初めての動画撮影
さて、1次審査に送る動画だけど…どうしようか。
内容は何でも良いらしい。顔を写さなくても良いらしい。
本当に、どうしようか。
あ、今回はアイドル発掘プロジェクトらしいし、やっぱり歌だろうか。
でもVtuberなら、ゲームとかもした方がいいかな。
んー…ゲームしながら雑談して、最後に歌おう。
お父さんの部屋から機材を借りて、さっそく動画を撮り始めることにした。
善は急げっていうしね。
ゲームは、赤い帽子をかぶったおじさん達がレースをするゲームにした。
このゲームは、純粋な技術と、運要素が絡むから、動画向きだと思った。
「…こんにちは!篠村真白です!今回はこのレースゲームをしていきたいと思います!」
元気な女の子を装い、活発な感じで話す。声は普段より高めにし、可愛らしい感じにした。
どうせやるなら本気じゃないとね。
「今から1レースだけした後に、歌を歌って終わりにしたいと思っています!
今回はオンラインで戦っていきますね。
…あ、私はレートを見て分かるかもしれませんが、結構ゲームが得意です。」
5桁のレートが画面に映ってしまった。別にいっか。
「キャラはイカちゃんを使っていきます!可愛い子が好きなので、あんまり男性キャラはつかわないんですよね。あ、ステージはここですか。
このステージはひたすら小さなサーキットを回るコースです。アイテム運が絡んでくるので結構楽しいステージなんですよ。」
「いよいよレース開始です。
3、2、1、ごーっ!
よしっ、スタートダッシュ成功です!さっそく1位ですよ!」
私はインコースを攻めて、1位をキープしている。
…あっ。
「きゃっ、攻撃されてしまいました…。
あぁ、どんどん順位が落ちていきます…。」
せっかく1位だったのに、後ろから集中砲火を食らい、12位まで落ちてしまう。
運悪くない?
「でも諦めませんっ!よしっ、アイテムゲット!
あ、ロケットです!これで一気に追い抜きますよー!
やったっ、6位まで戻ってきました!あと3周頑張ります!」
アイテム運が戻ってきたらしく、どんどん追い抜いていく。
インコースは相変わらず攻め続けている。
「ラスト1周です!1位に追いつきました!
次のアイテム次第ですね…よしっ、タケノコが出ました!
あっ、後ろから1位を狙うトゲトゲが…当たりました!ここでタケノコを使って…!
やったっ!1位でゴール出来ました!」
いいね!良い感じの動画が撮れた!
次は歌だ!
歌の動画は、実写でする事にした。
カメラを設置し、私を撮る。
曲はヴァレントの最近勢いがあるアイドルの歌を歌うことにした。
「それでは最後に、ジェミニスの「明日空」を歌います。」
ジェミニスは5人組のアイドルグループで、明日空はそのデビュー楽曲だ。
私は動画でそのPVを見て、歌とダンスを覚えた。
「ららら~♪」
イントロは5人の「ららら」からスタートする。
歌はいかにもアイドル楽曲って感じで、元気と勢いがある。
私のゲームの時のキャラとマッチしていた。
私はダンスを踊り、歌を歌った。
適当に編集して、履歴書と自己紹介文を書き、エントリーページに送信した。
ふぅ…終わった。結構時間もかかったし、疲れたなぁ。
でも、楽しかった。
意外とVtuberに適正があるのかも?
そして、応募してから2ヶ月弱が経った9月中旬、ヴァレントから面接審査の案内が届いたのだった。
アイドル系Vtuberになるようです。
著作権対策で色々変えていますが、多分伝わるはずです。
タケノコ=キノコです。戦争だ~。
お読みいただきありがとうございました。
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