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第32話 再会の約束

何とか、更新しました。

バイクの話にならないな~


う~ん、内容が内容だから,削除されるのかな~

 三隈は夏美に、6月に開催される東京おもちゃショーのライブイベントを、一緒に見に行かないかと誘われた。


 夏美によると、今年の東京おもちゃショーのライブイベントは、【Happy2(ハッピーハッピー)】と【(ほし)のわくせい】の二組が出演する。


 夏美はなぜ、今年の東京おもちゃショーのライブイベントが、ガチのバトルステージになると言ったのか?


 それは、二つのおもちゃ会社による世界の覇権を賭けた、熾烈(しれつ)な戦いが背景にあった。


 元々、日本国内におけるおもちゃ会社のシェアは、男児向け玩具はキャラクター商品が番台、自動車や電車などの模型が宝富一(たからとみいち)と棲み分けができていた。

 【ガ○プラ】シリーズは番台の看板商品だ。

 【プラレ○ル】は、根強い人気がある宝富一の定番商品だ。

 女児向け玩具は、「()カちゃん人魚うシリーズ」を持っている宝富一が圧倒的に有利だった。

 しかし、2000年代、番台がシェア奪取を目指して制作した女児向けアニメ「ふ○りは♡ラブピュア」がメガヒットとなり、変身アイテムなどの関連商品が記録的な売上を上げた。その後も「ラブピュアシリーズ」を展開する事で、女児向け玩具のシェアを宝富一から奪う事に成功した。


 これに対し、宝富一もミカちゃんシリーズのテコ入れやそれ以外の対抗手段を講じたが、ラブピュアシリーズによって奪われたシェア奪回には至らなかった。


 業を煮やした宝富一は、番台と対決できるコンテンツを制作する事を決定した。


 設定は、普通の女の子が不思議な何かに力を授けられて変身して悪い奴らをやっつけるという、はっきり言えば「ラブピュア」と同じコンセプトの番組だった。


 同じコンセプトの番組を、違う番組のように見せるにはどうすればいいか?


 宝富一が出した答えは、「アニメ」ではなく「実写ドラマ」にする事だった。

 実写ドラマなら、主人公たちが番組内で着ている衣装でライブイベントに出てきても不自然さはない。

 主人公役俳優との握手会や写メ会だってできる。

 テレビの中の主人公と会える“お友だち”は大喜びするだろう。


 だが、実写ドラマにするためには、高い壁があった。


 主演女優の選定だった。

 歌って踊れる女優を起用したい。

 

 通常の特撮ドラマであれば、歌って踊れる“若手女優”を起用すれば良いのだが、女児をターゲットとする新番組は、できるだけ“お友だち”と年齢が近い女優というか子役が演じた方が、視聴者が親近感が持ってくれる。


 さらにライバル番組に対抗するために、動画サイトで人気の【踊ってみた動画】用のダンスや保育園や幼稚園で園児と一緒に踊るダンスとして、選んでもらう事が必須である。

 選んでもらう方法として、主演女優を始めとするレギュラーでアイドルグループを作り、オープニング(OP)エンディング(ED)の歌とダンスを担当してアイドル活動も行うと言う条件が必須であった。


 演技と歌とダンス、三つそろった子役を探すのはほぼ不可能だった。


 番組制作スタッフと宝富一は、主演の選択優先順位をどうすれば良いか、苦悩した。


 そして、宝富一は決断した。

 歌とダンスができる子を優先する、という選択をした。


 出演者捜しを始めた宝富一に、協力する芸能プロダクションが現れた。


 新興芸能プロダクションとして急激に成長した、乳酸脱水酵素(LDH)・・・、じゃなかったLEDだ。

 ダンス&ボーカルグループのEXITなど人気グループが複数所属する芸能プロダクションだ。


 LEDがなぜ宝富一に協力する事を、決定したのか。


 それは関連事業として全国にダンススクールを展開していて、その宣伝方法として、生徒をドラマに出演させることを考えたからだ。


 全国各地で運営しているダンススクールには、小学生や中学生が多数在籍していた。各校生徒の選抜生がドラマに出演すれば、広告を出すよりはるかに大規模な宣伝効果が見込まれる。

 何よりも現在在籍している生徒に、ドラマに出演できるかも知れないという具体的な夢を用意できる、という点も計算に入っていた。


 ダンスと歌ができる小中学生を探していた宝富一と、スクール生の増加と卒業後の進路を広げようと考えた、ダンススクールの親会社にあたるLED、両者の利害が一致して協力関係を結んだ。


