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第11話 孤高のイケメンと告白(?)の結果

孤高のイケメン 実は中身はコミュ症なだけ...!?

学校一のイケメン 佐藤 陽光ひかるくんと


その事実を唯一知る超ポジティブで超合理的な女子高生 上月こうつきさわ。

2人の関係は、今後波乱の展開を迎える!

「付き合ったらいいんじゃないですか?」






そう問いかけるのは、隣に座る佐藤 陽光ひかるくん






「え....冗談?」



慌てて聞き返す上月こうつきさわ。






「本気です

だって僕、上月さんのこと...もう好きなんで」






このやり取りを告白と呼ぶなら、私は告白されたらしい。




『え...まじ...』

私は、正直言って戸惑っている。




ひかると付き合うこと 恋人になることなんて全く考えていなかった。





どちらも話さない静かな時間が流れる。



少し気まずい。





「んーと

ひかると付き合いたくないとかじゃ無いんやけど





このままの関係じゃダメなん?





毎日一緒に顔見合わせて、話したりする関係」





目を見て話すため、ひかるの方を見るとその顔は真っ赤になっていた。





私からの問いかけに、とても恥ずかしそうにしている陽光くん。


斜め下を見つめつつ、指を床につけ円を描くように回しながら話し始めた。






「ダメなんです...」






「なんで?」






「こ....こう..つきさんと....もっと







手繋いだり ハグしたり もっと恋人みたいなことしたいです...」






『..!?』



陽光からの正直すぎる告白に衝撃を受けるさわ。



「じょっ...冗談やめてよ!」





さわは慌てて否定する様に手を振りつつ、頬を赤くしながらそう返す。


「冗談じゃないです」



陽光は恥ずかしがりながらもどこか甘くどこか色っぽい表情で、ゆっくりとそう話す。



「私なんかが...そんなわけないでしょ笑」


さわは自虐的に笑いながらそう言う。


「本当です 本気です」


「いやいや そんなわけー笑」


何とか否定しようとヘラヘラと話すさわ。



バシ!







急に陽光はさわの腕を掴んだ。






「だから、本気ですって!」






陽光は真剣な眼差しで、さわを見る。




その強い思いに少し怯むさわ。

ある程度の時間一緒に生活していたが、こんな陽光くんは初めて見た。






しかし、掴んだ手の力とその眼差しは段々弱くなる。



「大体 僕がどんな気持ちで告白したかも知らないくせに...」



陽光はボソッとそう語り、俯いた表情を見せる。







「すみません... 急にこんなこと言って..

…..帰ります..」



陽光くんはそう言って荷物を手に取り、さわの部屋を後にした。


その間 さわは衝撃と動揺で全く動くことができなかった。











 

気付いた時には数分経っていた。



段々と頭が働いてくる。





思い返すと最低だった。





私は、これまで恋というものに全く縁がない人生だった。



これまでも今も男の人を強烈に好きになったことはなかった。

そもそも家のことだったり勉強だったりと忙しかったから、私から告白することは無かったし特に誰かからも告白されることは無かった。




自分の気持ちがわからない。




陽光くんのことが、好きかどうかがわからない。



陽光くんから「付き合ったらいいんじゃないですか?」と言われた時...

真っ先に断ることも出来たはずだ。




だけど、断らなかった。



断ると何か大事なものが無くなってしまう気がしたからだ。




陽光くんは、勇気を出して自分の気持ちを正直に話してくれた。


彼は、話すことが得意じゃないし、自分の気持ちを隠さず話すことはもっと苦手なはずだ。

それなのに、勇気を振り絞って話してくれたのだ。




そんな陽光くんの告白を私は茶化し無下にしてしまった。




男の子に告白されたのは初めてだったし、ましてや相手は学校一の孤高のイケメン。


そんな事実に動揺してしまって...


