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ep4 瞬said
「親父~いる~?」
俺の愛しの妹が帰ってきた。早速玄関へダッシュ。
「なーなーちゃー…」
「黙れ。シスコン。」
と菜々はするりと俺をかわし、リビングへ。
「親父…話があるんだけど。」
「なんだ。」親父は新聞から顔を上げた。
「オレ、Jarapsに入る。」
「は?」
「今日コンビニに行ったらスカウトされて、オフィスに連れてかれた。
同世代の男6人が出てきた。6人を追い出した後、「アイツらとデビューしてくれ」って言われた。」
は?
「お前、女だって言ったか?」
「言った。そしたら『女ということを隠してやってくれ』って」
「…」
「なぁ、頼むよ。」
「お父さん、許してあげましょう。」
母さんが珍しく親父に意見した。
「由…」
「いいじゃないですか。そしたら少しは女の子らしくなるんじゃないですか?」
「…ああ。」
「父さん…」
「がんばれ。いつでも帰ってこい。」
父さん、母さんに弱~なぁ~。