 宝富一とLEDは、共同原作権を持つ事で合意して制作に取りかかった。


 そうして制作されたのが、後に【ギャル×闘士(ファイター)シリーズ】と銘打たれる作品の第一弾、【スーパー☆チューナーズ】だった。


 テーマを【音楽】にすることで、ドラマの中で主人公たちが歌って踊る演技が自然に見えるようなドラマ展開にした。


 その結果、放映開始からそれなりの視聴率が取れ、順調な滑り出しになった。

 ライバル番組の【ラブピュア】放映直後の時間帯に放映時間を設定したことにより、他のTV局が報道番組を流す中、唯一の子供向け番組として子供がいる世帯の視聴が多かった。


 また、放映を担当した新六本木テレビ局(旧虎ノ門テレビ局)はネット局が少ないので、リア対で視聴不可能な地域に住んでいる視聴者のために、テレビより一週遅れで動画配信サイトを使って“全国放映”することでファンを増やす手法を取った。


 そして、動画サイトの【宝富一(たからとみいち)チャンネル】や【スーパー☆チューナーズ チャンネル】で、出演者本人たちによる“踊ってみた動画”もアップして、誰でもダンスのお手本を見られるようにした。


 その結果、スーパー☆チューナーズは、第2,3話で一旦視聴率が低下したもののその後は向上し、次第に“お友だち”や“大きなお友だち”を増やしていった。


 宝富一が喜ぶ一方、番台はスーパー☆チューナーズの人気が上がるとラブピュアのシェアを奪還されるのでないかと恐れると同時に、自分たちが創り出した【女児向け勧善懲悪】の設定をパクられたと怒った。


 番台は激烈な反応をした。


 番台は、六本木テレビ局に依頼して、自身がメインスポンサーをしている特撮ヒーロー番組を、長年放映していた時間帯からスーパー☆チューナーズの真裏、つまり同じ曜日の同じ時間帯に放映時間を移動させた。


 テレビ局の番組編成を動かす訳だから、かなり大がかりな時間帯変更だった。


 もちろん目的は、“大きなお友だち”に裏番組を見るとイケメンヒーローが見られないよ”、という分かりやすい理由づけをするためだ。

 時間帯移動を提案されたTV局は最初驚いたものの、親子で「ラブピュアシリーズ」を見ている視聴者を、そのまま自局番組につなぎ止めておく方法として有効だと判断したことで放映時間帯の移動が実現した。


 番台の対抗策もあって、「スーパー☆チューナーズ」の視聴率は後半伸び悩んだ。


 しかし、宝富一は諦めない。


 LEDが提携当初から要望していた、主演を始めとするレギュラー出演者でグループアイドルSuper2(スーパースーパー)を組んで、最初は新たに制作したWeb「スーパー☆チューナーズ」チャンネルでネット配信を始め、ある程度の反響を得たところで、関東を中心に全国各地のショッピングモールで、ライブツアーを始めた。


 ライブツアーは、たくさんの“お友だち”に、出演者たちが本当に歌って踊っている姿を見られるということが口コミで広がっていき、ファンの数の増加に役立った。

 また、ファンが増えたことでおもちゃなど関連グッズの売上も順調に伸びていった。


 「スーパー☆チューナーズ」が好評だったので、シリーズ化が決定し、第二弾はオーソドックスに【魔法】をテーマに制作された【ピュア本気(マジ)!ソルシエール!!】で、グループアイドル|sorcellerie2《ソシエールソシエール》にバトンタッチした。


 しかし、宝富一は、番台が裏番組(真裏)にヒーロー番組を移動させてきたことに、ものすごく怒っていた。


 やられたらやり返せ!!

 倍返しだ!!

 いや千倍返しだ!!


 第二弾ソシエールがそれなりの人気で最終回が近づいてきたとき、第三弾の内容が告知された。


 第三弾は、【きみつ×闘士(ファイター) ガイストミラジェン】だ。

 主人公たちはトラ○プのカードをイメージした正義の泥棒で、悪役は(うら)ウラ警察を名乗る組織で、お宝を巡って追いかけっこをするお話だ。


 ファンは、この設定を見て驚いた。

 

