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第5話 孤高のイケメンとひとつ屋根の下

孤高のイケメン 佐藤陽光との小テストの点数勝負..


部屋の掃除をかけた戦いやいかに!?!?

「上月さん 服ここに畳んで置いときますね」


「おう! ありがとな

私はここのペットボトルまとめとくわー」


ほぼゴミ屋敷状態だった私 上月さわの部屋ももう半分は片付いただろうか。

1人では絶対に不可能なスピードで掃除が進む。

それは、学校一のイケメンにして、コミュ症を患う青年 佐藤陽光ひかるくんが、私の部屋を掃除してくれているからだ。


さっきまでさわの部屋を誰が掃除するか、決める小テスト対決があった。

陽光くんの点数が96点

それに対して、私の点数は100点。


まさしく完勝といったところだろう。

夜更けをして勉強した甲斐があったというものだ。


こうして、陽光くんに部屋を掃除してもらうこととなった。

しかし、よく考えると彼だけに掃除してもらうのは忍びない。

その結果、2人で協力し部屋を綺麗にしている。




「そう言えば、今更ですけど一人暮らしなんですか?」


「そーやで

両親が今ボリビアってとこ行っててな」


「ボリビアですか!?!?」


「そう ボリビアや」




「ボリビアって



どこですか....?」


「おい!」


適当な会話を弾ませながら、掃除に励む2人。

そんな会話の中で、陽光の輪郭や人物像がより明確になっていく。


「そう言えば、僕も1人暮らしなんですよ」


「そーなんや

なんで一人暮らししてるん?」


「んーーー  


秘密です」


「なんやそれー笑」


「もう少し上月さんと仲良くなったら話します」


「なるほどな  ってことは...




佐藤くんは私と仲良くなりたいん??」





「え...」





「いやさっきの話

私達がこれから仲良くなる前提だなっておもったから」




窓からの涼しい風が、2人の間に吹きつける。

そこには、沈黙の時間が流れていた。


陽光が口を開く。



「あ....



すみません.. 調子乗りました

気分害しましたよね..」


陽光は斜め下を見ながら、呟くようにして話す。




「なわけないやん」


さわは、自虐に走る陽光を不思議そうな目でまっすぐ見ながらそう言い放つ。



そんな言葉に陽光は、パッと視線を上げる。


瞬時に目が合う2人。


陽光は、一心に見つめてくる瞳についまた視線を逸らす。

そして、照れた表情を浮かべる。



「そ.. そんなわけないってどういうことですか」



「んー 私も佐藤くんと仲良くなりたいってこと!

仲良くなりたい同士やったんやなー」


恥ずかしげもなくそう言い放つさわ。


それを聞いた陽光は、苦い表情を浮かべている様に見える。

さわは、なぜそんな表情をしているのかわからず不思議そうに見つめてみる。



目を澄ましてみると、彼の頬が若干赤みかがってるように見えた。


「なあ あんた私と仲良くなりたいんよな?」


陽光は恥ずかしそうにしながら うん と頷く。


「やったら 敬語やめてよ!

私だけタメ口なのに

なんか距離感じるからー」



陽光は、そう言われ少し考える。

 

「無理です

もう少し仲良くならないと」


「えーいいやん そんくらい」


「無理なものは無理です

これはそういう法律なので」


そう言った陽光の顔は若干ニヤけている様に感じられた。


「そっかー  わかった!

じゃあ、敬語外してもらえるよう努力するわー」


さわはそう言いながら満面の笑みを陽光に向ける。


「さっ! 掃除するぞー」


そう言ってせっせとゴミ袋にペットボトルを詰め始めた。


陽光がどのような表情をしていたのか見ることなく。










 

「これ重いなー」


一杯になった燃えるゴミ袋を両手で抱えて、ゴミ捨て場を目指すさわ。


マンションのゴミ捨て場は、一階のエントランス近くにある。


「上月さん そのゴミ袋でラストですよね?

持ちますよ僕」


ゴミ捨てを先に終えた陽光がそう言って近づいてきた。

掃除をした後なのに、彼からはフローラルのいい匂いが風に運ばれて漂ってくる。


「ええよ 最後のやつやし私が運ぶわ!」


2人はゴミ捨て場まで並んで歩く。




「おいしょっと」


無事最後のゴミを入れ終えた。



さっきまで重い荷物を持っていた分一気に体が軽くなった感覚に襲われる。

まるで、身体が宙に浮いているようだ。

頭がフラフラする。  って あれ.. やばい..

