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第3話 孤高のイケメンと放課後2人きり。

「あなただけに話しかけます」

そう陽光に宣言されたさわ


唯一私だけに話しかけてくるイケメンに対して、さわは....??


最近 陽光ひかるは、2人きりのときだけよく話しかけてくるようになった。


周りに人がいる状況で話しかけるには、さすがにまだ度胸が足りないようだ。

そんな陽光の肝の小ささに、さわは助けられている。

学校一のイケメンで誰からの告白も受けない佐藤陽光。そんな彼を一番に落とすのは誰なのか。

学校中の誰もが関心を寄せている。

そのような渦中の陽光が、唯一話しかける女子。上月さわ。


そんな、目立ち方は全くもって勘弁だ。


「今日の数学の授業 めっちゃ難しかったですよね

次のテストが怖くてたまらないです、、」


「次のテスト1ヶ月後やで

恐怖が早すぎるって」


さわは、あまりにも早く次のテストを恐れている陽光に笑いながらそうツッコむ。

ツッコミを入れられた陽光も満更ではないようだ。


放課後幸せな時間が流れる。


陽光くんが話しかけてきたということは、もちろん二人きり。


今日は二人が日直当番であったため、仕事である日誌の記録と黒板周りの掃除を行っていた。


いきなりさわが、ハッと何かに気づく。


「そーいえば私 今日バイトなんや!

悪いけど、急ぎ目で日直の仕事してくれへんか??」


「任せて下さい!」

間髪入れずそう言った陽光。顔は嬉しそうに微笑んでいた。

きっと頼ってもらえたことが嬉しかったのであろう。


「まじ神やわーーー

丁度 日誌書けたしこれ職員室に提出してくるな」


「オッケーです

それまでに掃除終わらせときますね」


「まじ助かるわー

よろしくな!」


「はい 任せてください

余裕です」


さわが日誌を手に教室を駆け出るその一瞬 陽光と目が合う。

いつも基本的に下を向いて生きている陽光だが、私だけには最近目を見て話してくれる。


さわは、陽光に対して誰にも抱いたことのない特別な感情を持ち始めている。

それは、私だけに見せる特別な行動によるものが主な原因だ。ただ、それだけではない。

陽光の優しく温かい心と行動。そのような陽光の芯にあるぬくもりが、溢れ出してさわの胸をも満たしていく。そんな陽光の内面にも魅力を感じ始めていた。


教室を出る直前に見えた陽光の顔は、天使のように微笑んでいる。

いつもの教室では見せない陽光の表情に、更に心拍数を上昇させつつ日誌を届けるため廊下を進む。






『今16時30分だから、家に帰ってちょっと晩御飯の下ごしらえしてからバイト行ったら丁度いいかなー』

日誌を職員室に届ける任務を終えたさわは、教室に戻る道中すぐ後のスケジュールについて考えを巡らせていた。


ガラガラガラ


「日誌届けてきたでー

そっちは調子どーよ」


そう話しかけながらドアを開け教室に入るさわ。


そこには、暗く絶望した顔の陽光くんがいた。


陽光がそんな表情をしているのはいつものことかと一瞬思ったが、なんとなくいつもよりも暗い気がする。


さわがふと、視線を下にやる。そこには倒れた黒板消しクリーナとその周りにチョークの粉が広く撒き散らされていた。


「す... すいません

急いで黒板消しクリーナーしてたら、バランス崩して倒れちゃって



片付けは僕がやっておくので、さわさんは先に..」


「はよ片付けんでー!


私 ホウキ持ってくるわ」


陽光の言葉を遮ってさわは掃除箱にホウキを撮りに行く。


「上月さんは バイトあるんですよね

僕が片付けとくんで、先バイト行ってください」


その言葉を受けてさわは放課後バイトがあることを思い出す。


「あっそーやった!





バイト先に遅れる連絡いれとかな」


さわは、スマホを取り出してメッセージを打ち込み始める。


「そんな.... 申し訳ないです...