 「裏番組の企画をパクっている」


 泥棒と捜査機関の追いかけっこという設定は、数年前に特撮ヒーロー番組の企画として、番台が採用したモノだった。

 しかも、その番組は高いストーリー性で、様々な賞を受賞したシリーズでも屈指の人気番組だった。


 そして、番組放映直前の特番では、最初は3人でスタートして、謎の4人目の追加メンバーがいることが紹介された。

 それを見たファンは、第1弾や第2弾のように5人目の追加メンバーは出るのか、出るならどんな名前になるのかという事がSNSで話題になった。

 当然、主人公たちはMiragem2(ミラジェンミラジェン)というグループ名で活動を始めるとの告知もあった。

 

 大勢のファンが見守る中、番組は始まった。


 放映開始後、視聴者は出演するゲスト俳優に驚かされた。

 敵の裏ウラ警察に操られる人を演じているのが、イケメンだらけだったからだ。


 裏番組でヒーローや悪の組織幹部を演じたイケメン俳優が、毎回のように登場した。


 さらに、俳優に裏番組で使われていた台詞を言わせたり、アクションをさせた。


 中村優○が、


 「最○に言っておく!!、俺は、か~○~り、強いっ!!」

 

 とか、

 渡部○が、

 

 「ちょっとのお金と明日のパ○ツがあれば、生きていけるさ」


 など、イケメンたちが裏番組の台詞をポーズを決めて言ってくれるので、見ていた“大きなお友だち”は大喜びした。


 演技もコイントスをさせるなど、裏番組でやっていた演技をさせるだけでなく、まさかの名乗りポーズや、“蒸着”“ガ○アクセス”などの変身ポーズまでさせた。


 大きなお友だちの間で、次回は裏番組のどのシリーズの誰のネタが出るか予想するサイトがいくつも立てられ、そこで予想合戦を繰り広げられるなど、SNSを含むネット界隈でも大ハネと言われるほどバズった。


 そして、事前に公式が発表した四人目の追加メンバーのお披露目が行われたのが、東京おもちゃショーだった。


 おもちゃショーの直前放映回の予告で

 「第4の闘士(ファイター)、ミラジェンダイヤ登場!?」

 と言うタイトルで、第4の闘士の後ろ姿が少しだけ写った。


 これを見て、ファンの間で新メンバーへの期待が高まったとき、公式がHPと動画配信サイトである発表した。


 【東京おもちゃショー内ステージで、ガイストミラジェンライブショー開催!!】


 という告知は以前からあったが、背景がミラジェンダイヤの後ろ姿に変更され、大きな文字である告知が追加された。


 【第4の闘士(ファイター)ミラジェンダイヤ、東京おもちゃショーに降臨!!】

 【木曜日午後7時より、公式サイトで東京おもちゃショーライブステージ生配信】


 さらに、公式のSNSで「ミラジェンダイヤ、東京おもちゃショーに降臨!!」とつぶやきまくった。

 この告知に、おもちゃ業界関係者限定の会場に入場できない、たくさんの“大きなお友だち”は大喜びした。

 4人編成になった、Miragem2の歌とダンスがいち早く見られるのである。しかも予告編では、後ろ姿が少し映っただけのミラジェンダイヤ役の子の顔や姿を本放映前に見られる。


 たくさんのファン(大きなお友だち)は、わくわくしながら、配信当日を待った。


 木曜午後7時からのライブ生配信が始まると、大勢のファン(大きなお友だち)が配信を見た。

 観客がおもちゃ業界関係者限定のライブなので、ショー終了後には、大人《ギョーカイの人》の観客にむけてMiragem2のメンバーの自己紹介が行われ、変身アイテム等の番組関連グッズの商品説明をメンバーが行った。

 メンバーが、大人(ギョーカイの人々)相手に緊張した初々しいトークをする姿を見た“大きなお友だち”は萌えキュンして、悶絶した人が多数出た。


 そして、ショーの最後にメンバーが、


 「土曜日曜もライブがあるから、たくさんの“お友だち”も見に来てね~」


 と言って、笑顔で手を振って、ライブ配信は終わった。


 配信の効果もあって、土曜日と日曜日は、大勢のファンが東京おもちゃショーのライブイベントを見に来た。

 もちろん、ステージ近くは“お友だち”と付き添いの大人が座り、後ろの離れた場所に“大きなお友だち”が立って見るのが、ファン同士のお約束だ。


 二日間のステージは大入りで、おもちゃショーの入場者数が過去最高を記録した。

 

 その後、ドラマの方も裏ウラ警察側に、ざまぁ署長や強敵更井(サライ)(ダーク)更井の登場など、ストーリー自体も盛り上がって、視聴率も上昇し、週遅れの動画配信の再生回数も大幅に伸びた。

