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002 十人十色

「おまえは結婚しないのか?」

「家族は良いもんだぞ」

「早く良い人を見つけたら?」

「子育てしたことないくせに」

 結婚や家族のいる家庭に全く興味がないわけではない。自分は不安を拭えないから結婚をしないのだと言っても、ほとんどの人は理解を示してはくれない。周囲が当たり前に持っているものを持っていないことや持とうとしない人間を何故か誰も認めてはくれない。

 自分は言う。

「自分一人生きるのが精一杯。誰かの人生を背負うという責任を持てない。将来この国の経済がまともだという保証はどこにもない」

 他人は言う。

「ひとそれぞれなんだから」

「先の事ばかり考えてもしかたないだろ」

 不安を感じて何も行動に移せない時が多々ある。不安障害で感じる不安のほとんどが実現しないことは良く知っている。だが現実的に誰かと共に暮らすのは苦痛だと感じるし、今の経済に目を向ければ新しい産業が生まれることはまずないと言い切れる。衰退していくことが目に見えているのに、家族や子供を養えるとはどうしても思えない。

 自分は一人で生きることを選んだ。

 それでも他人は言う。

「十人十色。ひとそれぞれなんだから。結婚しても、その後に何かあっても、そんときはそんときでなんとかなるって」

 なぜそこまで一人で生きることを否定されなければいけないのだろうか。なぜか他人は押し付けてくる。その他人自身の生活が正しいのだと。家庭を持たないのはおかしいと。

 家庭を持てば相手の家族も自分の家族も年老いれば介護問題がでてくる。一人を介護するだけでも恐ろしいほどの労力がかかる。

 自分のケツは自分で拭く。他人の尻拭いは荷が重い。


 十人十色の中になぜ自分は含まれないのだろうか……。

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