そうだ、チャームにしよう
「お師匠、何も知らない五十部さんをからかって変なこと言っちゃダメですよ!」
「いやぁゴメンゴメン。親御さんからお預かりしている大事な弟子を暴行魔女っ子にするわけにいかないからさ」
「魔女っ子じゃなーい‼︎ あと、暴行でもないですっ!
五十部さんは大丈夫ですか?まだ痛いですか?」
晶さんを叱っている茉莉ちゃんの奥で五十部くんが涙目で後頭部を押さえているので、薬ではなくハリセンを選んだということでしょう。
「もう大丈夫だよ。そもそも、貧乏神って何なの?」
「さっくり言うと、憑かれた本人や周りに不幸を集めちゃうものです。ごく稀に良いことを持ってきてくれたりもするらしいですけどね。」
「ふーん……構ってほしくてイタズラする小学生みたいな?」
「うーん、どうなんでしょう。そんな考え方はしたことないですね。小学生か……」
2人で首を傾げています。イタズラしたいだけの子どもはかわいくないけど、気を引きたくてソワソワしている子どもはかわいいです。いとおかしです。
「ちょっと行ってきます」
突然茉莉ちゃんが席を立つと、2階へ上っていってしまいました。
「このペースだと、週に2度目は松樹さんに叩かれる計算になるけど大丈夫かい?」
「それは……イヤですね。」
大きなため息をついている五十部くんへ、亜久津さんが哀れみの視線を送っています。とその時、晶さんの頭上に電球が現れ……たりはしませんが、どうやら何か思いついたようです。
「五十部くん、松樹くんにチャームを作ってもらおう」
「『魅力』ですか?」
さすが五十部くん、浪人になりかけた元受験生は伊達じゃありません。でも、そっちではないのです。
「チャームとは、①魅力、女性の色香、魔力。②首飾りや腕時計の鎖などに付ける小さな飾り。③素粒子の一種、第4番目のクォークの名称。④まじない、呪文、魔除け。……だそうデス」
「解説ありがとうティータくん。ところで、セリフを増やすために順番変えなかったかい?」
「ティータはそんなこと考えません、アンドロイドですから」
意地悪く笑う晶さんに対し、ティータちゃんはしれっと澄ましています。なぜでしょう、確信犯の香りがします。
「まぁいいか。チャームよりもタリスマンと言った方が分かるかな?」
「あぁ、ドOクエとかにそんな装備があったような……」
残念、タリスマンが出てくるのはエOエフです。
「松樹くんの魔女修行にもな……お、噂をすれば。どこへ行っていたんだい?」
「えーっと、ちょっと小学生に会ってきました」
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。