 そして、その年のクリスマス商戦での関連商品の売上は、過去最高を記録した。

 また、各地で行われるMiragem2のライブイベントは、どこも大盛況で、ライブの前後に行われるCDやDVD、応援グッズなどの売れ行きも好調だった。


 喜びに沸く宝富一に対して、番台は苦虫をかみつぶしたようだった。

 

 ウチの番組をネタにするとか、チョーむかつく!!。


 番台は、怒り狂って反撃を開始した。


 毎年、年末年始商戦が終わると、ヒーロー番組の新しいシリーズを始めるのだが、その年は、わざと特番を入れることで、新シリーズの初回を1ヶ月遅らせた。

 さらに、番組内容も初回ギリギリまで公表しなかった。


 宝富一に内容をパクられないためだ。


 さらにヒーロー番組の後日譚(ごじつたん)の映画を作るからと、出演俳優の囲い込みを始めた。

 俳優や所属事務所と、キャライメージを壊す行為をしない。と言う縛りも設けた。

 裏番組(ギャル×闘士シリーズ)に出演して、かつての役とおなじ事を演じることも、キャライメージを壊すことにした。


 そのため、当てつけ企画ができない宝富一は、第4弾に【けーさつ】をモチーフにした、「アムールポリーシェ」を放映することになった。

 

 番台は、ほんの少し溜飲を下げた。


 しかし、この程度の対応で、番台の怒りは収まらなかった。

 なにしろ、ギャル×闘士シリーズ関連グッズの売上が急速に伸びているからだ。

 このまま行くと、ラブピュアの優位が失われ、番台の経営計画を揺るがしかねないゆゆしき事態だった。

 しかも、保育園や幼稚園のダンスで、ラブピュアのエンディングダンスではなく、Miragem2(ミラジェンミラジェン)や後継のAmour2(アムールアムール)の曲を採用する例が急増しているとの調査報告も届いていた。


 このままでは【ラブピュアシリーズ】が、裏番組【ギャル×闘士(ファイター)シリーズ】に負けてしまう。


 番台は対抗策として、制作に関わっている学園(スク○ル)アイドルを東京おもちゃショーに投入しようと計画した。

 だが、いわゆる「おもちゃ」を関連グッズとして販売していない上、共同企画者である大手出版社角河(つのかわ)書店や番組制作に携わっている大手アニメ制作会社ソレイユ・ルヴァン(3ライズ)が、学園アイドル投入に反対した。


 角河書店にとっては、宝富一も大切な客の一つなのでどちらとも仲良くしたいし、ソレイユ・ルヴァン(3ライズ)は番台の系列会社だが、自社のアニメキャラより声優が目立つ事は経営上好ましくないからだ。

 さらに、グループアイドル役の声優が所属している各芸能事務所も、スケジュール調整やイメージ悪化を懸念して難色を示した。


 宝富一の野望を打ち砕ける「学園(スク○ル)アイドル」の投入ができない事に、番台は歯ぎしりをした。

 しかし、番台はこのまま宝富一をのさばらせる気はなかった。


 番台は「打倒、ギャル×闘士(ファイター)シリーズ」をスローガンに、新しい企画を考えることにした。


 だが、なかなか良い案は出ず、社内に重い空気が漂っていた時、番台の社員の一人が、自社制作のあるアニメの存在に気が付いた。

 アーケードゲームとそれに連動したアニメ【愛活!シリーズ】だった。

 内容は、主人公が人気アイドルを目指して、いろんなクエストをこなしてランキングを上げるというゲームで、アニメはその宣伝用に制作されているものだった。


 このゲームとアニメに気が付いた番台企画部は喜んだ。

 これなら、ウチの単独制作だからどう改編しようが問題ないし、売上の主体はゲームで女子がメインターゲットの番組だから、変身アイテムを含めたグッズ展開も増やしやすい。

 しかも、番組内で歌やダンスを披露しても問題は無いというか、歌と踊りが無いと番組というかゲームが成立しない。

 さっそく【ギャル×闘士シリーズ】に対抗するべく企画を進めようとした番台だが、「愛活!」にはある問題があった。


 それは、この作品が「アニメーション」だと言う事だ。

 これでは、握手会や写メ会を開けない。

 着ぐるみでは「ラブピュア」とシェアを食い合うだけだ。


 番台は、「愛活!」を実写ドラマ化する事を決断した。


 ゲームを含めて、一旦「愛活!友達フレンド」を終了を告知し、新たなシリーズと称して、ゲームのリニューアルと実写ドラマの放映を告知した。


 タイトル名は【愛活!遊星(わくせい)】だ。


 主人公を始め主要出演者のほとんどを、老舗芸能プロダクション星塵(ほしちり)プロモーションから提供してもらい、ゲームとの連動性を考慮して歌唱シーンや実写だと予算がかかりすぎそうなパートをアニメにするというハイブリッド方式で、放映する事にした。


