愛しくて
どうしても破壊的衝動を抑えきれずに、簡易短編にしてみました。
これ、ジャンル恋愛で本当にいいのでしょうか?
爪と皮膚の隙間、その僅かな隙間の中に針を一本少し差し込む。
「痛ぅ!!」
小さな悲鳴をあげて、彼の身体はビクッと反応し大きく目を見開いた。
「おはよ、隆。どう? 痛かった?」
恐れるような目で私を見る隆は、その場から逃げ出そうと身体を左右に揺らす。
「駄目よ。きちんと縛り付けてあるから逃げられないわ」
そう言ってから、先程の針の場所を確かめると、針の刺さった部分が赤黒く滲んできている。
「ふ〜ん。血って、針を刺した位じゃ飛び出て来ないのね」
脅えて震えている隆を余所に、爪と皮膚の間の針を少し押し込む。
「んがぁああぁぁ!!」
「んがあ? 変な返事。隆ぃ、次、どうしよっか?」
意地悪な笑みを浮かべて隆を見ると、隆は目を最大級に見開き私を凝視していた。
「そっか、目、次は目なんだね?」
首を大きく横に降り「ち、違っ」と声を出した。
「血? そうだよね。血、出たら痛いよね。それじゃあねぇ……」
私はアイスの棒を取り出すと、隆の瞼と眼球の間に差し込んでゆく。
「んが! ぃぎぃやぁぁう!!」
隆の悲鳴を聞きながら、ゆっくり棒を差し込むと、そ〜と手に持った棒を上に持ち上げる。
「ぎゅぃやぁぁぁ!! ごぁ! がぁぁぁ!!」
隆の悲鳴の声が心地良い。
「ほら隆ぃ。血、出なかったよ。でも、なんか目が頭の中と線で結ばれてるけど。ふふ」
「ぎゅあぁぁぁぁ!! ハァ!! ハァ!!」
荒い息遣いと共に、隆の縛られた両手が開いたり握り締めたりを繰り返している。
「次はぁ、どうする? ううん。どうして欲しい? ねぇ、隆ぃ。隆ってばぁ」
「ハァッ! ハァッ! い、嫌……。や、や、やめ、止めて……」
額から汗を流し、青ざめた震える唇から、か細い声を出す。
「あれぇ。隆ぃ、いつもの男らしいあの隆はどこ行ったの? 止めろよ!! って言ってみたら? ふふふ。ねぇ……隆? 次はぁ、どうして欲しいか言ってよ」
「や、止めろ……。や、嫌、やめ、止めて……」
「そんなの隆らしくない!」
針の刺さった指の爪を掛け声と共に剥ぎ取ると、生暖かい液体が飛び散り、針が私の服に突き刺さった。
「ぅぎゅいやぁぁうぁぁ!! ハァッ!! や、やめろ……。いぎゃぁぁ……! ぅおぇぇぇ!! い、嫌だ……嫌だぁ!!」
額から流れる汗が隆の頭の穴に流れ込んでいく。
「隆、もっと楽しもうね。まだ、私達の物語は始まったばかりなのよ」
「なあ、茜。今日さ、お前ん家、両親留守なんだろ?」
「え!? そうだけど、どうして知ってるの?」
キョトンとしている私に、隆は胸を張って、「それは、茜の事だからさ」と言っている。
「だからよ、今日の晩、茜ん家行っていい?」
私の顔を覗き込むようにして聞いてくる。
「うん。いいよ」
『だって、今日から隆と私の家だもの。ふふふ。もう両親は……』
ガッツポーズの隆を尻目に、私は笑みを噛み締めていた。
「さあ、次はねぇ……。歯の形見てみよっか? ねぇ隆ぃ。隆ってば。また、寝ちゃったの?」
でも、何度読み返しても納得がいかない。何かがもの足りない気がするのです。
もし、分かる方がいればご指摘下さい。