これは、僕がミスったことなんで人で片付けるから大丈夫です

上月さんはバイトに行ってください」


「今日の日直当番はあんたと私やろ

私だけ先帰るなんてダメに決まってるやん


それに、バイトやからって急かした私の方こそ悪かったわ

ほんまごめんな」


「本当ごめんなさい

僕のせいで、こんなことなっちゃって」


何度も絶望した顔で謝り続ける陽光


「やから、あんたのせいちゃうって


それに私は逆に嬉しかったわ

私の頼みきいてくれて、急いで掃除してくれたみたいで


その気持ちが最高に嬉しいんや


ほらホウキ持って さっさと片付けるよ」


さわは、手に持ったホウキを陽光の胸に押し当てる。

陽光もゆっくりとそのホウキを手に持つ。


「はい.. 僕こっちの方綺麗にします」


観念した陽光はそう言って掃除を始めた。

表情は、嬉しさと悲しさが入り混じった絶妙な様子だった。










「ハァーハァーハァー


上月さん待って、、

ハァー」


「ほんと体力ないなぁー

ほれあと一息やで」


「バイトも遅れて行くんだから、走って帰る必要ないでしょ?」


「せやで

でも、トコトコ歩いて帰っても時間の無駄やん」


まき散ったチョークの粉を掃除し終えた2人。

同じマンションに住んでいる2人は、一緒に帰ることになったのだが、、


「だから、待ってって」


バテバテの陽光はそう言ってさわの袖口を掴む。


「キャッ

おいおい急になんやねん」


さわはそう言って後ろにいる陽光の方へ振り向く。


はぁーはぁーはぁー


陽光は膝に手をつきながら、乱れた息を整えている。


「もう..... 限界です.....

これ以上は.... 走れない.....」


そう言いながら、手のひらをうちわのように動かして仰ぐ。


「あっつー」


強い日差しが照りつける今日は、ここ1週間で一番気温が高い。


陽光は、暑すぎる身体を少しでも冷ますため、ワイシャツの第二ボタンを外した。




シャツがめくれ隠されていた鎖骨が露わになる。

純白で陶器のような肌。そこにくっきりと浮き出た鎖骨。思わずさわの目は奪われる。


その下をよく見ると、大量の汗の影響で白いワイシャツが胸に張り付いている。

ビシッと張り付いたワイシャツは陽光の肌の色にそまり、ワイシャツ越しに白みがかった肌色の肌が浮き出て見えた。

その光景は、なぜか直接素肌を見るよりもより妖麗に感じられた。


さわの頬が紅に染まる。つい反射的に顔を逸らす。しかし、目だけは陽光の肌を追ってしまう。


と、急にさわは陽光の方に近づいてくる。



すると、陽光のバックを手に取って担ぐ。


「ほら、バック持つから、はよ歩いて帰るぞ」


2個のカバンを持った女子高校生と手ぶらの男子高校生が2人横並びで歩き出す。


さわは、先程の出来事で照れていることを悟られぬように、なんとか落ち着こうとする。


帰り道。他愛のない世間話を2人は繰り広げる。でも不思議と退屈ではない。

その間、さわは陽光の方を一度も見なかった。見れなかったからだ。






「なんやあいつ エロすぎやろ、、」


無事なんとかさわは、隣にいた怪物にこれ以上照れることなく帰り着いた。


バイトは1時間遅れで行くことになっているため、まだあと40分ほど余裕がある。


「まあ、晩飯の下ごしらえでもするかー」


夜ご飯はチンジャオロースにする予定のようだ。

冷蔵庫から、特売の時に買っておいたピーマンとタケノコを取り出して洗い始める。

まな板と包丁を用意し、細切りにしようとした瞬間


ピーンポーン


インターホンがなる。


「なんや、今から料理始めるところやったのに

タイミング悪ー」


さわはそう愚痴りながらも、応答機のモニターへと向かう。


「誰やれんこんな忙しい時に」


そう呟きながらモニターを覗きにこむ。




「しゃ シャワー貸して欲しいかもです。」




インターホンのカメラには、汗だくの陽光くんが映っていた。

ついに陽光がさわの部屋に!?!?

一つ壁の向こうで、シャワーを浴びるイケメン。

何かが起こる予感...?

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