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第四章 十九
今までの攻撃、行動、反応、総合的に判断してその可能性は十分ある。一条の光明をこの土壇場で気付けた事を武道の神に感謝した。
「我が人生のうちで最大の危機だった。幾百の立ち合いにおいて死を覚悟したには初めてだ。だが私にはまだやらねばならない事がある。これで最後だ」
無造作に間合いを詰め、繰り出した技は、今までに見せていない"突き"の技。ハイドラには披露したことがあるが、速さと正確さに重きを置いた、実戦向きではないと言っていた技だ。
両手の剣は、あっという間に黒い球体を捉え、中心にいるであろうひとまわり大きい"もり"串刺しにする。
ぶるんと一瞬震えた後、黒い球体はバラバラになり、拳大の黒い"もり"はそれぞれが混乱して四方八方へと逃げまどう。
私の剣の先には、地面に落ちて動かなくなった"もり"が刺してあったのだ。いかに素早く空気に動きを察知しようとも、仲間の身体の向こう側にある刃までは察知できまい。
私の勝利は私が〈相手をよく見て、冷静な判断をして、自分を信じて剣を振る〉という基本を思い出した時に、すでに確定していたのだ。