最低だった。





覚悟を決めて本当の気持ちを話したのにその相手は真面目に向き合ってくれない。

この行動がどれだけ陽光を傷つけたか。



さわの心にはずっと後悔の念がこびりついていた。


もはや自分がどうやってベッドまで向かい寝たのか記憶が無いほどだった。









翌朝




陽光は、学校に行くため玄関で靴を履いている。


家の扉を開ける。




こんな日でも外は明るい。









目の前には、さわが立っていた。


陽光が学校に行くため外に出てくるタイミングを待っていたのだ。








「おはよ」


さわは、陽光に近づきつつそう挨拶した。


「おは...ようご...ざいます」



陽光もぎこちない挨拶を返す。







「昨日はごめん!本当ごめん!まじでごめん!」





目の前にいるさわは、勢いよく頭を下げた。

陽光くんがどう思っているかわからない。

しかし、私は頭を下げるしかない。



「ひかるは、意を決して私に色々想いを伝えてくれたのに....

茶化すようなマネして...本当にごめんなさい...」


さわは、ひたすら頭を下げ続ける。

陽光くんが私のことをどう思っているか、少し怖い。



でも、ただ私は謝るしかない。







すると陽光が恐る恐る口を開く。




「そのことなんですけど....」





陽光くんが話し始めたため、一旦頭を上げるさわ。

さわの表情は、とても申し訳なさそうな様子だった。








「僕の方こそ ごめんなさい」


陽光も先程のさわと同じように深々と頭を下げる。






「勝手に言いたいことばっかり言って...


しかも急に、す...好きとか言っちゃって..

一緒に生活してる人が...そんな....下心あったなんて.嫌だし気持ち悪いですよね...




本当にすみません...


上月さんが...嫌なら..僕..ちゃんと...引っ越しするので...」



頭を下げ続ける陽光。

その姿からは、悲壮感が漂っていた。






「いや 待て待て待て

嫌じゃないし 


ひかるは何も悪くないよ..」


さわは優しい口調でそう話す。




「え...」


陽光は顔を上げて少し驚いた表情をしている。



「だって、正直に自分の思っていること話してくれたやん

私は、本音で話してくれる方が断然嬉しい派やし


それをちゃんと受け止め切れんかった私がダメやった」


「で...でも 僕が凄く困るようなことを言っちゃって...




一緒に生活してる人がそんな下心もってたなんて 絶対嫌かなって...

そんな人が隣にいるの...不快じゃないかな...って」


陽光は戸惑いながらそう話す。




確かに、善意で一緒に生活してる人が実は恋心を隠していた。

これは、下心を隠して近づいた卑怯な人にもみえる。


しかし、さわにはこれまで一緒に居た時間から、陽光がそのような卑怯な人間ではないと確信していた。


「だから  全然まったく嫌じゃないって

これまで、一緒に居て最高に嬉しかったし楽しかったよ


それは、これからも変わらないと思う!



大体ひかるは私を傷つけるようなこと しないでしょ」


さわは、自信満々に微笑みながらそう語りかけた。



その言葉に陽光は心底ホッとしたような表情を見せる。





その後、陽光は真横に視線をそらしながらムズムズした表情をしだした。







「じ....じゃあ

昨日の返事はオッケーってことですか?」






陽光は恥ずかしそうにそう聞いてきた。





「ん? どういうこと?」


さわは、陽光の遠巻きな言葉が理解出来ずキョトンとした表情。









「僕が...上月さんの...彼氏になっていいってことですか??」




今度は陽光の言葉をしっかりと受け止めているようだ。

さわは、陽光の改めての告白に対し昨日とは違う真剣な表情を見せる。














「それはダメや


それとこれとは話が違う」


さわは、真面目に答えた。








正面に居る陽光は一瞬で落胆の表情を見せる。




目をつぶりこめかみに手を置き、自分の気持ちを落ち着かせている様子だ。









「な....なんで  理由を聞いてもいいですか?」






昨日 気持ちを整理したんやけどな...


私は、自分の目標がある。

そのためには、恋愛に時間を取られるわけにはいかない。

そう思って恋愛から逃げてきた結果



恋という気持ちがわからんくなったんよーー



確かにひかるとは、一緒に居たい



だけど、それは友達と一緒に居たい気持ちと何が違うんかなって」



「な...なるほど」


陽光は、さわの理由に理解はできたが納得はできていない様子だ。


「だからさ!


