6、合流しました!
またトコトコ歩くことしばらく
ようやく狼さんと別れた茂みまで帰ってきました!
「帰って来たよー!」
「ああ…とりあえず服を置いてしばらく向こうで待っていろ。」
「はーい」
言われた通りに大人しく待っていると声を掛けられた。
「待たせたな」
「あ、もういいの?」
…しばらく絶句しました。
いや、狼さん超絶美青年なんですよ。
髪の色とか、目の色とかは狼の時と変わらないけど、涼しげな切れ長の目は揺るぎない確固たる意志を湛えていて、美しいです。
…すいませんね。でも、これ以外に説明の方法が無いんですよ!
…がんばって説明するとですね
紫銀の髪は肩に触れるか触れないかぐらいで、ざんばらに切られていた。
金色の涼しげな瞳は強い光を湛えており、彼が持っている意志の強さを表している。
そして、思ったよりもずっと背が大きく、うーん…メートル法でいうなら190cmほどあるだろうか。
服の上からでもわかる無駄な筋肉のない引き締まった体から放たれる雰囲気はそこらの村で買った普通の服なのにもかかわらず、歴戦の戦士のそれだった。
あと、褐色の肌。
よく焼けた肌は、紫銀の髪によく映えている。
ぽけっと見ている私に疑問を感じたのか、狼さんが不思議そうに問いかけてくる。
「どうした?」
「ふぇ?え、いや、なんでもないよ!で、これからどうするの?」
そんなふうに見られてははっとして、表情を取り繕う。
「…ふむ、だがもう遅いしな……その村に行って、泊まるか…」
顎に手をかけて首をひねる狼さんを見ているうちに、大事なことを思い出す。
「あ!」
「!…なんだ……急に大声を出すな…吃驚するだろう!」
思いっきり叱られました。
「…ごめんなさい……えっとね、狼さんっていつまでも呼んでたらばれちゃうじゃん。
何て呼んだらいい?」
「……好きに呼べばいい…真名はとっくに捨てたからな…」
しばらく見せなかった暗い影が彼の顔に落ちているのを見て、なんとかしようと焦る。
「う~ん…月人は?」
「…ツキヒト?聞いたことが無い音だな。」
まあ、そうだよね。今出てきてる単語からしても漢字とかなさそうだし。
でも、彼の顔からとりあえず影が消えたのを見て、ほっと胸を撫で下ろす。
「よし、いいだろう。ツキヒトと呼ぶがいい。」
「うん!よろしくね!月人!」
名前の承諾も得たところで、…ふぁあ、なんか…眠く……
そうして、そのまま私は眠ってしまった。