 そして、新番組の発表は、去年の7月に行った。

 8月1日に番組出演者によるアイドルグループ「(ほし)のわくせい」のお披露目を行い、デビューシングルのリリースの日にちまで発表を行った。

 同時に、彼女たちが出演する新番組の具体的な設定を発表して、来年一月からの放映が始まることも発表した。


 その後、「(ほし)のわくせい」は、ネットの【愛活!遊星わくせいチャンネル】でメンバーの紹介やさまざまな企画動画を次々とアップしていった。同時に日本各地のショッピングモールで、ライブショーを開催していった。


 「☆のわくせい」の強みは、ほとんどのメンバーの年齢が高校生以上だったので、あっち(Happy2)がメンバーの年齢の都合で関東近郊でのライブ活動が主体になるのに対して、北海道から九州沖縄まで全国各地でライブを開きやすい事や、グループアイドル海老中からの移籍組がいるなどの理由で、“大きなお友だち”が応援しやすい事があった。


 ライブツアーで先に「☆のわくせい」の知名度を上げてから、去年の12月に動画サイト【愛活!遊星チャンネル】やテレビCMで、大々的に新番組の宣伝を行い、今年の1月から、ドラマ【愛活!遊星(わくせい)】がスタートした。


 番組は、事前の宣伝が功を奏して、それなりの視聴率を獲得した。

 番組内では、エンディングの時間を利用してゲームで使えるレアアイテムの抽選企画や【(ほし)のわくせい】イベント告知を流す事で、ゲームや動画のファンも取り込むようにした。

 

 これらのメディアミックス展開をすることによって、「☆のわくせい」のファンは次第に増えていった。

 そして、ライブツアーの観客も増加してきた。


 そして、4月頃から、今年の東京おもちゃショーで「☆のわくせい」がライブイベントを実施することを宣伝し始めた。


 表向きは、おもちゃなどの関連グッズの宣伝に「☆のわくせい」のライブショーを行う事を公表しているが、真の目的は「ギャル×闘士(ファイター)シリーズつぶし」だ。

 リミッターが壊れた大人(番台企画部の人)たちが、演出や衣装など番組制作とライブツアーに湯水のように金を使っていた。

 

 番台の一連の行動を見ていた宝富一は、激怒した。


 ウチは「ぷり・き・・ゅ・・・」じゃない、ラブピュアシリーズと仲良く平和にやろうとしたのに、真裏にヒーロー番組を持ってくるとか、そっちが先に喧嘩を売ってきたくせに!!


 宝富一は、売られた喧嘩を買うことにした。


 「打倒!!、ラブピュアシリーズ」をスローガンに、第5弾の企画を考えた。


 そうして、今年の1月に第5弾の企画を発表した。


 タイトルは、【キッ友×闘士(ファイター) よにんはキラメイター】

 数年前のヒーロー番組で、「燦めいている主人公」をキャッチコピーにしていたことから、元ネタはあれですよと露骨に分かるタイトルにした。


 まさに、売られた喧嘩は買わねばならぬ、ということだ。


 同時に発表された主人公たちのビジュアルは、まさに「ふたりは♡ぷり・き・・」じゃない、「ふ○りは♡ラブピュア」の衣装を三次元化させたように仕上がっていた。

 衣装の色は、ピンク、パープル、レッド、ブルーを採用した。白黒は女子向けとしてちょっと弱いとの判断だ。


 三月末に「アムールポリーシェ」が終了して、四月から「よにんはキラメイター」が始まる前に特番を組み込み新番組のCMを大量に流すなど、番宣に力を入れた。

 そして、公式サイトで、六月の東京おもちゃショーで、Amour2とHappy2の引き継ぎ式とキラメイターの追加メンバーのお披露目を行うことを発表した。

 こちらも、リミッターが外れた大人(宝富一の中の人たち)たちが、番組制作とライブツアーに湯水のように資金を消費した。


 打倒「ギャル×闘士シリーズ」のために企画された、【愛活!遊星(わくせい)】と【(ほし)のわくせい】

 打倒「ラブピュアシリーズ」のために企画された、【キッ友×闘士ファイター よにんはキラメイター】と【Happy2】


 番台(ばん○い)宝富一(た○○○ー)、二つの企業の威信と覇権を賭けた、【()()()()()()()()()()()】が、東京おもちゃショーのステージで開かれようとしていた。

