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大賢者、敗北!?

初めて書いた文章です。処女作ともいいます。

くだらない、つまらないといった感想は大歓迎です。

それ以上に、こうあってほしいという感想を持ってほしいです。

 かつて大賢者と呼ばれる偉人がいた。

 彼女は誰にも届かない遙かな頂に立っていた。それとともに彼女は勝利に呆れ果て、敗北を求めるようになった。人を苦しめる悪魔を打ち破り、王都を襲う亜人の軍勢を単騎で撃退し、私財をなげうって孤児院を建て、いつしか自分を超える人が生まれることを願っていた。

 しかし、そんなことは起こることもなかった。

 百年経っても、孤児院から英雄は誕生しない。

 二百年経っても、魔王に勝てる程度の存在しか生まれない。

 三百年経ち、ようやく魔神王に勝てる程度の存在が生まれたが、その程度。

 大賢者は人という儚い存在に絶望し、人が生存可能な領域を出て、自分が勝てない誰かに会えることを求めて旅に出ることとなった。

 それが百年前のことである。

 彼女が育てた孤児院の子供たちは、各国の王や皇帝、彼女以上ではないが、賢者と呼ばれ、魔法技術の発展に貢献するものも現れた。

 今の剣術の神とよばれるものも今の魔術の神とよばれるものも彼女が育てた人である。


 そんな世界に多大な影響を与えた彼女は現在、お腹に子供を宿していた。

 その母親は当然、大賢者と呼ばれる彼女であるが、その父親というのは、ドラゴンであった。

 それもただのドラゴンではなく、人の生存領域を超え、魔族ですら立ち入れない天界をも超え、神々が住む領域をも踏み越え、さらに先の創造神が住む領域の門番、龍神アルタイラであった。

 龍神というのは、神々の主人を守るための最終防衛機構であった。

 ただのシステム。

 機械のようなものだった。

 大賢者との死闘のすえに、敗北を求めていた彼女に敗北をプレゼントした。

 勝利したというが、息も絶え絶え。

 人化の術を使い、かろうじて生きているだけという状態であった。

 彼をそんな状態に追い込めるものなど神ですら不可能であり、神々が全戦力を挙げて攻撃してこない限りあり得ることはなかった。

 神々の総意は主である創造神の意志と同義である。

 それならば受け入れようと思っていたが、まさか人の、それも女に負けたというのは屈辱という言葉では言い表せなかった。

 彼女の息も淡くなり、そして最後の言葉を紡ぐ。

 「あなたの子供を産むわ」

 龍神と称される彼をもってして、目の前の女が何を言っているのか分からなかった。

 もう死ぬ間際の人の言葉だとは信じられなかった。

 素直に驚愕した。

 「!!!」

 声にならない声。

 天界で主の門番のみをしていた彼は数百年どころか、数千年数万年数十万年以上声を出したことは一度たりともなかった。

 そのためか声を出すということが、難しくなっていた。

 「何を言っているのかって感じね。でもあなたの子供なら産んでもいいと思った。私に素敵なプレゼントをくれたあなたになら私のすべてをあげたくなった。」

 龍神という立場から、あらゆる知識が蓄えられていくが、それでも彼女の言葉を理解することはできなかった。

 それは感情を見ることはせず、ただの情報として歴史を見てきた上位者らしいものだった。

 しかし彼女はそんな彼の表情と言葉になっていない声を聞きながら、ひとつの魔法を唱えた。

 かつて、大賢者と呼ばれる以前、妊娠ができないという夫婦に子供ができるようにするために因果の逆転を行ったのだ。

 子供は生まれていないが、いずれ生まれるだろう。

 ならば、子供が生まれるという概念を母胎である母親にかけてみると、見る見る内にお腹が大きくなり、出産間近というところまで進んだのだ。

 (私にも子供が生まれるでしょう。私よりも強くなければ、いくらやろうと、子供は生まれない。でもこの私よりも強い彼なら私の子供を産むための要因になってくれるはず。)

 大賢者は今まで自分自身にかけていた老化無効などの魔術をすべて閉じ、子供を身籠もる概念を自分自身にかけた。

 彼女は、大賢者は、今までの魔術の代償をその身に受けながら、幸せそうな表情を浮かべながら、この世界から跡形もなく消滅した。


そして、無事、大賢者の腹部に当たる場所に小さな赤ん坊がポツンと残されていた。

大賢者の名前がないですが、後々出すことにします。

文字量も少なく、登場人物が二人しかいませんが、これから増やす予定です。

ご了承ください。


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