はじめのはじめ
「じゃあ、やるしかないか。」
「馬鹿にも程があるんじゃないのか?対爆対策をこれでもかって施した我が国の艦艇に数で挑もうというのは。」
転移した国家の中で最も東に位置した日本の最も東にある東洋道都布哇県ホノルル市に木造戦列艦30隻が現れ、高圧的に隷属を要求してきたので少数を残し真珠湾鎮守府に停泊している海軍艦に沈められた。
それに抗議しに来た当該国をムーが威圧した。
だが、彼らは、相変わらずホノルルの先に何があるのかを分からずにそばに合った布哇に属さぬ有人島で略奪陵辱の限りを尽くした。
だが、場所がまずかった。
そこは日夢国境を越えたムー帝国の領域だった。転移国家群を除くと全ての面において、圧倒的に他国を引き離す列強位置の超大国それがムー。
そのムーの民を犯し殺し奪った。ムーの怒りを買った。それは、この世界において死刑宣告の方がまだ救いの声に聞こえる物だった。
日本は三帝五王を率いてムーに力を貸した。いや。もう四帝五王か。
ムーによる当該国家への宣戦布告から2日後国内の動員準備が終わり、3日で他の三帝五王7ヶ国の動員準備が済み日夢同盟に基づいて当該国家への自動宣戦布告がなされた。
ムー帝国皇帝が来日した際に天皇陛下に深々とお辞儀をするそのままの勢いで伏礼しちゃって、日本側は皇室含めておろおろしたという状態が、転移国家群はおろかアメリカを通じて残された国にも配信され、あの大馬鹿3ヶ国を除く人々を和ませ、開戦前の良い息抜きになった。
この世界において、全世界的ネットワークを持つ超大手報道機関『世界魔導通信』が、ムーに置いた拠点から届けられたムーの声明は、世界を揺るがした。
『我が国を囲むかのようにしてかつて遠き昔に永久の別れを告げてきた今は、大日本帝国に名を変えた大和という姉妹が会いに来てくれた。
再び、この日出ずる国と共に手を取り合い歩むことは我が国にとって、望外の喜びでしかない。
我が国とかの国はかつてのきずなを再確認し、軍事同盟、経済協力、技術協力などを盛り込んだ包括同盟を締結した。
そんな中、愚かにも彼の国の軍事基地の目と鼻の先で恫喝外交を行い、蹴散らされた腹いせに無辜の民の生命を穢し奪い、あまつさえ、それが我が国の民であるという事実を知った愚か者にさらに忠告をしておこう。
同盟に基づいて当該国家へ日本は自動宣戦布告を行った。我が国に守られている蛮族国家と思うだろうが真実はその逆である。
よく我が国は世界一の列強だとされるが、日本は、我が国の遥か先ゆく遙かなる超大国である。故に、その強大なる技術力とそれに裏打ちされた軍事力で、我が国の民を、父祖の地を、守る軍を、彼の国が更に守り導くそんな関係である。
…後略』
と。
「何をして居るのだ。外務卿は何をして居った?!」
「えー、そのときは―に。」
「ではこの事態は何奴が招いた物だというのじゃ?」
愚か者とされた国家では元首が顔を真っ赤にして宰相に詰め寄っていた。
「皇太子殿下と第二王子殿下と軍務卿が共謀してらしいです。」
「ではとらえてつれてくるのだ。」
もう遅かった。
「陛下、我が国の港という港に。言え海岸線全体にムーと、あと、魔導通信に載っていた、に、日本の船が。」
「日本は本当にムーよりも大国なのか?」
「はい。ムーの船よりも大きくしかも、戦に使う船なのにとても美しいのです。そして、首謀者三名が潜んでいると近衛隊が攻め入ろうとしていた屋敷に正確に砲撃を食らわせていたのです。最も遠くに居た船が空放たれた一発で屋敷が跡形もなく破壊され、3人は恐怖に引きつった顔のまま捕らえられたそうです。」
読めば何となくぴんとくるかも知れませんが、作者はそういう系統の描写が苦手です。だからあっさりしてます。