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第109話 ファイナルライブ後編

 カップリング曲の番になり、一番槍としてほむらと橙子、そしてゆかりが浴衣衣装でねじりハチマキをキリッと絞め、大きなうちわを持って行く。


 ファンのみんなは赤とオレンジ、紫の3色の景色を映し出す。


 3人の息の合った和太鼓で始まり、そこから和ロックの曲を歌う。


 ほむらのハードロック、ゆかりの和の要素、そして橙子のダンスミュージックが上手くマッチし、運動神経が自慢のためにバック宙を決めて会場を盛り上げる。


「みんな! 熱くなってるかー!」


「うむ、いい調子だ! 私たちもアクロバットな振り付けにした甲斐があったぞ!」


「ボクたちは特攻隊として、いっぱい盛り上げるからみんなも盛り上がってね!」


 おまけのトークとして橙子対ほむら、ゆかりペアでラップバトルも行われ、橙子の圧倒的スキルで二人は推されてしまう。


 バンドDJを務めるDJ Atsushi(ディージェーアツシ)は即興スクラッチで遊んだりと自由奔放だったが、橙子はそれに合わせて即興ラップを重ねる。


 ほむら専属のロックバンドメンバーで、リズムギターのTAKERU☆、リードギターの唐沢俊生(からさわとしお)、ベースの寺島淳也(てらしまじゅんや)、ドラムのドン古川(こがわ)もジャムセッションで激しいパフォーマンスをする。


 そして尺八と篠笛を吹く市川五右衛門太(いちかわごえもんた)、三味線を弾くロイド・アンダーソン、琴を演奏する花村栄子(はなむらさかえこ)は何故か笑顔で見守っているなど、祭-MATSURI-はライブになるとカッコいいのに、トークになるとお茶目な一面を見せた。


 最後の曲を終えて海美とみどりのELF(エルフ)の出番になる。


 ELFのバンドにはピアニストの田村美穂(たむらみほ)、オーケストラを務める滝川交響楽団、フォークギタリストのライク荒木による癒しの曲になっている。


 滝川交響楽団は生音派である純子が集め、デビューライブからずっと支えてくれている。


 海美の美しくて可愛く、そして聴いているとどこか切ない雰囲気のある歌声と、みどりの優しくて癒される綺麗な歌声で会場を緑色と青色に染めていく。


「皆さま、わたくしたちで癒されてくださってありがとうございます♪」


「バラードとフォークソングの組み合わせで少しだけ眠くなっちゃったかしら? そんなみんなのために、少しだけアップテンポの曲を用意したわ」


「ブラスバンドの皆さんも一緒になって盛り上げてくださりますよ♪」


「聴いてください」


 純子の得意なジャンルであるジャズ、とくにポップスにも使われるビッグバンド形式でキレのあるダンスを見せる。


 とくにアルトサックスのソロとトランペットの超高音ビブラートでファンを驚かせた。


 最後はバンドのみんなも登場してバンド系のポップスで締めくくる。


 そしてさくらと千秋のSMILE LOVE(スマイルラブ)による王道アイドルソングで、電子音を取り入れたポップスになる。


 シンセサイザーの効いたキーボードを演奏するのは仲本ヤスアキで、カバーしきれない音源はDJ Atsushiがカバーする。


「みんなー! 私たちが最後のカップリング曲だよー!」


「最っ高の笑顔が見れて、私たちも笑顔になっちゃったよ!」


「それじゃあ最後のカップリング曲を歌うね!」


「いっくよー! せーのっ!」


 さくらたちの最後を締めるのは少しだけ古くも懐かしいジャンルの曲で攻め、さくらの母親世代のファンの心を掴みとる。


 カップリング曲を終えるとすぐに早着替えをし、いつものグループ曲の準備をする。


「急いで! 他のみんなはもう着替え終わってるから!」


「急いでも焦らないでね! 衣装が破れたら終わりだから!」


「アイドル名物早着替えは大変だな」


「ええ。さくらちゃんは慣れているけれど、千秋ちゃんは少しだけ焦ってるみたいね」


「仕方ねぇさ、さくらはアイドル二世だからこういうのに慣れているんだろ」


「待たせてごめんね! それじゃあ行こうか!」


「「「うん!」」」


 早着替えを終えてすぐステージに上がり、季節に合わせた人気曲を歌い続け、バレンタインや雪の中の旅、桜を連想する恋愛、運動会の応援歌、夏の日差しが眩しい海の歌、夏祭りが浮かぶ打ち上げ花火の歌、紅葉が美しい秋の歌、ハロウィンをテーマにした妖怪のパレード、クリスマスを過ごす子どもたちの歌などを歌い、さらにたくさんのラブソングや応援歌、他にもアニメやドラマの主題歌にもなった曲を歌い続ける。


 そして最後の曲は、今発売されている中での新曲の後にソロ曲のメドレーで締めくくった。


「みんなー! 最後までありがとう! アルコバレーノ伝説はここで終演します! ありがとうございましたー!」


「「「いえーーーーーーーい!」」」


「お疲れ様でした!」


「お疲れ様でした!」


「はぁ……。もう終わりなんだね……」


「やっぱり最後となると寂しくなるね……」


「そうですね……。ファンの皆様ともう少し一緒にいたかったです……」


「だよな……やっぱりそうなるよな……」


「「「「「アンコール! アンコール! アンコール!――」」」」」


「だがそう簡単には終わらせるつもりはない様だな」


「もちろん、その為に社長にすら知らせてない新曲を発表ね」


「それじゃあみんな! アンコールに応えよう! 本当のグランドフィナーレを……ここでファンのみんなに『ありがとう』を伝えよう!」


「アルコバレーノさん! そろそろ行きましょう!」


「はい! それじゃあ……行こう! みんな!」


「「「うん!」」」


 アンコールに応えるアルコバレーノは、いつもの様に舞台へ走ってファンに顔向けをする。


 衣装もまた新しいデザインになり、白いドレス風のアイドル衣装になり、まるで翼の生えた天使をイメージさせる。


 小鳥の小さな羽が大きな白鳥になり、大きな翼で大空へはばたく物語を連想させ、最後のトークに入る。


 つづく!

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