた。


俺も優美もあえて何も言わなかった。

こんな事はいつしか普通になり慣れっこにさえなっていたから。


俺と優美が小学生の頃まではまだまともに飯も出たし帰りも今よりは早かった気がする。


どんどん帰りも遅くなり、飯もたまにしか作らなくなった。


それでも俺と優美は文句が言いにくかった。

親に見捨てられた2人を引き取ってくれた

祖母。

いくら好き放題やろうが子供の俺たちには解決方が見つからなかった。


ギャンブル依存…

例え俺たちの学費を払って貰えなくても、飯がない日が続いてもそれをどうしたら良いのか、分からなかった。


不思議と祖母の事はそれでも嫌いになれなかった。

母にも父にも会ってみたいとすら思わなかった。

会ってみたらを想像すると

殺してしまいそうな気がした。


授業参観も運動会もお弁当持ちの日も、すごく嫌いなんだ。


そうゆう日だけ思い出すよ。

顔も知らないけど。


そうゆう日は思い出して

会いに来たら殺してやる。

そう思ってたんだ。


テレビの再会みたいに、会いたかったとか寂しかったとか一言も言わないんだ。


知ってる?母さん父さん。

俺と優美が地球消滅を願う様な、それを楽しみにしている様な人間になってる事。


なんでだよ。


本当の本当の本当は…

なんて言えばいいのか分からない気持ちを抱えて生きているんだ。

胸の奥の奥にそれはあるけど愛を知らない俺にはそれすら何かわからずもがいているよ。






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