何者?
「あ、騙されないでくださいね。神と付いていますが、付喪神って分類的には妖怪ですから」
と茉莉ちゃんが補足します。さっきの仕返しと言わんばかりのどんより重たい声です。
「それを言わないでくれよ、松樹くん」
「……いや、問題はそこじゃない!」
しばらく呆然としていた五十部くんでしたが、ようやく意識を取り戻したようです。ツッコミ復活です。
「ってことは、普通なのは俺だけ!?」
これからどうなるんだと頭を抱える五十部くんを、みんなが生温かく見つめています。
「お尋ね者でもない限り、どんな裏があろうと私たちは気にはせんよ。」
「そうそう。どうせ隠しておくだけ無駄だから、先に言ってしまった方がいいよ」
「いやいや、裏なんてありませんから!」
ライラさんと亜久津さんが優しく促してくれましたが、五十部くんは全力で首を振っています。
「なかなか粘るねぇ。そうだな……実は正義の戦隊ヒーローの青とか?」
「変身できません! てか、何で青に限定したんですか」
「では、結婚相手を探しに来た宇宙人か?」
「俺はハーレム漫画のヒロインじゃない」
「肘から先を飛ばせるのデスネ、ティータのように」
「ロケットパンチか。え、ちょっと待った、やらなくていいから!」
拳を固めて向けてきたティータちゃんを五十部くんが急いで制止します。
「五十部さんは一般人ですよ。普通とも言えないですが」
一人まったりと食後のお茶をすすっていた茉莉ちゃん。
「どういうこと?」
「五十部さんは覚えていませんか?わたし、前に一度会っているんですよ。」
ここまで読んでくださった方(いらっしゃるか……?)ありがとうございました!