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よく有る国家転移物 の様な物  作者: 猫湊
東方見聞録
33/36

海をまたいで友好を

扶桑の東にある大陸の半分を占める、大国コロンバス合衆国

その首都に有る大統領官邸で、第45代大統領フランク・ベラ・ランドベルが、情報機関から扶桑と央領の戦いについて報告を受けていた。

「ふむ。扶桑への支援準備は?」

「進捗96%です。明日にも、第一便が扶桑へ向けてサン・ディアルガを出航します。」

そこへ、

「閣下。大統領閣下。至急電であります。」

補佐官が一通の電報を握りしめて駆け込んできた。

「諸君、我々は急ぎオパール湾に向かわなくてはならなくなった。新たなともと新たな市場が向こうからやってきた。」


「大統領、いったい何が来るというのですか?」

「艦隊だ。それも、大艦隊だ。」

「なにがはじまるんです?」

「第三次太平洋国交会談だ。」

扶桑からコロンバス合衆国のことを訊いた日本は王国艦隊護衛の元、親善艦隊を東へと差し向けた。

その情報を、とうの昔に見抜いていたコロンバスの諜報員に堂々と、渡した。あまりの堂々さに扶桑政府も気づかなかった。

「きたぞ。遙か西に現れた超大国の大親善艦隊だ。見ろ、美しいでは無いか。」

「閣下、あの艦隊には現時点での我が国の装備はとうてい太刀打ちできません。空母に駐機された艦載機にはどれもプロペラが無く噂に聞くプロいつの噴式機を洗練させればああなると推測されます。あれらがひとたび、我が合衆国に牙をむけば、沿岸だけで無く内陸各都市も更地にされることは言うまでもありません。また、戦艦も非常に重厚かつ美しく。」

「閣下。親善艦隊からどこに入港すれば良いかと。」

律儀に訪ねてくるのが日本である。

「数千マイル彼方からはるばると海を渡り、律儀に交流を持たんとやってきてくれたのだ。歓迎せねばなるまい。一番大きな埠頭に旗艦を接舷させ、ほかの船もできうる限り湾内に入れろ。ただし、可能な限り、我が国の艦隊運用に支障が出るようなことにはならないように。」

ランドベル大統領の指示に従って、案内が行われる。

大日本及びムー大陸連合帝国海軍東方探査特別艦隊改めコロンバス合衆国親善訪問艦隊旗艦となった、会津が、入港し、あのみんな大好き晶仁陛下が降り立つ。

「大統領自らのお出迎え、心より感謝申し上げます。この良き日に、我が国と、この東方世界随一の大国である貴国との間に末永い友好が結ばれるその礎が築かれることを心より願っております。」

そう言いながらも、懐から、例のスマホを取り出し、ともに降りてきた侍従に渡すと、

「こうしてお目にかかれましたのも何かの縁。この良き縁を保ちたくその記念としてともに写真を撮らせていただきたい。」

その薄さと、画面の綺麗さ、撮影した物がすぐに見られるその性能に驚いたランドベル大統領は、その夜、補佐官にどれくらいであのレベルに達するかを訊ね、少なくとも10年20年では無理と言われ落胆したと後に述懐している。

「入院?扶桑にかね。」

「ええ。本来であれば、閣下と同じ白人の国である大英帝国や、我が大日本及びムー大陸連合帝国の病院が望ましいのですが、我が艦隊の最大戦速を持って9ヶ月かかりましたから。この東方世界で我が国が資本技術を注ぎ込んだ我が国と同じ民族の国である扶桑の病院で閣下の御悩平癒を図りたいのです。」

「それはどれくらいなのか?」

両国の国交開設と技術、文化交流などの話のあとランドベル大統領の車いす姿を見た晶仁陛下が、心配の上で提案したのだ。

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