 

 だから、夏美は今年の東京おもちゃショーのイベントが、ガチのバトルシテージなると言ったのである。


 三隈は、「Happy2」だけでなく、「Amour2」や「☆のわくせい」のステージまで一度に見られることを知ったので、絶対に見に行きたい思った。

 夏美と亜紀に、6月のおもちゃショーの会場でまた会うことを約束した。


 こうして、新しい“大きなお友だち”ができた三隈は、二人と別れて双葉SAを出発した。


ゆる~い用語解説

【宝富一】

日本のおもちゃメーカー。

読み方は「たからとみいち」

決して「タカ○○ミー」と最後を伸ばして読んではいけません。


【番台】

銭湯などで、入り口に設けられた、入浴料を受け取ったり見張りをしたりするための高い台。

なぜか、おもちゃメーカーの名前になった。

本編に萬代と書くと、神の怒りにふれるのでかけません。


【蒸着】

金属や酸化物などを蒸発させて、素材の表面に付着させる表面処理あるいは薄膜を形成する方法の一種。

けっして0.05秒で、何とかスーツを転送することではありません。


【ラブピュアシリーズ】

大阪の朝○放送がキー局の人気アニメシリーズ。決してプリキ○アシリーズではありません。


【ギャル×闘士ファイターシリーズ】

テレビ東○じゃなかった、新六本木テレビ局(旧虎ノ門テレビ局)の女児向け人気ドラマシリーズ。けっして「ガ○ルズ×戦○シリーズ」ではありません。


【スーパー☆チューナーズ】

ギャル×闘士シリーズの第一弾。

けっして「ミラ○ルチュ○ンズ」ではありません。


【ピュア本気!ソシエール】

ギャル×闘士シリーズの第二弾

けっして「マ○マジ○ピュア○ズ!」ではありません。


【きみつ×闘士 ガイストミラジェン!】

ギャル×闘士シリーズの第三弾

けっして、「ひみ○×戦○ フ○ントミラ○ジュ!」ではありません。


【中村優○】

特撮番組でよく見かける俳優さん

「○面ライダーゼ○ノズ」に変身するとかしないとか。


【渡部○】

俳優さん。

「○面ライダーオ○ズ」に出演したとかしないとか。

その後、朝の連ドラに出演したものの、今ひとつブレイクできないでいる。


【キッ友×闘士 よにんはキラメイター!】

女児向け特撮ドラマ。「ギャル×闘士シリーズ」の第5弾

けっして、「ビ○友×戦○ キラメ○パワ○ズ!」ではありません。


【愛活!遊星】

番台が制作してる、学園ドラマ(アイドルドラマ)。

決して、英訳してはいけません。


【☆のわくせい】

「愛活!遊星」出演者で結成された、グループアイドル。

決して、英訳してはいけません。

本家はコロナ禍に翻弄された、かわいそうなグループ

よいこのみんな~、劇場版を見に行こうね~


【ガ○アクセス】

あの「フ○ントミラ○ジュ」で、本当にやってくれた変身ポーズ。

演じてくれたのは、ガ○レッド役金○昇ご本人。


【LED】

発光ダイオードのこと。

とある芸能プロダクションの名前に採用された。

本来の候補は「乳酸脱水酵素」だったが、略称が「LDH」になるので、神(運営)の怒り(削除)を買いそうなので止めた。


【EXIT】

LED所属の超人気のダンス&ボーカルグループ

漫才コンビのことではありません。

そして、メンバーに兼近やりんたろーと言う名前の人物はいません。


【星塵プロ】

とある芸能プロダクション。

けっして、英訳してはいけません。

桃色白つめ草というアイドルグループが所属している、のかな?

海老中や「筑前煮女」は所属している模様。


【角河書店】

大手出版社。読み方は「つのかわ」です。KAD○KAWAと読んではいけません。

怖い大人から、すごく怒られます。

メディアミックス商法が得意。


【ソレイユ・ルヴァン】

とある大手アニメ制作会社、

けっして、英訳してはいけません。

「愛活!遊星」のアニメパート制作会社。


ホント、見に行きたかったな~、

幻に終わった、「東京おもちゃショー2021」で開かれる予定だった、

ガチのバトルシテージ。

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