星屑調査隊
ある調査隊がいた。ある星の調査を行う予定だった。その調査隊は、新規の調査隊であった。何度も星の調査を経験している隊長に、未経験者のみの隊員で、構成されていた。星に降り立った一隊は、調査を始めず、ただ歩き始めた。拠点となる筈のロケットが見えなくなるまで、歩き続けた。一隊はあてもなく歩き続けていた。調査など碌に行える筈もない装備だけを持ち、歩いていた。文句など、誰も言わなかった。唯一の経験者である隊長の後ろを、小鴨のように歩いていた。しかしそれは当然のことだった。そのロケットには初めから、碌な装備がなかった。食料も、帰りの燃料もなかった。その一隊は、初めから死ぬためだけに組まれた、調査隊だったのだ。
1.歩行
2023/07/15 02:05