急にクラっと目の焦点が合わなくなる。

ひどい立ちくらみに立っていられない。


咄嗟に目の前の手すりを両手で掴み、息を整えようとする。


「ごめん」


そう話しかけると、前を歩いていた陽光は振り向きさわの様子に気づいた。


「どうしました!?」


急いでさわの方に駆け寄る。


「ごめん ちょっと頭がくらっとして

すぐ治るやろうから、先戻っておい...」





「ってって...

あれ.. ここ どこ..?」


目を開くと、そこは見慣れた天井。

どうやらさわの部屋の中 ベットの上に自分はいる。そう気づいた。



「気がつきました!?」


隣に体育座りしていたイケメンが、私の方に駆け寄り、心配そうな表情で私の顔を覗き込んできた。


「あれ 私ゴミ捨て場で...」


意識が戻り頭が回ってくる。

ゴミ捨てが終わった後、倒れてしまったことを思い出した。


最近ろくに寝らず、夜鍋して勉強していたためだろうか。

頭の痛みが続いていて、吐き気がする。

全くいつもの調子に戻らない。


「大丈夫ですか??」


「うん、、

って あれ 私 どうやってここに?

まさか ここまで運んでくれたん?」


ベットの隣の椅子に座っている陽光が、静かに頷く。


「ごめんな 迷惑かけて

ほんと、こんな事で倒れるなんて

私はもっと頑張らんといかんのに」


体調の悪さを陽光くんに悟られぬ様必死に表情を作り、笑顔でそういいきるさわ。


「上月さんは、十分頑張ってますよ」


陽光は静かにそう呟いた。

そんな陽光の方にさわは視線を向ける。


「十分頑張ってる? あんた 私の生活とか知らんやろ」


不甲斐ない自分と体調の悪さで、ムカムカしていたさわは、無意識に痛烈な一言を言ってしまう。

ついだんまりしてしまう陽光。


さわも慌てて自分が酷いことを言ってしまったことに気づく。


「あっごめんごめん 全然そういう意味じゃな..」


「知ってます!」


いつもより少し大きい声で陽光がそう話し始めた。

表情は何か覚悟を決めたような顔だ。


「知ってます...


ぼ...僕も隣で一人暮らしをしています。

家事なんかも自分でやらないといけないのでとても大変です。

学校から帰ってきて洗濯や掃除、ご飯の準備を終えてやっと一息。

そんなときに、隣からドアの開く音が聞こえるんです。

ああ 上月さんはこの時間にいつもバイトから帰ってきてるんだって

こんな大変な家事をこの時間から始めているんだって

いつも思うんです。


部屋の掃除も手が回らなくて出来てないんですよね,

カップラーメンのゴミ沢山あって、食事もまともに取れてないんじゃないですか

とにかく心配です。 めっちゃ心配です。」


陽光の思っていることを全てぶちまけられたさわ。


『こいつ......




めっちゃ私のこと見てるやん..』


さわは、心の中でそう叫ぶ。

学校一のイケメンにここまで関心を持たれていたら、流石に照れてしまう。


「し.... 心配してくれてありがとう....」


「確かに、良くない生活送っているなとは思ってる。

でもこういうもんは気合いや


どんなに忙しくてもどんなに大変でも

やらないとダメやんや」


さわは、そう自分に言い聞かせるように呟く


「今日は色々迷惑かけてごめんな

私はもう大丈夫やから、また明日学校でな」


「帰りません」







「え..」


「佐藤くんも色々今日やることあるやろ ほら勉強とか もうすぐテストやし

私は全然大丈夫やから気にせずかえ..」


「上月さん

僕は、今の上月さんみたいに体調も悪くて不安な時に、1人なのはとても嫌です。


本当に帰って欲しいなら、帰ります。

帰っていいですか?」


陽光くんは、真剣で真っ直ぐな眼でこちらを一心に見つめていた。








「か.. 帰らないで....」

身体も心も限界のさわに対し初めて見せた陽光の一面。

その真意とは!?!?


次回は、来週木曜日22時00分更新予定!!

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