もし...良かったらなんやけど








私に恋を自覚させてよ!」



さわは、少し照れた表情で穏やかにもはつらつにそう言い放った。




「え」

 




さわの提案に陽光はまだ気持ちが追いついていない様子だ。







「だから ひかるが私に恋を教えて欲しい」



陽光はさわの言葉をやっと理解した様子だ。




すると、真剣な表情で真っ直ぐにさわの方をみる。






「それって 手つないだりとかもしていいってことですか??」


本気の眼差しで聞いてくる陽光。






「え.....う...うん」


陽光の照れくさい質問に戸惑いながらも答える。






「ハグしていいですか??」


「え..今!?」


「...はい」


「え...急過ぎん!?!?」


「ごめんなさい






我慢できないです...」




陽光は勢いよくさわに抱きついた。


両手を背中回し力強く抱きしめている。








「えっちょっと...」


さわは小声でそう呟いたが、観念したのか両手で陽光の背中を包む。



陽光くんの体の重みが私にも少しのしかかる。

私の腕には確かに陽光くんのあばらの感触が伝わる。

鼻腔には、いつものフローラルな香りがより強く漂ってくる。



陽光くんの体温が一気に私の身体を包む。

なぜだろう、身体だけでなく心もぽかぽかする。




「よ...良かったです...」


陽光は少し涙声になりながら、語りかけてきた。


「ど...どうしたん」


「だって、最悪もう上月さんと会えなくなると思ったから」


「もー考えすぎ...」


「だってつい好きって言っちゃって...

もし上月さんが下心を持った人と一緒に暮らすのが嫌だったら...

終わりじゃないですか...」


「私がひかるのこと嫌いになる訳ないじゃん..」



「それに... 上月さん... 僕のこと好きなのかどうなのか分かりづらい話ばっかするし...」



「それはごめん笑」


安心感に包まれた2人は、ずっと抱き合っていた。

そうしておくのが、とても居心地が良かったのだろう。




気づくと数分経っていた。




さわは一向に離れようとしない少し大きな男の子の肩から頑張って自分の腕時計を見ようとする。


「って おい! 時間!


学校遅れる!」


「いいじゃないですか...

ずっとこのまましておきましょ...」




「おい!ダメやって!

私の皆勤賞がーー」



そう言うと陽光は少し悔しそうな表情をしながら何とか離れた。


脇に置いておいた荷物を持ち、2人は和気あいあいとしながら学校へ走り始める。


「ひかるー 抱きつきすぎや」


「いや 上月さんが離さなかったんでしょ」


「いや ひかるやろ 大体いきなり抱きついてきて」


「で...でも 上月さんも抵抗しなかったじゃないですか...

むしろ嬉しそうだった...」


2人はそんな会話でお互いに照れ合いながら、話している。


「て...ていうか 上月さん...待って..」


陽光は、さわの走るペースに追いつくことができない。


「おい 止まってたら間に合わんで

相変わらず体力無いなー」


「違うんです

昨日夜 心配とか色々考えて寝られなくて...

ちょ...きつい



上月さんは寝られたんですか..」


「私も心配だったしずっと色々考えてたけど、しっかり寝たよ


ちゃんと寝ないと次の行動に移せんやん」



「う...相変わらず...メンタル..強い...」



「てか..ひかる... いい加減 上月さん呼びと敬語やめてよ


そんなんじゃときめかんで」


「え...」


「ほらほら


名前も呼べんとか、付き合うなんてだいぶ先の話やなーー」



陽光を軽くからかうさわ。


陽光は少しすねたような表情をしている。



「お...おい  はし....るぞ..」


少しぎこちないため口で話し始める陽光。


しかし、覚悟を決めたようだ。


「が...学校 カチコムから..遅れるなよ! 上月.... いや...さわ.......




…..さん」


陽光はそう言って、さわの手を握り颯爽と走り始めた。


「タメ語になれてなさ過ぎて、ヤンキー口調になっとるやん笑」


さわもそう言って笑いながら走る陽光についていった。


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