松樹茉莉は占いがいまいちである
「五十部さん、ちょっとこのページ見てください」
渡された分厚い本のページには、ラベルに書かれていた見たことのないおかしな文字といくつかの挿絵が載っています。
「何の絵?」
「内緒です。はい、これを軽く握ってください」
今度は5つの木片を手渡されました。形はバラバラですが全てビー玉ほどの大きさで、それぞれが赤、青、黄色、白、黒に塗られています。
五十部くんは言われた通りに木片を両手で包むように持っています。安心してください、安全のため角は丸めてありますから、思いっきり握らなければ痛くない安全設計となっております。
え、余計な解説はいらない?ほら、最近なにかとクレーム多いから何にでも注釈ついてるじゃないですか。『後からスタッフが〜』とか『専門家の監修のもと〜』みたいなの、よく見かけますよね。だから天の声が気をきかせて……あ、クレームの問題よりアクセス数の少なさの方が問題なんですか。
「今度はそれをここの中心をめがけてパラパラ〜っと落としてください」
茉莉ちゃんが持ってきた碁盤のような台の上に、五十部くんが5つの木片を転がしました。
「あの〜松樹さん、俺はいま何をして……」
「ちょっと静かにしていてください」
茉莉ちゃんは台に散らばる木片を凝視しています。その真剣な表情から、五十部くんは黙って待つしかないと悟ったようです。
「えーっと、これがあっち向いてて、でもそれがこっち向きになってるから……うん分かった、多分これだ」
「何がこれなの?」
「わたしの占いによると、五十部さんに合った厄除けの素材は木ですね」
「さっきの占いだったんだ。……さっき『多分』って言わなかった?」
茉莉ちゃんがギクッとしています。
「わ、わたしそんなこと言いましたか?」
冷や汗ダラダラで目をそらしたってダメですよ。数行前にバッチリ書いてあります。『当たるも八卦、当たらぬも八卦』とは言うものの、さすがに占った本人が言うのはちょ〜〜〜っとマズいワードです。
「占いはまだ練習中で、その、まだあまり自信がなくて……そ、それよりも今はチャームです。五十部さんは明日お暇ですか?」
強引に話の流れを変えてきましたね。
「まだ予定はないよ。」
「よかった、じゃあ明日付き合ってください。目指すは、お洒落と効果の両立です!」
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
最近ブックマークを付けていただいたり評価していただいたりで、ありがたいことです。




