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第30話

皆様、お久しぶりです。


二次創作の執筆によってかなり遅い更新となってしまいました。


何を今更かと思いますが、どうかお許し下さい。

「ほっほ~う。愛美ちゃんがあんな反応をするってことは………天城く~ん、さっきトラブルって言ってたけど昨日一体何があったのかな~?」


 羽瀬川の反応を見た江藤は目をキラキラ輝かせながら俺に尋ねてきた。正直言って鬱陶しい。


「………何を期待してるのかは知らんが、お前が思ってるような展開にはなってない」


「いやいや、それはねぇだろ修哉。あの羽瀬川がお前を見た途端、急に恋する乙女になったんだぜ。これは何かあったって思わねぇ方が変だって」


「天城君、ここは観念して喋った方がいいわよ。そうしないと、この二人しつこく訊いてくると思うから」


 よく言うよ、沢井。俺を諭すように言ってるけど、実は凄く気になってるだろ。何にも気にしてないような顔してても、目が江藤みたいに目が輝いているぞ。


 もしコイツ等に昨日、羽瀬川にキスをされたなんて言ったら絶対に騒ぐと思う。恋愛ネタが大好きな江藤や沢井は更に根掘り葉掘り訊いて来るだろうし、錬は……多分絶対怒るな。『俺を差し置いて女の子とキスするとは何事だぁ!』みたいな感じで。ともかく絶対にコイツ等には教えない、と言うか教える気は全く無い。


 因みに羽瀬川は美人な部類でもあるため、男子にそれなりにモテている。もしアイツに好意を抱いてる男子達に昨日の事が知れ渡ってしまったら、俺は絶対に目の敵にされて面倒な事が起きること間違い無しだ。だから相手が誰であれ、キスの件は絶対に喋る気は無い。


「さぁさぁ天城く~ん、早く教えてよ~。ボク達は友達だよね~?」


「だからなんも無いって」


「ほんとに~?」


 否定する俺だが江藤はまだ疑っていて、徐々に顔を近づけてくる。コイツ……何が何でも聞き出そうとする気だな。


「江藤、いい加減にしてくれ。これ以上しつこいと俺にも考えがあるぞ。例えば、父さんが新しいお菓子を商品で出す際の試食係をもうお前等には頼まない、とか」


「「うっ!!」」


「何ぃっ!?」


 俺が速攻で考えた提案を聞いた江藤と沢井が痛い所を突かれたかのように顔が引き攣り、錬は錬でショックを受けるかのように驚愕する。


 因みにコイツ等は父さんが作るお菓子は大好物で、試食を頼む時には必ず家に来る。試食でも父さんが作った試作品のお菓子をタダで食べれる上に、感想を言った後には新商品の半額券を貰えるので、お菓子好きの江藤達には以降その機会が無いと言うのはある意味仕打ちに等しい。だから江藤達はあんな顔をしている訳だ。


「ひ、酷いよ天城君! ボクがお菓子好きなのを知ってて言ってるでしょ!?」


「天城君、いくらなんでもそれはあんまりだわ」


「汚ねぇぞ修哉! テメェ俺の楽しみの一つを奪う気か!?」


「そうされたくなかったら、羽瀬川の件はもうこれで終わりだ」


「そ、それとこれとは別で――」


 江藤がまだ諦めていないようだったので、


「よし、じゃあ江藤の代わりに別の人に頼むとするか」


「わ、分かった! 分かったからそれだけは勘弁して!」


 俺が本気だと言う事を分からせると漸く諦めてくれた。


「分かればそれでいい」


「んもう~。天城君っていつも都合の悪い時にだけ横暴な手を使うんだから~」


「さて、何の事やら」


 恨めしそうに言って来る江藤に俺は聞き流しながら窓の方を見る。


「だけど天城君、そう言う手を使うと友達なくすわよ」


「………お菓子が食えなくなるだけの理由で縁が切れるのか?」


「当然よ」


 大袈裟な台詞を聞いた俺は思わず呆れるように問い掛けると、沢井は当然のような顔になって頷いてくる。


 それはいくらなんでも極端だと思うんだが、沢井の顔を見る限り本気のようだ。


「修哉、これだけは覚えておきな。女の子にお菓子は必須な物だから、それを奪うような事をしたら後で痛い目にあうぜ」


「普段女子に振られまくって痛い目にあってるお前に言われても……」


「喧しい! 好きで振られてんじゃねぇよ! 俺だってなぁ、俺だってなぁ……!」


 あ、やば。錬の心の傷を抉ってしまったかも。


 確かに錬は女子に真剣に告白したのにも拘らず振られてるから、流石に軽率な発言だったな。これは謝っとかないと。


「わ、悪かった錬。俺も流石に言い過ぎ――」


「天城君、今回ばかりはボクも流石に頭に来たから、ちょっと仕返しをさせてもらうよ」


「え?」


 錬に謝ろうとすると、突然江藤が俺の隣に立ってそう言ってきた。


 そして俺が振り向くと、


「えいっ!」


「!! むぐむぐっ!!!」


「んなっ!!」


「ちょ、ちょっと愛奈! 貴女何を……!」


『何ぃ~~~~~!!!』


 すぐさま江藤は俺の顔を掴んで自身の胸に抱き寄せられた。それを見た錬と沢井は驚き、周囲のクラスメイトの男子達も信じられないようにコッチを見ていた。


「ほ~ら天城君、苦しいでしょ~?」


「むぐむぐ! や、止めないか江藤! い、一体何のつもむぐぅっ!」


「卑怯な手を使う天城君にお仕置きだよ。うりうり~」


「そ、そんな事でむぐっ!!」


 く、苦しいっ! 江藤が強引に胸を押し付けてくるせいでまともに呼吸が出来んっ! だ、誰か助けっ……!


「おい修哉! テンメェ朝っぱらから何クソ羨ましいことされてんだコラァ~~!!」


「いや、鬼灯君。あの場合は愛奈が天城君を強引に押し付けてるんじゃ……?」


 お前等見てないで助けろよ! ってか錬、この状況で羨ましいもクソもあるか! こっちは苦しいんだぞ!


「天城テメェ~~!」


「俺達の前で江藤とイチャ付くとは何しやがってんだぁ~~!!」


「それは俺達に対する挑戦状かぁゴラァ~~!!」


「江藤の胸に挟まれるその罪、万死に値する!!」


 おいおいマジかよ!? 他の男子達も錬と同じく何故か怒ってるし! 


「あれ? これって天城君にとって不味い状況?」


「それが分かってんならさっさと放せむぐっ!」


 江藤は周囲を見ながらも未だに俺に胸を押し付けてた。


 くそっ! 羽瀬川の件の追求が無くなったかと思えば今度はコレかよ! 何か俺ここ最近不幸な目にあってないか!? 誰か助けてくれぇっ!

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