ある日のライラさん 〜後編〜
ライラさんの1日後編です。まぁ前回ライラさんに関して分かったことといえば、亜久津さん茉莉ちゃんと同じ時間に起きていないってことぐらいですけどね。
二人が出掛けてから1時間後、クリムゾンではティータちゃんがせっせと開店準備をしていました。床の掃除から始まり、テーブルのセッティングに食材の用意、それから……おっと、またライラさんではない話が長くなるところでした。
ライラさんが現れたのはさらに2時間弱たった頃です。
「おはようティータ。」
いやいや、もう『こんにちは』の時刻ですよ、世間一般では。
「おはようゴザイマス、ライラさん。何か召し上がりマスか?」
「では納豆と白米を。」
そういうとドカッと椅子に座って新聞に手を伸ばしました。相も変わらず上下ジャージ、おまけに自慢の銀髪は寝癖でファイアーボンバー。まさに日曜日のお父さん、べっぴんさんが台無しです。
しばらくしてティータちゃんがライラさんの朝食、もといブランチを運んできました。ご飯と納豆だけではなく、味噌汁とたくあんまでついています。出来る人です、人じゃないけど。
もうすぐお客様が来てしまうから、と急かされながら朝食を済ませたライラさんは2階の自室に戻っていきました。この機会にライラさんのお部屋へ潜入してみたいと思います。いざ、解っ禁!
調度品はベッド、テレビ、本棚、小さなテーブル、だけです。まぁ確かにクリムゾンはアパートではなくシェアハウスですから、部屋はせいぜい六畳程度。お世辞にも広いとは言えない部屋ですから家具はそんなに置けませんが、せめて姿見の鏡くらいはあってほしいです。目を引くのは、大量のアニメグッズと無駄に充実した電子機器類です。
壁にはゲームやアニメのキャラクターたちのポスターとタペストリーがずらり。二十四どころではない瞳に見つめられて、天の声としてはあまり落ち着けないお部屋です。本棚には文庫本……ではなく漫画がぎゅうぎゅうに押し込まれています。テーブルの上には面積の半分以上を占領したパソコン、テレビの前には各社の最新ゲーム機も揃っています。これがいわゆる一つのオタク、でしょうか。
ベッドの縁に腰掛けてフェザーレグルスの手入れをしながら撮り溜めてあったアニメを2本鑑賞。愛剣の手入れってそんな片手間にしていいものなのでしょうか。
それが終わるとゲームです。自称異世界から来た勇者がRPGをやるって……ちょっと待ってください、何時間ぶっ続けでやってるんですか!良い子の皆さんは1時間毎に休憩を挟まないとダメですからね!
やっとコントローラーを置いた時にはすでに夕方です。え、今度は別ハードのスポーツものをやるんですか!ライラさん、今度は野球選手を育て始めちゃいました……ひとぉり……ふたぁり……さぁんにん……よにぃ、あ、四人目は途中でセーブしました。もう夜です。
え、今回はここで終わり⁉︎最初に後編って言っちゃったのに、どうするんですか!
まさかの後編の後があるという(笑)
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます!