松樹茉莉は魔女である
「わたし、魔女の誇りにかけて五十部さん専用チャームを完成させてみせます!」
やる気が燃え上がった茉莉ちゃんは、流し込むように夕飯を大急ぎで食べていきます。
「ごちそうさまでした! ティータちゃん、今日も美味しかったよ! 五十部さん、食べ終わっらわたしの部屋に来てください!」
「おそまつさ……もうイマセン」
ドタドタと階段をのぼる茉莉ちゃんの足音が消えると、ようやく夕食の席に落ち着きが帰ってきました。
五十部くんがドアをノックすると、中から「開いてますよ〜。」と返事が返ってきました。茉莉ちゃんのお部屋もお披露目です。
あ、よかった。茉莉ちゃんのお部屋はライラさんのお部屋と違って割と普通です。やはり学生さん、ちゃんと勉強机があります。本棚には教科書や辞書の他に少女漫画も少々。洋服かけからセーラー服の袖がのぞいています。
床に置かれた座布団に座った五十部くんは、本棚の隣にあるもう一つの棚の方をジッと見ています。
「実験でもしているの?」
五十部くんの視線の先の棚には、理科室でしか見ないような器具が並んでいます。フラスコにアルコールランプはまだいいです。大小様々な容器には模様のような文字のラベルが貼ってあって、何が入っているのか想像もできません。
「あ〜これですか。薬を作ったり魔術をしたり、いろいろ使うんですよ」
「そ、そうなんだ〜……」
茉莉ちゃんは百科事典のような本をめくりながら何気なく答えていますが、少し笑顔が固くなった五十部くんの頰には汗が一筋流れています。ようやくクリムゾンの住人たちが『一般人』ではないことを実感してきたようですね。
ここまで読んでくださった方がいるかは分かりませんが、いたらありがとうございます!




