いざお馬鹿のところへ。
「この魔導逓信の記事は誠か?」
「それは今外務卿配下の諜報部隊が調べております。」
「もし誠であればことである。」
ここはとある大陸国家。
俗に地域列強と呼ばれる、簡単に言えば御山の大将である。
この国の上層部が慌てているのは、日本の南方。大英帝国領豪州に属する諸島に無断上陸したあげく、ろくな調査もせずに領有宣言をしたことが、NG8にばれたから。そして、その上塗りとばかりに隣国の列強傘下国に攻め込んだことがばれそうだから。
まあ、とっくの昔に3帝。特に日本にはばれていたが。
「ではよろしくお願いします。」
「必ずや、彼の地を大英帝国の手に取り戻して見せましょう。」
ここは、大日本帝国帝都は皇宮の一室。防衛省海軍次官兼海軍軍令部総長矢野匠元帥と、海軍連合艦隊司令長官山本源喜大将が、皇宮の主にして帝国の主。第256代天皇晶仁陛下と向かい合い直立していた。
とりあえずお仕置きよろとばかりに此度のことを英国から押しつけられた日本は、じゃあ、新兵器の性能でも試すべ。とばかりに、トラック諸島に集結していた連合艦隊に出撃が命じられていた。
旗艦に長門を据え、58cm三連装龍脈砲を装備した大和型2隻を加えた総勢二百数十隻の現代艦のみで構成されている面から考えると超大艦隊だった。現在日本には世界最多の二千隻を超える戦闘艦艇と1万隻に届く数の補助艦艇、五百隻を超える潜水艦という構成だった。
三日後
タスマニア島南
「司令。あれは?」
「特連艦隊の一分隊だな。どうやら、馬鹿どもを追い出してくれたらしい。」
彼らの視線の先には真っ白な艦体の随所に蒼や、紅、翠のラインが走る独特の艦影を持つ大小様々な艦艇がいた。
「前方大型艦。艦影、主砲門数から第一艦隊戦艦次席艦長門と判断します。前方艦より連合艦隊一般通信プロトコルにて入電。『露払いは済んだ。これより我らも貴艦隊に合流し、お灸を据える手助けを行う。追伸、ここより500海里南方にて当艦隊本隊が待機中。現在北上中なり。特務連合艦隊第一戦隊旗艦長門』です。」
「艦隊全艦に通達。本日、明日と、彼の国の艦隊と合流し、親睦を深める日とする。」
一方
「日本艦隊まであと3000。本隊はあと4時間で合流します。」
「なにやら日本の方は盛り上がっているようだね。」
「長官がご覧になったら懐かしがられるでしょうね。」
彼の国の艦隊ではなにやら慌ただしくうごめいていた。
「本隊増速。合流まであと20。
「20分で合流か。長官が急がせたかな。」
『よくわかったね。いやあ。日本の艦隊を見るとどうも気が急いていかんね。』
お茶目な長官である。
「ちょ、長官。」
一方こちらは帝国連合艦隊
「どうしたね。」
「我が艦隊と同規模とおぼしき艦隊が接近中。」
「彼の国の方々はどうしてる?」
源喜長官落ち着いている。
「………主砲島の上で、甲板上で仲良くひなたぼっこしながら寝ています。…女性しか見当たりませんね。」
「ああ、たしか、特務連合艦隊というのは、彼の国の近衛軍に属する連合艦隊を構成する8つある艦隊のうち、第二艦隊に属する艦隊で、この第二艦隊とそれに次ぐ第三艦隊はごくごく一部の例外を除いて全て女性なのだというよ。で、その例外というのが、あの艦隊の司令長官と航空打撃艦隊司令の2人。おそらくあの艦隊本隊がやってきたんだ。」




